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発汗・動悸の原因は甲状腺かも
気になる症状は内分泌専門の医院へ

にしな内科・糖尿病内分泌クリニック

(尼崎市/立花駅)

最終更新日:2024/01/15

にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 発汗・動悸の原因は甲状腺かも 気になる症状は内分泌専門の医院へ にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 発汗・動悸の原因は甲状腺かも 気になる症状は内分泌専門の医院へ
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「多量の発汗がある」「食事を取っていても体重が減少してしまう」「体がだるい」「動悸がする」、こんな症状が現れると、更年期障害やストレスによるメンタルの不調、心臓の病気などを疑う人が多いのではないだろうか。すでに治療をしているが、思うように体調が改善しないという人もいるかもしれない。上に挙げた症状は首元にある甲状腺から分泌されるホルモンが影響しているケースもあるため、甲状腺を専門とする医師の診断を受けることが推奨される。しかし「甲状腺」という言葉を聞いたことがあっても、どのような働きをする器官なのか、どのような病気があるのかはピンとこない人も多いだろう。そこで「にしな内科・糖尿病内分泌クリニック」の仁科周平院長に、その役割や病気の種類・症状、検査・治療など、甲状腺について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年12月9日)

発汗や動悸、倦怠感の原因は甲状腺にあり? 別の病気にも間違われやすい甲状腺疾患とは

Q甲状腺とはどのような臓器なのでしょうか。
A
にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 問診・診察では首・全身を診察

▲問診・診察では首・全身を診察

甲状腺は首の前面部にあり、蝶ネクタイに似た形状をしています。新生児や小児であれば骨・筋肉・臓器の発育や脳の発達、大人になってからは主に新陳代謝に関わる重要な役割を持っています。人間は食べ物からエネルギーを生み出しますが、甲状腺から分泌されるホルモンは摂取した糖や脂肪を効率的にエネルギーに変えたり蓄えたりする調節をしており、そのホルモンは多くても少なくても体をうまく動かすことができません。車で例えるなら、人間のエネルギーとなる食べ物がガソリンで、甲状腺はエンジンオイルのようなものです。エンジンオイルである甲状腺ホルモンは、少なくても体はうまく回らないですし、多すぎても空回りしてしまいます。

Q甲状腺疾患にはどのような種類や症状があるのでしょうか。
A
にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 血液検査や超音波検査など各種検査を実施

▲血液検査や超音波検査など各種検査を実施

代表的なのは甲状腺ホルモンの分泌が過剰となる甲状腺機能亢進症(バセドウ病)です。エネルギーが空回りして活発に使われる状態となり、たくさん食べても痩せる・汗が大量に出るなどの症状があります。一方、甲状腺機能低下症はホルモン分泌が低下し食事量が少なくても体重が増えるといった真逆の症状が出ます。典型的な疾患は橋本病です。甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症に共通する症状には倦怠感があります。一部を除き、後天的で若~中年期以降に発症することがほとんどです。甲状腺疾患は女性の発症率が高く、健康診断などで甲状腺の腫れを指摘されて受診に至るケースが多いですね。このほか、甲状腺がんなども挙げられます。

Q甲状腺の病気はどこで診てもらえばいいでしょうか。
A
にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 検査結果をもとに診断・治療方針を検討

▲検査結果をもとに診断・治療方針を検討

体のさまざまな部分に不調が出ますから、総合的な診療を行う内科の受診をご検討いただくのも選択肢の一つです。甲状腺疾患はメンタルの不調と捉えられるなど、他の疾患の症状であるとして病気が見逃される場合も少なくありません。例えばバセドウ病なら、動悸や不整脈などが伴うため、循環器疾患だと誤解されることもありますね。甲状腺機能亢進症により心房細動という病気が現れることも多いのですが、甲状腺の治療には至らず、心房細動の治療だけをしていたケースもたまに見られます。当院は総合診療を提供すると同時に、甲状腺疾患を診る内分泌領域をサブスペシャリティとしていますから、特に守備範囲が広いと自負しています。

Q受診時の流れについて教えてください。
A
にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 甲状腺疾患の治療では、説明を重視している

▲甲状腺疾患の治療では、説明を重視している

何らかの症状がある方は、問診をして首・全身を診察し、その上で甲状腺ホルモンの異常が疑われる場合は血液検査を行って診断をします。一方、健康診断で甲状腺の腫れを指摘されるも自覚症状がない方は、超音波検査で甲状腺のサイズや内部の状態を観察します。症状がなくても、甲状腺の内部では変化が始まっていることもあるので、その兆候があれば血液検査へ。超音波検査で腫瘍が見つかった場合は、必要に応じて針で腫瘍を刺して直接細胞を吸い出す「穿刺細胞診検査」を実施します。まれに「甲状腺シンチグラフィ」という画像検査を受けていただくときは近隣の大きな病院に紹介しますが、多くの方はクリニック内で検査から治療まで完結します。

Qこちらのクリニックではどのような治療を行っていますか。
A
にしな内科・糖尿病内分泌クリニック 甲状腺疾患は症状が落ち着いていても定期通院が必要だという

▲甲状腺疾患は症状が落ち着いていても定期通院が必要だという

例えばバセドウ病の治療の場合、内服薬・放射線治療・手術の3つの選択肢があり、どれもメリット・デメリットがあります。大多数の患者さんがクリニックでできる内服薬治療を選ぶのは、内服薬治療で寛解する可能性があるためです。放射線治療や手術はすぐに結果が出やすいものの、生涯ホルモンを補充する内服薬が必要になるので、まずは薬が手放せる可能性のある内服薬治療から取り組む方が多いです。ただし妊娠中に使えない薬や副作用の問題もあります。また、バセドウ病の内服治療は長い時間がかかるので、お仕事やライフイベントなど患者さんの環境や背景を踏まえ、最初から放射線治療や手術を選択するケースもあるでしょう。

ドクターからのメッセージ

仁科 周平院長

発汗や動悸など甲状腺ホルモンが多く分泌されていると疑われる方は、できるだけ早期に受診されることをお勧めします。放置したり、治療を中断したりすると甲状腺クリーゼなど命に関わる状態に発展することもあるため、早期かつ継続的な治療が重要です。甲状腺機能低下症は、症状が落ち着いた後は内服を継続していくことで、健康な方と同じように人生を全うしていただくことが望めます。状況に応じて治療方針を見直す必要はありますが、過度な心配は不要です。当院では患者さんに病気への理解を深めていただくために、甲状腺の病気の仕組みや治療法などに関する動画を作成し公開していますので、ぜひご覧ください。

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