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記事公開日:2024/03/18

最終更新日:2024/03/18

病院で働く歯科衛生士の仕事内容・役割・向いているタイプをご紹介

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ひと口に歯科衛生士といっても、一般歯科や矯正歯科、小児歯科、審美歯科といった診療科ごとに、または大規模病院の外来や地域包括ケア病棟といった勤務先によって、その仕事内容はさまざま。転職先を考える上で、ほかの診療科などでの歯科衛生士の仕事内容を知りたい人も多いでしょう。
この「歯科衛生士の仕事」シリーズでは、そんな人たちのために、診療科や勤務先ごとでの歯科衛生士の仕事をピックアップして紹介します。

今回取り上げるのは「病院歯科」です。まちのクリニックなどの歯科医院とは違って、病院に入る歯系診療科のことを指しますが、この記事ではそんな病院歯科での、歯科衛生士の仕事内容、やりがい・魅力、向いているタイプ、職場の探し方などを解説。
病院歯科に関する専門性の高いスキルや知識を身につけたいと考えている人はもちろん、どんな働き方ができるのか気になった人もぜひチェックしてみてください。

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1 病院歯科の特徴

病院歯科とは、20床以上の入院施設のある医療機関=病院の中に入る歯系診療部門のことです。一般の歯科医院と同じように歯科治療全般を行いますが、主に「一般の歯科では治療が難しい症例」「高度で専門的な知識や技術、設備を必要とする症例」などを扱っているという大きな違いがあるほか、体制や診療の進め方にも特徴があります。

●病院歯科の対象疾患

前述のとおり歯科治療全般で、患者の症例は実にさまざま。口唇口蓋裂などの先天性疾患や歯の脱臼といった口腔外科的な治療、全身疾患を伴っていたり口腔がんがあったりする患者の治療にあたっています。
治療の対応範囲が幅広いので、患者の年齢層にも偏りは少なく、子どもから高齢者まで多くの患者を受け持ちます。
また病床が併設されており、入院治療を必要とする重症患者の治療を行うのも特徴。手術や治療だけでなく、入院から退院までの周術期管理も行っています。

●病院歯科の診療体制

病院によりますが、一般的に、難易度の高い治療の臨床実績が多い経験豊富な歯科医師が常勤し、高度で専門的な医療を提供しています。
また病院内でのみですべてが完結するわけではなく、地域の歯科医院と連携したり、総合病院など医科がある病院での歯科においては医系診療部門との連携があったりと、他の診療科や医療機関と関わりを持ちながらチーム医療を行います。
大規模病院での病院歯科では、クリニックなどからの紹介状を必須としているケースがあります。また病院歯科での治療を終えた後の逆紹介という形でも、地域の歯科クリニックと連携しています。

●治療以外の役割

新しい治療法や薬などを研究する研究機関としての役割や、若手の歯科医師や歯科衛生士を優秀なスタッフへと育てる教育機関としての役割も持ち合わせています。医学研究やスタッフ教育は未来の患者を救うための大切な要素です。

令和3(2021)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(厚生労働省)によると、歯系診療科が設置してある総合病院・大学病院は全国に約1100機関です。今後も患者のライフステージやさまざまな体の状態などに応じた歯科医療の提供が求められるため、病院歯科が果たす役割は大きいでしょう。

2 病院歯科での歯科衛生士の仕事内容・役割

歯科衛生士が病院歯科でどのような業務を行うのか、代表的な仕事内容や役割を詳しく紹介します。併せて、求められるスキルについても解説しますので、一つずつ確認していきましょう。

●主な仕事内容・役割

・歯科医師の治療行為の補助

歯科医師の処置前の口内清掃、治療や手術に使う補助器具の準備や消毒、手術室の滅菌・管理などを行います。また自力で動くことが難しい患者の、手術の前後の介助やサポートを担う役割もあります。

・周術期口腔ケア

患者の手術前後、またがん治療の化学療法や放射線療法時に口腔内を清潔に保つためのケアをします。歯石や歯垢の除去、口腔粘膜の清掃、さらにブラッシングや保湿、うがい指導などを行い、動揺歯などがあれば固定する業務を担います。細菌感染の予防や口腔機能の管理をすることで、合併症や副作用のリスクを抑える大事な役割です。

・入院患者の口腔ケア

病院内の入院患者で歯科の介入が必要と思われる人に、入院中の口腔内のクリーニングを実施します。ICUを必要とする人、緩和ケアをしている人、とさまざまな状態の患者を診るのが病院歯科。抱えている疾患は人によって異なる上、口腔状態もさまざまです。そのため患者の全身状態や、体調に応じて必要とされる口腔ケアを行います。また看護師や言語聴覚士といった医科と連携を取り、患者の早期回復に向けての支援を行うことも。

・医療安全、感染予防

診療室、手術室内を安全かつ清潔に保つのも病院歯科での歯科衛生士の重要な役割。器具の整理整頓や管理、またさまざまな感染症の予防のために滅菌作業をしたり、時には患者や家族へ説明したり協力を依頼したりするなど、安全・安心な医療の提供に努めます。

・院内カンファレンスへの参加

定期的に病院内で行われるカンファレンスに、チーム医療の一員として参加します。多職種で連携して情報や意見交換を行い、チーム医療の一員となる役割を果たします。

●求められるスキル

病院歯科で働くための必須資格は、基本的には歯科衛生士の国家資格のみです。臨床経験がどれだけ重視されるかは職場によって異なりますが、働きながら経験を積んで知識・技術を身につける方針の職場が多いようです。一方で、実務経験者が選考や待遇面で優遇されるケースもありますので、求人情報の応募条件で確認しましょう。

また経験以外では、病院歯科への興味や熱意、患者をサポートする気持ち、それから次の4つのスキルが業務において必要となる場面が多いでしょう。

・患者一人ひとりに対するこまやかなコミュニケーション力

病院歯科を受診する患者の年齢やその症状は千差万別。悩みの深さや内容はさまざまなので、患者一人ひとりの心情に寄り添ったコミュニケーションが求められます。特に先天性疾患を持っていたり、がんなどを患っていたりする重症患者に対しては、病気に対するデリケートな気持ちを理解し、前向きに治療に臨んでもらえるように、関わり合いを通じた信頼関係の構築が大切といえるでしょう。

・安全で安心な治療を実現するためのサポート力

外科処置や手術が行われることの多い病院歯科では、緊迫した空気の中でスピーディーかつ正確な処置をしなければならない場面もあります。病院歯科治療をスムーズに進めていくためには、歯科医師の指示に的確に対応し、適切なアシストをすることが求められます。その上で、患者の治療内容や経過状況への理解はもちろんのこと、患者側が抱えている不安や悩みを引き出し、歯科医師に共有するといったサポートが歯科衛生士の重要な役回りとなります。

・病院歯科治療の知識や技術への探究力

病院歯科治療は、一般の歯科医院では対応が難しい症状を扱うことも多いです。必然的にさまざまな疾患や症状と向き合うことになるため、歯科衛生士の業務でも知識や技術を必要とします。未経験で入職した場合には仕事を通じて学んでいきますが、その際は受け身の姿勢ではなく、積極的に習得に取り組む姿勢を持ち続けることが大切です。

・医系診療科や他院と協力するチームワーク力

さまざまな病状を持った患者の対応を任される病院歯科。診療科内の歯科医師や他のスタッフたちとの協働だけでなく、病院内の医系診療科や他院と連携しながら患者の治療にあたる機会も多いでしょう。院内、院外問わず、協調性やチームワーク力が重視されやすい職場環境です。

3 病院歯科の歯科衛生士のやりがい・魅力

病院歯科で働く歯科衛生士のやりがいや魅力について見ていきましょう。

・歯科衛生士としての専門性を高められる

歯科衛生士としての基本的な仕事に加えて、珍しい症例や難しい症例など幅広い臨床経験を積むことができます。病院歯科には専門的な研究をしている歯科医師が在籍していたり、あらゆる疾患に対応した設備が充実していたりと、学びの環境が整っている職場が多数。他の診療科との医療上の関わりも多いので、専門的な知識が身につきやすいでしょう。

・患者との信頼関係を築きやすい

さまざまな疾患によって、悩みの深い患者も訪れる病院歯科。事故などでのけがによる痛み、先天性の症状への悩み、がん闘病のつらさなどに深く寄り添い、サポートすることで患者との絆が生まれる機会が多いでしょう。また入院患者が心身ともに改善されていく様子を側で見届けることができ、喜びや充実感につながるという声もあります。

・院内外でのチーム体制に関われる

院内での歯科医師やほかのスタッフたちとの協働だけでなく、医系診療科や他の歯科医療機関と連携しながら患者の治療に臨むことができます。チーム医療に関わることで、達成感ややりがいを感じる人もいるでしょう。

・査定制度や福利厚生、労働環境の充実

一般の歯科医院に比べると、病院歯科の年収は高い傾向にあるようです。昇給制度が整っていたり、査定システムを取り入れていたりする病院もあり、長く勤めると将来的に安定した収入を得ることができるでしょう。外来や手術は緊急時を除いて土日・祝日は行われない病院が多いため、歯科衛生士は平日日勤の勤務となり、ワークライフバランスがしっかり取れそうです。

4 病院歯科の歯科衛生士に向いているタイプ

どんなタイプの人が病院歯科の歯科衛生士に向いているのか見ていきましょう。

・専門性の高い知識や技術を習得したい人

難易度の高い治療を行う機会が多く、専門性の高い診療を追求していく病院歯科での仕事。設備や環境も整っているため、より専門的に学びたい、歯科の枠を超えた医科やさまざまな疾患についても知り、歯科衛生士として対応していきたいといったスキルアップを望んでいる人にも、得るものが多いでしょう。

・気配りやサポートに自信のある人

歯科医師の診療補助や治療、手術に関する業務だけでなく、入院患者やこれから治療を始める周術期患者の口腔ケアなどその仕事内容は多岐にわたります。 時には動くことが困難な重症患者の介助をする場面もあるでしょう。広い視野を持ち気配り上手で、臨機応変にいろいろとサポートしたり、対応したりすることを好む人はやりがいを感じやすいです。

・患者の悩みに寄り添い支えていきたい人

さまざまな疾患や悪性腫瘍、外傷による悩みを持った患者が受診する病院歯科では、一人の患者と深く関わりを持つ場合があります。患者に寄り添った診療を届け、治療後の喜びを共有したいという思いのある人が向いていそうです。

・チーム医療に貢献したい人

病院内の医系診療科や他の歯科医院と連携しながら患者の治療にあたる機会が多い病院歯科。院内、院外問わずさまざまな分野の人と関わり、同じ目線でチーム医療を成し遂げたいという思いのある人には適した環境だといえるでしょう。

5 病院歯科の歯科衛生士の求人を探すには

病院歯科での歯科衛生士の求人は、求人サイトや転職エージェント、ハローワークなどで扱われているのが一般的です。仕事内容に少しでも興味が湧いた、自分にマッチしていそうと感じた人は、希望する勤務地や条件面などに合わせてリサーチしてみましょう。

当サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ」では、病院の歯科衛生士の求人を掲載しています。
エリアや駅、雇用形態はもちろん、「ブランクOK」「子育てママ在籍中」「退職金あり」などのこだわり条件でも絞り込めるので、自分が重視している条件で求人を探しやすいです。ぜひ活用してみてください。

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◇    ◇    ◇

ここまで、病院歯科の歯科衛生士の仕事全般を解説してきました。設備や環境が整っていて高度な診療に関わることができたり、院内の医系診療科や他の歯科医院との連携でチーム医療の一員としての貢献を感じられたりするなど、やりがいや魅力が多い仕事です。
この記事をきっかけに、病院歯科をぜひ転職先の選択肢に加えてみてください。

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こちらの記事の執筆者
矢野 佑子

ライター

福岡県出身。国内飲料メーカー、外資系ワインメーカーで営業職を経験。教育出版企業に転職後、医療や子育て情報誌の制作に携わり、ドクターをはじめ医療従事者を多く取材。出産を機に退職し、復帰後は個人ライターとして「ドクターズ・ファイル」のクリニック・病院のコンテンツ制作に関わる。

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