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胃がんのリスク軽減にも有用な
ピロリ菌の検査・除菌

岡田クリニック

(西宮市/甲子園駅)

最終更新日:2024/02/07

岡田クリニック 胃がんのリスク軽減にも有用な ピロリ菌の検査・除菌 岡田クリニック 胃がんのリスク軽減にも有用な ピロリ菌の検査・除菌
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最近では「ヘリコバクター・ピロリ菌」の認知度が高くなり、感染すると胃の不調につながることも知られるようになった。とはいえ、どのようにして感染するのか、実際にどういった疾患を引き起こすのかについては、まだ広くは知られていない。「ピロリ菌は多くの消化器の病気を引き起こし、胃がんの発生とも深く関係しています」と、消化器科を専門とする「岡田クリニック」の岡田一幸院長。胃がんをはじめとする消化器疾患のリスクに備えるためには、検査を受けてピロリ菌感染の有無を確認し、感染が認められた場合は除菌を行うことが大切だという。岡田院長に、ピロリ菌の特徴や引き起こされる消化器疾患、検査の方法、除菌の進め方などについて詳しく教えてもらった。

(取材日2023年12月27日)

検査を受けてピロリ菌感染の有無を知ることが、消化器疾患の予防、子どもへの感染予防につながる

Qピロリ菌の特徴を教えてください。
A
岡田クリニック 医師やスタッフと連携。より適切な医療の提供につなげている同院

▲医師やスタッフと連携。より適切な医療の提供につなげている同院

正式にはヘリコバクター・ピロリ菌といい、胃の粘膜上の粘液の中に生息している細菌です。もともとは土壌に生息しており、上下水道が整備されていなかった時代に、井戸水や作物を介して胃の中に侵入したと考えられています。このため、70代以上はほとんどの方に感染が認められますが、衛生環境が整った現代では、水や食べ物から新たに感染する心配はほぼありません。ただし、ピロリ菌に感染している人が口移しで乳幼児に食べ物を与えたりすると、感染の恐れがあります。乳幼児の胃は細菌に対する防御反応がまだ弱いからです。お子さんを持つ予定の方は、赤ちゃんへの感染を防ぐためにも、事前にピロリ菌の検査・除菌を行ってほしいと思います。

Qピロリ菌はどのような病気に関わっているのですか?
A
岡田クリニック 患者一人ひとりに合わせた丁寧な検診を提供するよう努める

▲患者一人ひとりに合わせた丁寧な検診を提供するよう努める

ピロリ菌に感染しているほとんどの人に胃炎の症状が見られ、胃の痛みや胃もたれといった症状を引き起こします。ピロリ菌が胃中に住みつくと胃粘膜に炎症が引き起こされ慢性胃炎の状態となります。さらに慢性胃炎の状態が長く続くと、胃の粘膜が萎縮した状態になる「萎縮性胃炎」に移行します。また炎症が強いと消化管がただれる胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因にもなります。こうした状態を繰り返していると、やがて胃粘膜の細胞ががん化して胃がんを引き起こします。現在では、胃がんの原因の多くがピロリ菌と考えられています。

Qピロリ菌の検査方法について教えてください。
A
岡田クリニック 病理検査を行うことで確実な診断につなげる

▲病理検査を行うことで確実な診断につなげる

いくつかの検査方法があります。胃の内視鏡検査を用いた方法としては、胃粘膜を採取し、薬液と反応させて感染があるかないか確認する迅速ウレアーゼ試験などがあります。内視鏡検査を行わない方法としては、血液・尿検査を行って、ピロリ菌に感染した際に作られる抗体の有無を調べる方法や便中の抗原を調べる方法などがあります。当院の場合、ピロリ菌感染を調べる際には迅速ウレアーゼ試験や血中抗体検査法、除菌後判定には便中抗原検査法を行っています。胃酸の分泌を抑えるためのプロトンポンプ阻害薬(PPI)などの薬を服用していると、検査の精度に問題が生じる心配があるため、内服していない状態での検査を推奨しています。

Qピロリ菌の除菌はどのように行いますか?
A
岡田クリニック 内視鏡検査では検査中の苦痛を感じさせないような工夫も

▲内視鏡検査では検査中の苦痛を感じさせないような工夫も

2種類の抗生剤と胃薬を用います。1日2回、1週間続けて薬を飲んでいただき、その後1ヵ月時間を置いてから、便中抗体検査などで効果の判定を行います。最近は優れた薬が開発され、高い除菌効果が期待できるようになりました。一方、効果が認められない患者さんに対しては、抗生剤に対する抵抗性が原因になっている可能性も考えられるので、薬の種類を変えて再度除菌を試み、1週間服用し、1ヵ月後に判定を行います。ただ、抗生剤に対してアレルギーがある、体質的に合わないなど、除菌が難しいケースがごくまれにあります。

Qピロリ菌に感染しないよう日常生活で気をつける点はありますか?
A
岡田クリニック 胃がんの早期発見のためにも検査の検討を

▲胃がんの早期発見のためにも検査の検討を

ピロリ菌に感染するメカニズムは、実際のところまだすべてが明らかになっているわけではありません。しかし、大人同士で口から感染するケースが見られないのに対して、大人の口から胃の防御反応がまだ確立していない乳幼児への感染は認められています。このため、ピロリ菌感染の可能性がある方や、家族に胃の不調で悩んでいる方がいる場合や、胃がんになった人がいるといった場合は、早めに検査を受けて、感染が認められた場合は除菌をお勧めします。感染の可能性がある方から乳幼児への食物の口移しなども、やはり避けたいところです。防御反応が未熟なお子さんの場合は、衛生環境の悪い地域での水や食べ物からの感染にも注意が必要です。

ドクターからのメッセージ

岡田 一幸院長

ピロリ菌は、さまざまな消化器の疾患、とりわけ胃がんの発生と深く関わっており、病気を予防するためには、感染しているかどうかを知ることが大切です。当院でも、ピロリ菌の検査を希望される方は、胃の症状を自覚して受診され胃の内視鏡検査を受けられる方が中心です。一方、若い方は胃がんになるリスクはまだ低いのですが、お子さんへの感染を未然に防ぐために、理想を言えば20歳代で検査を受けていただきたいですね。胃痛や胃もたれなどの症状がある方、特に家族にピロリ菌感染や胃がんを認めた方で胃痛や胃もたれなどの症状を認めた際には、胃カメラ検査を受けてピロリ菌感染による粘膜萎縮がないか精査を受けてみてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ピロリ菌抗体検査:1100円

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