野口武俊副院長の独自取材記事

明治通りクリニック

(渋谷区／渋谷駅)

最終更新日：2023/11/09

渋谷駅ハチ公口から徒歩6分の「明治通りクリニック」。昨年、明治通り沿いから渋谷の中心エリアに近い場所に移転してきた。副院長の野口武俊先生の温かな笑顔に迎えられ、人柄そのままの穏やかな色合いでコーディネートされた院内にいると、ここが渋谷であることを忘れそうになる。保険診療でのピアストラブル、ニキビ、イボなどの治療の他、自由診療での美容皮膚科の診療など守備範囲は広く、いずれの診療でも「一人ひとりに時間をかける」のがモットーだ。インタビューでは、これまでの経歴から現在の診療にかける思い、今後の展望まで、一つ一つ言葉を選び、ユーモアも交えながら丁寧に答えてくれた野口先生。日々、個々の患者を大切に診療する医師の姿がそこにはあった。

（取材日2023年10月12日）

形成外科の医師とともに皮膚に関する手術に注力
ピアストラブルからイボの治療まで幅広く対応
完全予約制で患者一人ひとりにしっかりと時間をかける

形成外科の医師とともに皮膚に関する手術に注力

まず、医師になったきっかけなどを教えてください。

家族に医療関係者がいるわけでもないのですが、自分では覚えていないくらい小さな頃から「お医者さんになりたい」と言っていたらしいです。ただ後から聞いた話によると、母方の先祖には将軍の病気を治療した医師がいたそうです。私自身は人と話すのが大好きで、学生の頃からいろいろと相談されることも多くて（笑）、ですので、結果的に自分の特性を生かせるこの仕事を選んで良かったと思っています。北海道大学時代は医学を学ぶ傍らキャンパスの近くにあった皮膚病理学の研究所にも通い、全国から集まってくる病理組織のガラス標本をひたすら顕微鏡で観察する日々も楽しかったです。

なぜ皮膚科を専門にしようと思われたのでしょうか。

皮膚の病気は直接目で見えるため、患者さんにとって、かかった時も治療の経過もわかりやすいという特徴があります。それだけに、医師としてもやりがいがありそうだと感じました。また、皮膚科は病名が多く細かく見分けて診断をしていかなくてはいけないので病理も大事です。病理、診断、治療、すべてを一人で完結できる上に、治療には外科的要素があるのも魅力的でした。私は皮膚科診療において手術治療を得意としていますが、勤務した虎の門病院で研鑽を積めたからこその強みだと思っています。当時の同病院皮膚科には皮膚外科手術で知られた先生がいらして、全国から腕を磨きたい医師たちが集っていました。その後、いずれは町のクリニックで地域の人たちのために働きたいと考えるようになり、診療の幅を広げるために美容皮膚科、小児科、性感染症を専門とする病院などで経験を重ねました。

これまでの経験が今の診療に生かされていると感じるのはどんなときですか？

粉瘤、脂肪腫、良性の腫瘍など、手術が必要な皮膚のできものの治療をするときなどです。当院では形成外科の常勤医師もいるのですが、まさに「形を成す科」の名前どおりの専門性の高い手術テクニックをそばで見ながら日々勉強させてもらっています。また、当院は美容皮膚科も標榜しているため、レーザーによるしみケアを希望される患者さんも少なくないのですが、慎重に対応するようにしています。虎の門病院では数多くの皮膚がんも診てきましたが、若くして亡くなる患者さんもいました。しみのように見えて実はがんの前段階だったというケースもたくさん経験してきたからこそ、怪しいしみを見逃さないように心がけています。その他、お子さんのあざやアトピー性皮膚炎の治療、梅毒特有の皮疹の見極め、美容皮膚科の診療も、すべてこれまでの経験が役立っています。

ピアストラブルからイボの治療まで幅広く対応

ピアストラブルの相談も多く寄せられるそうですね。

渋谷というエリア特性もあると思いますが、ピアストラブルのご相談も多いです。ご自身でピアスの穴開けを行った後、毎日ご自身でピアスを着脱するうちに傷つけてトラブルになる例もあるので注意が必要です。ピアスホール周囲の痛み、腫れ、膿などのピアストラブルには、シリコンドレーンによるドレナージなどに対応していますし、しこりができてしまった場合は摘出手術も可能です。いずれも保険診療で対応できるので、髪で隠して我慢をしたりせずに早めに来ていただければと思います。炎症に対する治療も当院では「ピアス穴はできるだけ残す」をモットーとしていますから、まずは気軽にご相談してください。

その他、こちらではどのような治療が受けられますか？

最近、増えているのがイボの相談です。マイナス196℃の液体窒素でイボを凍結し脱落させることをめざす治療法になりますが「痛い」「なかなか治らない」という方が当院にいらっしゃることも少なくありません。液体窒素は健康な肌に触れた時に痛みを感じるので、イボだけに当たるようにするためのプロテクターを独自開発していることを公式サイトで見て来てくださるようです。イボを狙い撃ちすることをめざすので無駄がなく、治療回数も少なくて済むというメリットが期待できます。また、円形脱毛症に対する光線療法では先進のエキシマライト照射装置も導入しました。その他、ニキビに関しても内服と外用薬による保険診療をはじめ、お悩みに合わせたメニューを用意しているのでご相談ください。

すべての診療において大切にしていることは何ですか？

患者さん一人ひとりにしっかりと時間をかけて診療を行うことです。このため基本的に予約制としていますが、急なやけどや切り傷などでお困りの時にはいつでもいらしてください。診療にあたっては「患者さんの不安や疑問に耳を傾け、難しい専門用語は使わずにわかりやすい説明を心がけています」と昔から言っていましたが、数年前に入院する機会があった際に「本当にできていたのだろうか？」とあらためて考え直すきっかけになりました。病気やケガで心が弱っている時、医療者のほんの一言や態度に傷ついたり、逆にうれしかったりということもあるのだなと、実感できたのは得難い経験でしたね。これからも、より深く患者さんに寄り添っていけたらと思っています。

完全予約制で患者一人ひとりにしっかりと時間をかける

今後の展望についてお聞かせください。

たくさんの方にご利用いただいているピアストラブルに関するご相談には、これからも丁寧に応えていきたいと思っています。また、美容皮膚科の診療でも、今後ともすべての診療において患者さんのためになることを最優先にしていきます。ネットで情報も入手しやすい時代ですが、たとえご希望であってもその患者さんにとって不必要と判断される場合は理由を説明して無理にお勧めしない方針でやっていきたいです。

お忙しい毎日をお過ごしですがリフレッシュ法などはありますか？

筋力トレーニングが趣味で、一時期かなりやりこんでいてずいぶん筋肉がついていたこともあったのですが、今はほどほどにしています。渋谷にはたくさんカフェもあるので自転車であちこち回ってSNSにアップしたりもしていますね。その他、インテリアや間取り図を眺めるのも結構好きです。実は、当院の内装も私がいろいろとアイデアを出しています。待合室は温かみのあるベージュを基調に一人掛けの椅子を置いて、診察室、施術室はそれぞれ壁の色を変えて。パウダールームは窓からの光も入る、明るい雰囲気にしました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

患者さんが悩んでいることをしっかりと相談でき、安心して治療を受けられるクリニックでありたいと思っています。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医や日本形成外科学会認定形成外科専門医の資格を持った常勤医師が3人、美容に精通した女性医師をはじめ非常勤医師が5人と、複数の医師が在籍しているのも強みです。医師、看護師、受付ともにフレンドリーで、全員が一人ひとりの患者さんに十分な時間を確保して接していきたいと思っています。皮膚科のクリニックとしては比較的広々としていますし、完全予約制なので混雑することもなくゆったりと過ごしていただけるのではないでしょうか。年末年始を除き、土日祝日も診療していますので、気軽にお立ち寄りください。