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食事中にむせたり、咳き込んだり
嚥下障害は専門機関で検査を

おじまクリニック

(西宮市/甲子園口駅)

最終更新日:2023/10/18

おじまクリニック 食事中にむせたり、咳き込んだり 嚥下障害は専門機関で検査を おじまクリニック 食事中にむせたり、咳き込んだり 嚥下障害は専門機関で検査を
  • 保険診療

物がうまく飲み込めない、むせる、咳き込むといった症状があれば、それは嚥下障害のサインかもしれない。加齢による喉の筋力低下などを原因に起きる嚥下障害は、放っておくと栄養状態を悪化させたり、高齢の場合は誤嚥性肺炎を引き起こしたりと、さまざまな悪影響を及ぼしてしまう。一方で専門的な診療を行うクリニックは少なく、知らず知らずのうちに悪化しているケースもあるという。そこで嚥下障害について専門的な診療に取り組んでいるのが「おじまクリニック」だ。嚥下造影検査や言語聴覚士によるリハビリテーションなどを提供しており、「むせる、飲み込みにくいなどの症状が普通だと思わず、まずは相談してほしい」と話す小嶋和絵院長に、嚥下障害について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年10月3日)

言語聴覚士や管理栄養士を交えたチーム医療で、嚥下障害の専門的なリハビリテーションに対応

Q食事をうまく飲み込めない、食事中にむせるのは問題でしょうか?
A
おじまクリニック 嚥下障害は食事に限らずさまざまなタイミングで症状が現れる

▲嚥下障害は食事に限らずさまざまなタイミングで症状が現れる

そういった一見普通の行動でも、実は嚥下障害の可能性はあります。食事が食べにくい、むせる、咳き込むといった症状のほかにも、食欲が落ちて体重が低下してきた、咳で目が覚める、朝起きたら喉にたんが絡んでいるというのも、嚥下障害が影響していることがあります。また人は1日1〜2リットルほど唾液が出ているのですが、通常は無意識のうちに飲み込んでいます。しかし嚥下障害になると、食事だけではなく唾液の飲み込みでもむせてしまい、話している時や寝ている時、テレビを見ている時などにも咳き込んでしまうのです。嚥下障害は食事に関するシーンだけではなく、さまざまなタイミングにおいて症状が出てきます。

Q嚥下障害の原因などについて詳しく教えてください。
A
おじまクリニック 言語聴覚士によるリハビリや、管理栄養士による栄養指導を行う

▲言語聴覚士によるリハビリや、管理栄養士による栄養指導を行う

嚥下障害で最も多い原因は加齢による筋力の低下です。物を飲み込むというのにも筋力が必要ですから。あるいは頭頸部などのがんで手術を受けたり、放射線治療を受けたりした方、それにパーキンソン病やレビー小体型認知症をはじめとした神経難病の方に見られる症状です。ほかにも脳梗塞の後遺症によって嚥下が困難になるケースもあります。男女だと一般的に男性のほうに多いといわれています。喋る筋肉と飲み込むための筋肉は同じですから、どちらかと言うと男性で無口な人が嚥下障害になりやすいと言えるでしょう。定年退職後に意欲が落ち、食べる量が減り、筋肉量が落ちてきた結果、嚥下障害になるという方が多い印象です。

Qどのようなタイミングで受診すれば良いのでしょうか?
A
おじまクリニック 早期にリハビリすることで、筋肉量を戻すことも望める

▲早期にリハビリすることで、筋肉量を戻すことも望める

多少の飲み込みにくさや咳が出るからといって、クリニックを受診される方はまれです。嚥下障害であっても治療をしていない方が多いのは、その受診タイミングのつかみにくさにあると思います。例えば飲み込みにくい、むせるというのも自分で「こんなものだろう」と思わず、症状が出てきたタイミングで受診することが重要です。また患者さんご自身では症状が出ていることに気づかない場合もあるので、家族から食事中の咳などを指摘されたら一度相談してみても良いかもしれません。もちろんそれらの症状がすべて嚥下障害というわけではありませんが、早期にリハビリすることができれば筋肉量を戻すことも望めますから、早めの受診を意識しましょう。

Qこちらのクリニックの診療の特徴を教えてください。
A
おじまクリニック 嚥下造影検査の結果に応じて一人ひとりに適した治療方法を検討

▲嚥下造影検査の結果に応じて一人ひとりに適した治療方法を検討

まずは検査機器が充実していることでしょうか。嚥下内視鏡検査に加え、嚥下造影検査に対応しています。また、言語聴覚士によるリハビリも特徴ですね。嚥下障害の方はうまく食事が取れず栄養状態が悪いケースもあり、管理栄養士による栄養指導なども行いながらリハビリが行えるのは当クリニックの強みだと思います。そうした専門家を交えたチーム医療は大きな病院でないと難しい面がありますが、病院ではどうしても重症患者や入院患者を優先しなければならず、十分な医療が提供できていないのも事実。リハビリのために通院も必要ですから、通いやすいクリニックでの専門診療が重要だと考えています。

Q日常生活で行える工夫や気をつけることはありますか?
A
おじまクリニック 食事の仕方などを工夫することで、誤嚥を防ぐことができる

▲食事の仕方などを工夫することで、誤嚥を防ぐことができる

気をつけてほしいのは食べる時の姿勢です。腰と膝が直角になるように座って食べること。またテレビを見ながら食事をする際は、テレビを目線の高さよりも下に置いてください。視線が上を向いてしまうと、上向きで飲み込むことになり誤嚥につながりやすくなります。脳梗塞が原因の場合は、片側にまひが出るように喉の左右どちら側かが物が通りにくくなります。物が飲み込みにくい側に顔を向け、スムーズな嚥下ができるような食べ方をする工夫だけで喉への残留物は減らすことができます。あとは個体と液体を交互に取る交互嚥下もお勧めですね。患者さんによって気をつけることがそれぞれ違ってくるので、検査結果に応じてお伝えさせていただきます。

ドクターからのメッセージ

小嶋 和絵院長

例えば、脱水だからといって、水分をこまめに取れば良いというものではありません。嚥下状態によって水分をそのまま摂取できるのか、あるいはゼリー状にしないと飲み込めないのかなど、適切な診断が必要です。嚥下障害も早期発見、早期治療ができれば回復にかかる時間も短くすることが期待できます。咳が出るだけだから、ちょっとむせるだけだからと放置せず、専門機関を受診するようにしてください。放置していると誤嚥性肺炎のリスクが高まったり、栄養障害や寝たきり、窒息などにつながったりしてしまいます。予防方法としては喉の筋力を鍛えることなので、たくさんお喋りをする、カラオケなど大きな声で歌うことを意識してみてください。

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