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女性に続く下半身の痛み
意外と知らない骨盤内うっ血症候群とは

西梅田静脈瘤・痛みのクリニック

(大阪市北区/大阪駅)

最終更新日:2023/10/17

西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 女性に続く下半身の痛み 意外と知らない骨盤内うっ血症候群とは 西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 女性に続く下半身の痛み 意外と知らない骨盤内うっ血症候群とは
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立ち仕事をしていると下腹部が痛む、夕方は特にひどくなるといった女性特有の症状。こうした骨盤痛が半年も続くようであれば、それは骨盤内うっ血症候群という病気かもしれない。骨盤内うっ血症候群は昔からあるにもかかわらず、世間の認知度は低い。症状に悩んで婦人科などを受診したものの、特に異常はないと診断され、もどかしさや不安を抱えている女性も多いに違いない。そんな骨盤内うっ血症候群の診断・治療に専門的に取り組んでいるのが、「西梅田静脈瘤・痛みのクリニック」の小田晃義院長。病気のメカニズムや傾向、改善へ向けたアプローチなど、エキスパートならではの解説を詳しく聞いてみた。

(取材日2023年9月25日)

診断・施術には専門的な経験が必要。日帰りカテーテル治療で根本解決をめざす

Q骨盤内うっ血症候群とは、どのような病気でしょうか?
A
西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 骨盤内うっ血症候群の治療に専門的に取り組んでいる小田院長

▲骨盤内うっ血症候群の治療に専門的に取り組んでいる小田院長

骨盤内うっ血症候群は、女性特有の卵巣静脈の病気です。通常であれば血液は卵巣から静脈を通って心臓へ戻っていきますが、静脈の弁が壊れると血流が重力に逆らえず、骨盤に血液がたまってしまうという仕組みです。横になっていると楽なのに、立って仕事をしていると下腹部に痛みやだるさが出現し、特に夕方になると症状がひどくなる傾向があります。月経以外の痛みが半年も続くようであれば慢性骨盤痛と診断されますが、骨盤内うっ血症候群がその原因となっている可能性は大いにあるでしょう。骨盤に静脈血流が集まるため、時に性交痛や痔の症状を引き起こし、それが不妊の一因になるなど、社会生活にさまざまな支障を来す恐れがあります。

Q静脈弁が壊れてしまう原因を教えてください。
A
西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 対象年齢は広く、高齢者を含めて成人女性なら誰もがかかり得る

▲対象年齢は広く、高齢者を含めて成人女性なら誰もがかかり得る

はっきりとした原因はまだわかっていませんが、静脈の弁不全には妊娠や出産、生理などが関わっており、卵巣静脈の血流の増加によって静脈自体に負担がかかることが主な理由といわれています。家族歴など遺伝的な関与も考えられますし、また、閉経後に女性ホルモンのエストロゲンが減少すると血管の抵抗が上昇するため、骨盤内うっ血症候群になりやすくなるといわれています。そういう意味で対象年齢は広く、高齢者を含めて成人女性なら誰もがかかり得る病気といえるでしょう。静脈の病気としては、足に起こる下肢静脈瘤が近年ではポピュラーですが、場所が違うだけで、骨盤内でも同じようなトラブルが起こることを知っていただければと思います。

Q骨盤内うっ血症候群は、どのように診断されるのでしょうか?
A
西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 世間の認知度が低く、クリニックを転々としてしまうケースもある

▲世間の認知度が低く、クリニックを転々としてしまうケースもある

慢性骨盤痛には骨盤内のすべての臓器が関わっており、骨盤内うっ血症候群の診断は簡単ではありません。子宮外膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患や、過敏性腸症候群、過活動膀胱なども考えられるため、まずは婦人科や泌尿器科、消化器内科を受診するのが一般的です。そこで診断がつかない場合は骨盤内うっ血症候群である可能性が疑われるわけですが、クリニックを転々としても原因不明でずっと悩んでおられたり、中にはうつ病と診断されてしまうケースもあると聞いています。当院では連携する画像診断センターにて造影CTや超音波、MRIなどの検査を行い、最終的には血管造影検査で卵巣静脈の逆流を調べた上で確定診断するよう努めています。

Q骨盤内うっ血症候群の治療は、どのように行うのですか?
A
西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 日帰りでできるカテーテル治療を行っている

▲日帰りでできるカテーテル治療を行っている

慢性骨盤痛の治療には薬物療法を用いることもありますが、薬だけで痛みを劇的に抑えるのは困難です。また、機能を果たしていない卵巣静脈を糸でしばったり、卵巣自体を摘出したりする手術もありますが、それらは大がかりで侵襲も大きいため現在はあまり一般的ではありません。当院でお勧めしているのは、日帰りでできるカテーテル治療で、静脈内をゼラチンスポンジや金属コイルなどでふさぐためのIVR(画像下治療)を積極的に行っています。長くつらい思いをされているようであれば、ぜひカテーテル治療を検討していただきたいと思います。

Qカテーテルと聞くと緊張しますが、痛みなどはありますか?
A
西梅田静脈瘤・痛みのクリニック 豊富な経験や知識を注いで力になりたいと話す小田院長

▲豊富な経験や知識を注いで力になりたいと話す小田院長

カテーテル治療は局所麻酔下で行いますが、「痛みのクリニック」として痛みへも十分に配慮しているため、麻酔の注射がチクッとする程度で施術中に痛みを感じることはほとんどありません。治療室がやや大がかりなので少し緊張してしまうかもしれませんが、施術は1時間程度で完了し、もちろんその日のうちにお帰りいただけます。骨盤内うっ血症候群に対するカテーテル治療を行う医師が少ない中、私は放射線科の医師として血管の塞栓術は日常的に行っていましたし、豊富な経験もあります。また婦人科とも連携し、病気の特定など相互フォローも親密に行っていますので、検査・診断から治療まで安心してお任せください。

ドクターからのメッセージ

小田 晃義院長

いまだに骨盤内うっ血症候群はあまり知られていないのが現状です。そのため婦人科などを受診してもなかなか原因がわからず、「気のせいでは?」「うつ病では?」と言われ、治療を諦めている女性が多いのは非常に残念なことです。痛みというのは本人にしかわからずQOL(生活の質)にも直結する部分ですから、その悩みを解決することは私たちの大切な役割です。幸い今はご自分でいろいろと調べ、骨盤内うっ血症候群ではないかと相談に来られる女性がずいぶん増えました。豊富な経験や知識を注いで皆さんのお力になりたいと考えていますので、症状のある方は気軽にご相談ください。

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