不妊治療専門クリニックで行う
心身の負担が少ない人工授精
桂駅前 Mihara Clinic
(京都市西京区/桂駅)
最終更新日:2023/08/07
- 保険診療
2022年4月から不妊治療に対する公的医療保険の適応が拡大され、費用面でも不妊治療に取り組みやすい環境が整ってきている。しかし治療を検討してはいるものの、その実際についてよくわからず不安を抱えたままのカップルも少なくないと予想される。京都の産婦人科病院「身原病院」の分院「桂駅前 Mihara Clinic」の北宅弘太郎(きたや・こうたろう)先生は「世界保健機関(WHO)をはじめとする専門家医療団体が、不妊症は病気の一つであると定めています。ほかの病気と同じように、該当するカップルには検査や治療を受けていただく権利があります」と穏やかに話す。北宅先生は、大学院時代から不妊症に携わってきた不妊治療のスペシャリスト。そこで今回は、不妊治療の中でも特に人工授精について詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2023年5月8日)
目次
人工授精は本格的な不妊治療のスタートであり、心身ともに非常に負担が少ない治療法
- Q不妊治療の種類について教えてください。
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A
大きく3つに分けられます。一つは基礎体温や超音波検査、尿検査などから排卵日を予測し性交渉を持つ「タイミング療法」。排卵しにくい場合や黄体ホルモンが不足していると思われる場合には内服薬や注射を用いることもあります。2つ目は排卵期に合わせて子宮内に精子を注入する「人工授精」、これらの治療で妊娠が成立しなかった、または妊娠が難しいと予想される場合には3つ目の「体外受精」が選択肢となります。不妊治療は、患者さまそれぞれに合った治療法があります。その方の年齢やご夫婦の考え、置かれている状況などを考慮して、適した治療法の提案を大切にしています。
- Q人工授精に向いている人、向いていない人がいるのでしょうか。
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A
精子の数が少ないまたは運動不良などの男性因子、勃起不全や射精不全、性交痛などの性交障害、精子と頸管粘液の相性が良くない免疫性不妊などが、この治療に適しています。逆に人工授精に向かないのは、卵管に癒着や閉塞がある場合、精子の所見が極端に悪い場合です。人工授精は採取された精液から精子を抽出・洗浄・濃縮し、子宮内に注入する治療です。妊娠に必要な「受精」以降の部分は体内での自然の力に委ねられますので、受精以降の過程に問題がある場合には有用ではありません。また女性が高齢の場合、ほかの治療法を提案すべき場合もあります。
- Q人工授精はやはり痛いのでしょうか?
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A
やわらかい樹脂製の管を用いて行います。従って麻酔や鎮痛剤は原則必要ありません。不安な気持ちが強い場合には事前にご相談いただいて結構です。男性は、精液を採取する以外に特に必要なこともありません。妊娠を願うカップルにとって、心身ともに非常に負担が少ない治療法で、ぜひ前向きに検討していただければと思います。
- Q人工授精のスケジュールについて知りたいです。
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A
月経が来たら受診していただき、必要書類の説明・お渡しや排卵誘発剤の処方を行います。超音波で卵胞の観察、必要に応じて尿検査を行って排卵日を予測します。条件がそろった時点で人工授精の日程をご相談の上で決めます。当日、提出していただいた精液から60〜90分かけて、運動精子をできるだけ抽出し、子宮内に注入します。帰宅後は特に安静にする必要はなく、普段どおりに過ごしていただいて構いません。スポーツを楽しんでいただいても大丈夫です。
- Qこちらのクリニックの強みや特徴を教えてください。
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A
当院は「不妊で悩む方に一人でも多く妊娠していただきたい」という思いから、不妊治療に長年携わる「身原病院」のサテライトとしてオープンしたクリニックです。不妊治療に長く携わってきた豊富な医師がタイミング療法から人工授精はもちろん、体外受精、顕微授精といった高度不妊治療まで対応し、栄養面の指導や生活習慣の改善など、妊娠しやすい体づくりのアドバイスも行っています。妊娠後は、本院と連携して妊婦健診を受けていただき、分娩までサポートできるのも当院の強みです。