渡邉哲平院長の独自取材記事

日本橋浜町　渡辺歯科医院

(中央区／人形町駅)

最終更新日：2023/11/15

東京メトロ半蔵門線水天宮前駅から徒歩5分のところに位置する「日本橋浜町渡辺歯科医院」は歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科を標榜している。院長の渡邉哲平先生は2002年に日本大学歯学部を卒業後、自身の祖父の代から続く歯科医院で診療を行いながら、広い知見を得るために東京都内の複数の歯科医院で経験を積んできた。その後、2014年から分院長を任されていた歯科医院を買い取るかたちで、2020年に同院を開業。できる限り幅広い症例に対応したいという想いで、一般歯科からインプラント治療などの自由診療、訪問歯科診療まで幅広い診療を行う渡邉先生に、開業から3周年を迎えた同院の歩みや診療で大切にしていること、今後の展望などについて語ってもらった。

（取材日2023年3月1日）

祖父と父の背中を追って歯科医師へ
患者のためにできる限り幅広い診療をめざす
患者と近い距離で接し、頼れる存在をめざす

祖父と父の背中を追って歯科医師へ

先生のご家族には歯科医師が多いと伺いました。

はい。私の祖父と父が歯科医師で自宅が歯科医院になっていましたので、幼い頃から歯科医療を身近に感じてきました。私自身が歯科医師をめざすきっかけになったのも、祖父や父の姿に憧れを抱いたからです。祖父は家で技工物を作っていた姿が印象的で、その影響から私自身も入れ歯などを自分で作ることがよくあります。また父は外出先でも「先生」と多くの患者さんに声をかけられている姿が印象的でした。自分の父親が地域の方に慕われている様子を見るのは誇らしかったです。

開業に至るまでの歩みについてお聞かせください。

大学を卒業した後は実家の歯科医院に勤務しながら、同時に都内の他の歯科医院でも診療を行い、歯科医師としての視野を広げられるよう努めてきました。実家の歯科医院では一般の歯科診療のほか、訪問歯科診療も実施していましたので、診療の休み時間に患者さんの自宅へ足を運び、診療していましたね。その後勤務していた歯科医院でインプラント治療の経験も多く積んできました。2014年からは他の歯科医院の分院長としてこの地で診療をしていたのですが、2020年にご縁があってそのままこの場所を買い取り、開業することになりました。

現在いらっしゃっている患者さんについて教えてください。

地域柄高齢の患者さんが多い傾向ですが、年齢層は幅広く、お子さんから90代の方まで受診されています。近くの保育園で健診を担当することもあり、お子さんを診る機会も少なくありません。お子さんを診るときは「歯科医院は怖いところじゃないよ」ということが伝わるように接していますね。お子さんの様子を見て「今日は無理に治療を進めないほうがいいな」と感じたら、保護者の方と相談して診療日を改めることもあります。患者さんの半数は痛みなどの症状があってお越しになりますが、予防歯科に理解のある方がメンテナンスのために通ってくださることも少なくありません。最初は症状があっていらした方でも、メンテナンスの重要性をお伝えしていくうちに、定期的に通ってくださるようになった患者さんも多数いらっしゃいます。先代の頃から来られている患者さんもいて、信頼してくださっていることはありがたいですね。

患者のためにできる限り幅広い診療をめざす

診療において先生が大切にしていることは何でしょうか。

「患者さんのために行動する」ということを常に意識しています。患者さんが自身の健康状態や治療方針を理解した上で治療に臨むことを「インフォームドコンセント」といいますが、患者さんにお口の中の状態や今後の治療方針についてしっかり説明することを大切にしています。患者さんの体を預けていただいているという意識を常に持ち、治療に対するメリット・デメリットをしっかりお伝えしご納得いただいた上で治療を進めることを心がけています。また患者さんとコミュニケーションを取る中で、常に正直でいることも意識していますね。もちろん患者さんの要望にできる限り応えることは大切ですが、できないことはしっかり「できない」と伝えることも信頼関係を築く上で必要だと思っています。治療はもちろんですが患者さん個人とのコミュニケーションも大切にしています。

治療の特色についてお聞かせください。

当院では「やらない診療はあっても、やれない診療はない」という状態をめざし、できるだけ幅広い治療方法の提供を心がけています。何か一つの治療に特化した歯科医院というよりは、オールマイティーな診療を心がけ、多様な症例に対応できるようにありたいと思っています。私自身の得意分野として、強いて言えば経験年数の長いインプラント治療でしょうか。開業した際に新たに導入した歯科用CTも活用し、口腔内をしっかりと診断した上で治療方針を決定することを大切にしています。なお治療の選択肢を広げることはもちろん、「歯医者は痛い、怖い」などのイメージを持っている方がたくさんいらっしゃいますので気持ちに寄り添いながら治療を行っています。急患など緊急で困っている患者さんにも可能な範囲で対応したいと考えていますので、困ったときはお気軽にいつでもご相談ください。

診療の際に意識していることは何でしょうか。

診療の際には、常に噛み合わせを重視した治療を意識しています。口の中はさまざまなバランスによって成り立っており、生活習慣や歯科治療によってそれが崩れると、周辺の歯や体全体にも悪影響が及ぶことがあります。一方で口の中のバランスが整うと、口腔内・体全体の健康維持につながることもあります。私は口の中をよく「家」に例えて患者さんに説明します。家は柱や屋根、内装、外装などさまざまな素材がすべてそろって初めて建ちますよね。口の中も同じで、奥歯や前歯、歯の神経、噛み合わせなどがすべてそろってこそ、うまく機能するものです。口の中のバランスをしっかり診て、口腔内の機能を最大限良くできるよう心がけているほか、患者さんご自身にも自身の口腔内で起こっていることをご理解いただけるよう、模型やレントゲンやパンフレットなどを利用しながら詳しく説明します。

患者と近い距離で接し、頼れる存在をめざす

最近訪問診療も導入されたと伺いました。

はい。幅広い診療をめざす上で、超高齢社会という現状を考え歯科医院に通えない方にも歯科診療を提供したいという想いがあり、準備期間を経て最近導入しました。知識や技術を学び、機器のアップデートをしました。訪問歯科診療の対象となる患者さんは外出のできないご高齢の方などが多く、口の中の状態が良くないと誤嚥性肺炎や食事が口から取れないなど命に直結することもあります。噛み合わせなどにも配慮しながら、入れ歯の調整やお口の中を清潔に保ち食事ができる口腔状態を維持するためのお手伝いをします。ケアマネジャーさんや施設の方との連携も取りながら行っていきます。当院の隣には内科もありますので、そちらとも連携を取りながら多様な患者さんの診療を行えます。

そのほかに行っている取り組みがあれば教えてください。

当院では、予防歯科への意識が高い方はもちろん、そうでない方にもメンテナンスの重要性をお伝えし、口腔内の健康に意識を向けていただけるように、さまざまな情報発信を行っています。スタッフが毎月、口腔内の健康に関する資料を作成しており、受診の際にお渡ししています。テーマは毎月さまざまですが、虫歯や歯周病の原因や予防方法、噛み合わせの重要性など、患者さんに関心を持ってもらえるような内容をピックアップするように心がけています。その他にも待合室にもいろいろな情報を掲示したり当院前で毎週更新している黒板掲示やSNSからも発信し、少しでも皆さんに歯に関心をもっていただければと思って取り組んでいます。口腔ケアグッズ一つとっても、どれが自分に合っているのかわからない、使い方がわからないなどあると思います。お一人お一人に合ったケア方法をご提示できるようスタッフも日々知識を高めるため勉強に励んでいます。

最後に読者へメッセージをお願いいたします。

私は「歯科医師とは患者さんのためにいる存在である」と思っています。痛みなどの症状がある方はもちろん、メンテナンスをしっかり行いたい方や訪問歯科診療に関心のある方など、どんな方でもいつでもお気軽にご相談していただければうれしいです。また当院では、患者さんがご自身の口腔内の状態をよく理解し、納得した上で治療を受けることが大切だと考えています。安心して通える歯科医院として患者さんがご自身の健康に関心を持って、生活の質を高めて生活できるよう、詳しい説明を大切にしながら皆さんの健康をサポートし一緒に守っていきたいですね。