大腸がんの早期発見と予防のために
大腸内視鏡検査の重要性
ごきそ内科・内視鏡クリニック
(名古屋市昭和区/御器所駅)
最終更新日:2024/01/15
- 保険診療
大腸がんの早期発見に有用なのが大腸内視鏡検査。「痛い」「恥ずかしい」「事前に下剤を飲むのが大変」というイメージから敬遠してしまう人も少なくないだろう。「ごきそ内科・内視鏡クリニック」では、そんな不安を抱える患者のために、希望に応じて鎮静剤を使用するなど痛みを感じにくい検査法を取り入れている。中江治道院長は、数多くの検査を手がけてきたスペシャリストとして「大腸がんの早期発見につながる検査の重要性を知ってもらいたい」と言う。依然として部位別がん死亡率で女性が第1位、男性が第3位である大腸がんだが、今は初期の段階であれば治療によって根治が見込める病気となっている。下痢や便秘といった不調がある際はもちろん、そうでなくとも一度は受けるべき大腸内視鏡検査について、中江院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2023年9月1日)
目次
患者の苦痛や不安を軽減するために鎮静下で内視鏡検査を行い、大腸がんの早期発見につなげたい
- Qなぜ大腸内視鏡検査を受けたほうが良いのでしょうか?
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A
近年、日本では40歳以上の世代において大腸がんが増加傾向にあるからです。大腸がんは、早期発見できれば根治が期待できますが、進行すると死亡率が高くなる病気です。大腸内視鏡検査は、そうしたリスクを避けるためにも重要な検査だといえます。検査では内視鏡を肛門から挿入するため、抵抗感のある人もいらっしゃると思いますが、現在は多くの医師が眠っているような感覚の間に検査を行えるよう鎮静剤を使用する方法を取り入れています。また検査機器の進化によって検査部位を細密に映し出せるようになり、診断能力も向上。さらにがん組織を発見するだけではなく、イボ状のポリープが見つかった場合も必要ならばその場で切除できます。
- Q検査はどんなタイミングで受ければ良いですか?
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A
便秘や下痢を長く繰り返す、血便といった症状が大腸がんの代表的な症状です。しかしこうした症状が発現したときには進行しているケースが多いため、無症状でも40~50代の間に一度は内視鏡検査を受けることをお勧めします。また血縁者に大腸がんの患者さんがいらっしゃる場合は特に注意が必要です。大腸内視鏡検査は、異常がなければ毎年受ける必要はありません。それでも抵抗があるという方は、健康診断などの検便によるスクリーニングを利用し、要検査の結果が出たときに受けるというのもお勧めです。高齢の方の場合は、体への負担を考慮して大腸CTなど別の検査にすることも可能です。
- Q検査の流れについて教えてください。
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A
検査前日は消化の良い食事、もしくは検査食を食べていただき、就寝前に下剤を飲みます。当日は体調を確認後、大腸内をきれいにするために1リットル以上の洗浄液を飲んで待機していただきます。その後、希望者にはウトウトと眠っている間に検査を行えるよう鎮静剤を注射します。検査は、まず肛門から大腸の奥まで内視鏡を挿入し、その後に内視鏡を引き抜きながら粘膜を観察していきます。その間、眠っていない患者さんにはこまめな声かけをして安心していただくよう努めます。大腸の状態によって異なりますが、検査時間はおよそ10~20分です。検査後はリカバリールームなどで休んでいただいてから、診療室で結果を説明します。
- Q検査後に気をつけることはありますか?
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A
検査と診察が終了したら、そのまま普段の生活に戻っていただけます。ただし鎮静剤や入眠剤などを使用した場合は、帰路の運転は控えたほうが良いでしょう。またポリープなどの切除をした場合は、出血が増えないように激しい運動や重労働は避け、刺激物も口にしないよう注意してください。次回の大腸内視鏡検査は、異常がなければ毎年する必要はありません。ご自身のタイミングで受けていただくか、代わりに検便でスクリーニングする方法もあります。医師とコミュニケーションを取って必要な情報を提供してもらい、次回の検査時期を調整していくと良いでしょう。
- Qこちらで行っている大腸内視鏡検査の特徴を教えてください。
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A
当院のモットーは「安全性に配慮し痛みの少ない内視鏡検査」です。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として培った内視鏡の挿入法と必要最小限量の鎮静剤により、検査時の苦痛を極力軽減することをめざし、検査にマイナスイメージを抱く人を減らすよう努めています。検査では先進的で高精細の内視鏡システムと拡大内視鏡を駆使し、より小さな病変を発見できるよう注力しています。また、検査前後にゆっくりと休息できる専用のリカバリールームも設置して、ホスピタリティー向上にも努め、痛みの少ない検査を安心して受けていただけるよう環境を整えています。