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張野 正誉 院長の独自取材記事

はりの眼科

(大阪市東淀川区/淡路駅)

最終更新日:2023/12/06

張野正誉院長 はりの眼科 main

淡路駅東出口から程近い「はりの眼科」。院長は、過去に淀川キリスト教病院で眼科部長や副院長を務め、現在は日本眼循環学会の理事を務める張野正誉(はりの・せいよ)院長。その豊富な知見をもとに、白内障や網膜静脈閉塞症への先端治療に力を注ぐ。安心感のある診療をめざしてわかりやすい説明を心がけるほか、自身が健康を損なわないよう数年前からランニングを継続。米国留学時代にはクラシックやジャズのコンサートに頻繁に足を運んだ音楽好きの一面もあり、患者を招き、張野院長がバイオリンを、妻がピアノを弾く演奏会を開催したこともあるという親しみやすいドクターでもある。そんな張野院長に、同院の診療内容や地域医療における眼科医院の役割について話を聞いた。

(取材日2023年10月10日)

後進の指導と地域医療に懸ける恩返しの想い

淀川キリスト教病院に勤める傍ら、臨床教授として学生や若手の医師を指導しておられたと伺いました。

張野正誉院長 はりの眼科1

1993年より21年間、淀川キリスト教病院に勤めていましたが、その頃から母校である大阪大学の臨床教授を務め、開業した今でも継続しています。後進の指導に携わってきたのは、自分自身もお世話になった医療教育に恩返しをしたいという思い、また、大学と関わることで先進の研究と常に接点を持っていられるという点からですね。そのほか専門である網膜の疾患の研究にも力を入れてきました。

重点的に取り組んでいる治療は何ですか?

糖尿病網膜症や加齢黄斑変性など網膜の病気で視力が低下した場合に、抗VEGF剤を目の中に直接注射する治療を行っています。また、定期的な視野測定を要する緑内障の検査の負担軽減を図るため、新しい視野計を導入しました。両目とも開けたまま検査できるため、測定時間の短縮のほか、検査結果にぶれが少なく、精度の高い検査・診断をめざす上でとても役立っています。しかし、網膜の病気や緑内障のような重大な病気だけではなく、「目やにが出る」「目がかすんで見えにくい」といった幅広い症状を解決させていくことも私たちの重要な役割だと考えています。また、特に高齢の方に対しては、白内障の日帰り手術が可能という点も安心していただける情報ではないでしょうか。

この地域で開業された経緯を教えてください。

張野正誉院長 はりの眼科2

開業前に勤務していた淀川キリスト教病院では、大きな病院ならではの設備を活用した医療を実践し、患者さんもいろんなエリアから来られていました。しかし、年齢を重ねるうちに近隣地域の方々とふれあいながら、信頼される仕事がしたいと思うようになったんです。淀川キリスト教病院は現在は東淀川区の柴島にありますが、昔は淡路にあったんですよ。それで、愛着のある淡路駅前にクリニックを開業することにしたんです。

駅前の医療クリニックビルに入っておられる利点は?

駅から歩いて1分という好立地もさることながら、同じ建物内に糖尿病専門の内科クリニックが入っていて、相互連携を取りやすいのが大きな利点です。糖尿病の合併症は目に出ることが怖く、失明につながることもあります。糖尿病は高血糖状態によって血管がもろくなる病気で、目の網膜の細い血管が破れ、出血が網膜に広がる糖尿病網膜症という合併症が懸念されます。そのため、糖尿病と診断された時から定期的に眼科の検査を行うことが大切なんです。しかし、ここがこの病気の恐ろしいところなんですが、初めは自覚症状がないので途中から眼科の検診をやめてしまい、視力が悪くなって来られた時には手遅れだったということもあります。その点、同じビルの中だと同じ日に予約を取れば検診を忘れにくく、安心だと思いますよ。

眼科のスペシャリストとして安心感を提供していきたい

先生は研究留学をされたこともあるそうですね。どのような研究を行っていたのですか?

張野正誉院長 はりの眼科3

大学を卒業し数年間臨床経験を積んだ後、アメリカのペンシルベニア大学シャイエ眼研究所に研究員として留学しました。その時に主に研究していた分野が網膜循環です。帰国後は、網膜循環が変化する疾患の加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、さらに網膜静脈閉塞症をテーマに研究していました。網膜には細い血管が網の目のように通っています。その中の静脈に血栓ができて、出血したり網膜がむくんだりするのが網膜静脈閉塞症です。網膜に出血が起こり、視野が狭く見えにくくなるんですね。こういった症例を専門的に研究したことが、現在行っている加齢黄斑変性や糖尿病網膜症に対する抗VEGF剤の注射療法に生かされています。その患者さんにとって適切な注射回数と思われる治療を選択し、症状緩和を図っていきます。

セカンドオピニオン的なアドバイスを求められることも多いとか。どのようなアドバイスを行っていますか?

例えば、加齢黄斑変性の場合、この疾患には大きく分けて滲出型と萎縮型の2つのタイプがあり、タイプに合わせた治療を行っていくことになります。患者さんは他院で受けた診断や治療が果たして適切なのか、そこに不安を感じて来られるようです。前述の抗VEGF剤の注射療法のように、目への注射治療の場合は恐怖心もあって、さらに不安が大きくなるのだと思います。そこで当院では、OCT(光干渉断層計)や、散瞳のための点眼薬を用いなくてもより広い範囲の盲膜の病気を診断することができる広角眼底カメラを使って、検査を実施。状況の確認を行い、その上で今の治療が適しているのか、症状が安定しているから定期的に経過を見ていくことでいいのか、状況に沿ったアドバイスを行います。

白内障の日帰り手術にも力を入れていますね。

張野正誉院長 はりの眼科4

白内障は高齢の方の視力が悪くなる原因として最も多い症状です。点眼薬による局所麻酔を使いますから、術中の痛みはほとんどありません。先進の白内障手術装置を使用し、手術時間は10分程度、傷口は通常2mmほどで済み、術後20~30分くらい休んでいただいたら帰宅できますよ。手術を行う時期は人それぞれです。視力が低下して運転免許の更新ができない、テレビがぼやけて見える、新聞が読みにくくなったなど、日常生活に支障が出始めたら、その人に適切な時期を相談しながら慎重に判断します。当院では、ご家族にも「安心を提供する」ことを大切にしていますので、手術中の様子を見ることができる見学者用の窓を設けるなど、付き添いの方にも安心していただけるように配慮しています。

地域で先進の技術を積極的に取り入れた眼科診療を

先進的な治療も行っておられるようですね。

張野正誉院長 はりの眼科5

細かい糸や蚊のような濁りが目の前に動いて見える飛蚊症は、自分の目の中の硝子体内にある濁りが見えてしまう現象です。軽い飛蚊症なら徐々に症状に慣れていく場合もありますが、硝子体内の濁りが多くうっとうしく感じられる場合もあります。治療を希望される時は、自由診療になりますが、レーザービトレオライシスという治療を行います。レーザー光を眼球内の濁りに対して照射し、それを細かい破片に分解することによって飛蚊症の症状の緩和をめざします。このビトレオライシス治療は、すべての飛蚊症に適応となるわけではありませんが、対象例においては効果が期待できると同時に、合併症の発生リスクも低いと報告されています。

スタッフさんについても教えてください。

当院は、開業時から勤務する3人をはじめ、5年以上在籍するベテランスタッフが多いのが特徴です。スタッフたちは私の診療理念を理解した上で、自身で適切に判断しながら患者さんと接してくれています。重症患者さんも来院されるため、検査機器も病院と遜色ないレベルのものをそろえていますから、視能訓練士の検査の技術が高いのも強みですね。視能訓練士以外でも可能な業務は、診療の際に私の隣で業務を行う医療クラークを含む全スタッフが積極的に学び、業務をカバーし合える体制が整っています。スタッフの急な病欠があった際も、いつでも安定した診療レベルを提供できるよう努めていることは、当院ならでの取り組みだと自負しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

張野正誉院長 はりの眼科6

当院では「目の病を持つ方に、自分の家族のように全力で診断と治療を行い、安心を提供する」という診療理念を掲げています。日々の診療の中で検査や治療を行う場合も、また、より専門的な医療が必要な時にどの医療機関に紹介するかという場面でも、その判断基準のもと、最善の治療を提供できるように心がけています。クリニックに来てくださったすべての方に安心感を持ってもらえるように、そして目にまつわる不自由を少しでも軽くできるように、これからも治療を含めた幅広いサポートに全力を注ぎたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

レーザー飛蚊症治療(レーザービトレオライシス)/10万円~20万円

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