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岸 岳宏 院長、岸 嘉子 副院長の独自取材記事

きし歯科ファミリークリニック

(大分市/賀来駅)

最終更新日:2023/10/16

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック main

ゆふ高原線・賀来駅から徒歩5分の場所にある「きし歯科ファミリークリニック」。一般歯科に加え、インプラント治療、歯列矯正、そして小児の口腔育成にも注力している地域のかかりつけクリニックだ。十数年の診療を通じて、歯並びが悪くなる原因を学び、それをともに解決していく小児科の医師、助産師との連携体制を構築。「しかし、何より大切なのはそれらの情報を親御さんに適切にお伝えすること。それがお子さんの健やかな成長と歯を守ることにつながるのだと思います」と語る岸岳宏(きし・たけひろ)院長。大人の矯正を担当する岸嘉子(きし・よしこ)副院長とともに、なぜ同院が小児の口腔育成に注力するようになったか、現在どんな取り組みを行っているか、そして今後どのようなクリニックをめざすのかなど詳しく語ってもらった。

(取材日2023年9月7日)

「歯並びが悪くなったら矯正」の意識を変えていく

幅広い年代の患者さんが通っておられるそうですね。

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック1

【岳宏院長】ここは副院長の生まれ育った地域なんです。ここ最近は新しい住宅もできて若いご家族も増えてきました。当院が開業したのは2010年ですが、13年程診療していると、当時小さかったお子さんが中学生になって声変わりをしたり、大学生になって県外の学校に行っても夏休みなどにメインテナンスに来てくれたりと、子どもたちの成長を感じることも増えてきて、それがうれしいですね。もちろんその中で私たちもさまざまな知識を身につけ、現在は一般的なむし歯や歯周病治療のほか、小児から大人の方までを対象にした矯正、インプラント治療、スポーツ歯科など、幅広い診療をご提供しています。中でもここ数年で特に力を入れているのが、お子さんの口腔や顔貌を正しく育てていくことを目的とした「小児の口腔育成」です。

小児の口腔育成について詳しく教えてください。

【嘉子副院長】むし歯や歯周病を防ぐ「予防歯科」の意識は全国的にもかなり広まってきており、実際に患者さんもメインテナンスにきちんと通ってくださる方もとても増えています。学校の歯科検診ではお子さんのむし歯も減っていると実感しています。しかし一方で、歯並びや咬み合わせが悪い「不正歯列・不正咬合」のお子さんが増えてきているようにも感じていました。矯正というやり方もありますが、それは「むし歯になったから歯科に行く」というひと昔前の考え方と同じで「歯並びが悪くなったから矯正する」という後手の対応になってしまっています。ですので当院では、なぜ歯並びが悪くなるのか、その原因を突き止め、できるだけ早い段階で親御さんたちへお伝えすることを大切にしています。

「赤ちゃんケア講座」などもその一環なのでしょうか?

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック2

【岳宏院長】はい。これらの講座では当院の思いに共感してくださった助産師さんが指導役となり、さまざまな知識をお母さんたちにお伝えしています。例えば妊娠中、おなかの中でも赤ちゃんは指しゃぶりをして口腔機能を育てています。しかしお母さんが偏った姿勢でいると、片側の手足が動かしにくくなり、口腔機能が正常に発達する環境ではなくなってしまうのです。他にも抱っこの仕方や、離乳食を与える時期など、生まれてからの環境も歯並びに影響します。産後のお母さんは赤ちゃんにかかりきりになりますし、なかなか歯科医院にも足を運びづらいですよね。だからこそ、妊娠している段階からこのような情報を知っておくことが大切なのです。

他科と協力し、矯正が必要になった原因の解決を図る

歯列矯正が必要になることを予防するという考え方を伝えていくのですね。

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック3

【岳宏院長】「お口ポカン」の状態が歯並びに良くないということは、患者さん側にも広まってきているように感じます。しかし今はアレルギーを持ったお子さんもかなり多く、アレルギー性鼻炎などがあると口を閉じたくても閉じられませんよね。そういう場合は私たちの考えに共感してくださっている小児科の先生をご紹介し、アレルゲンの特定などを行っていただいています。また口を閉じる筋肉が未発達であることが原因であれば、口腔周囲筋を鍛えるトレーニングを当院で行うこともあります。やみくもに「お口ポカンをやめましょう」と言うのではなく、なぜそうなったかの原因を見極め、必要に応じてそれぞれの専門家につなぐことも大切だと考えています。

次に、インプラント治療についてもお聞かせください。

【岳宏院長】私は歯を失った際の第一選択としてインプラントをお勧めしています。インプラントと聞くと高齢の方のための治療と思われがちですが、インプラントは構造も見た目も天然歯に近いため、スポーツをやっていて歯が折れたという若い方にも推奨したい治療です。最近では3ヵ月ほどで治療が終わる、短期間で低侵襲の方法も普及し始めており、当院もその方法を採用しています。しかし、同時に考えなければいけないのは、高齢になり将来的に介護が必要になった場合にきちんとケアができるのかという点です。そのためにも患者さんの生活背景をしっかりお聞きし、今後のライフプランも含めて治療方針を考えていくよう心がけています。

院長はスポーツ歯科の分野にもお詳しいそうですね。

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック4

【岳宏院長】大分県スポーツ学会の理事の任にも就かせていただいています。サッカーなど接触の多いスポーツだと、前述したように歯が折れることなどもありますが、そうならないためにはどうしたらいいのか、例えば試合中には歯を守るスポーツ用のマウスガードの装着を、歯科医師の視点で啓発することにも力を入れています。スポーツ指導者の中には、いまだに「マウスガードは必要ない」と考えている方もいるようですが、歯が折れて後悔しても、取り戻すことはできません。スポーツ時のケガから歯を守り、スポーツを思い切り楽しむためにも、マウスガードの有用性を適切に伝えていきたいと考えています。

地域患者の「歯の相談窓口」としての役割を担っていく

いずれも患者さんにとって必要な情報を提供することを大切にされているのですね。

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック5

【嘉子副院長】そのための学びの姿勢は、当院の大きな特徴の一つだと思います。私は中学生以上を対象としたワイヤー矯正やマウスピース型装置を用いた矯正を担当しています。矯正の方法はいろいろありますが、やはり勉強していくうちにだんだんと「歯並びが悪くなる原因は何なのか?」を考えるようになり、院長が中心となって行うお子さんへの口腔育成・矯正にたどり着いたという経緯もあります。患者さんの中には、当院に相談に来られたのが遅く、幼児期の矯正に間に合わなかったという方もいらっしゃいます。「歯並びが悪くなってから歯科医院を受診して矯正すればいい」という意識から「歯並びが悪くならないように予防する」の意識へと変えていく意義は大きいと感じています。

今後の展望についてお聞かせください。

【岳宏院長】歯科の最新の知識を患者さんにお伝えできる場所でありたいという思いは強いです。特にお母さんはさまざまな子育ての悩みを抱えておられ、その悩みを相談する場所もわからないという方も多いです。でもそれを当院に相談していただければ、当院でお力になれることがあるかもしれません。また、それに付随して例えばアレルギー性鼻炎の診察が必要かもしれないとわかれば、信頼できる小児科や耳鼻咽喉科の先生へとおつなぎできますから。院内で実施している「子育て・歯並び講演会&相談会」もその一つのかたちですし、このような他のクリニックではまだ取り組んでいないようなことを、今後もさらに続けていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

岸岳宏院長、岸嘉子副院長 きし歯科ファミリークリニック6

【嘉子副院長】生まれ育った場所に歯科医師として貢献できるのは本当に幸せなことです。「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020」が実現できている方は歯並びが良いというデータもあります。一生健康でいられるようなサポートを、これからも新しい知識を学びながら続けていくつもりです。
【岳宏院長】多くの歯科医院がある中で当院を選んでくださった、そのご縁を大切にしていきたいですね。「ここを選んで良かった」と思っていただきたいですし、口腔育成などの知識を知らなかったことで後悔してほしくないとも強く思っています。道行きに迷うお母さん方を導いていけるよう、今できるベストを尽くし、さらに日々の勉強でそのベストを更新していくつもりです。ぜひいろんな意見やご相談をお聞かせください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント/25万円~、矯正(小児矯正)/35万円〜、小児口腔育成装置/5万円〜、矯正(成人矯正)/65万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/35万円~

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