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今村 直人 院長の独自取材記事

今村小児科アレルギー科

(鹿児島市/宇宿一丁目駅)

最終更新日:2021/10/12

今村直人院長 今村小児科アレルギー科 main

鹿児島市電・宇宿一丁目電停から徒歩5分。今村直人院長が2011年に父のクリニックを継承し、「今村小児科アレルギー科」として開業した。一般的な小児科疾患のほか、喘息や食物アレルギーなどのアレルギー性疾患にも対応。鹿児島市内だけではなく屋久島や奄美大島といった離島からも多くの患者が相談に訪れている。「親御さんやお子さんの目線に立った診療を提供したい」との思いから、できるだけ医学用語を使わずに説明をする姿が印象的だ。開業して10年という節目の年に、これまでの道のりやクリニックの特徴、今後の展望について今村院長に話を聞いた。

(取材日2021年7月13日)

常日頃から患者の立場に立った診療を提供

医療への思いや理念を教えてください。

今村直人院長 今村小児科アレルギー科1

困っている患者さんに対して何か貢献できることがあればしてあげたいという思いで診療しています。いろいろな年代、症状の患者さんが来られますので、相手の求めていることに対して適切な答えを出し、治療につなげていけたらと考えています。基本はすべての人に対してその場でできるベストの診療をすること。そのためには、当院でできることとできないことをしっかりと見極めることが大事です。できることならば精いっぱいの治療を行い、できない場合はほかのクリニックや先生に迅速に紹介し、患者さんが適切な診療を受けられるようにしなければいけません。ですので、大きな病院やほかの周りのクリニックと連携し、地域に密着しながら、互いの顔が見える関係づくりに努めています。

診療をする時に気をつけていることはありますか?

気軽に相談に来てもらえるようにすることです。患者さんの中には、たいした症状じゃないから、といった理由でクリニックに来るのを躊躇される方もいますが、ちょっとしたことでも構わないので相談に来てほしいです。普段からお子さんを見ているからこそ気になる点があると思います。私自身も子育ての経験があるのでプレッシャーや心配になる気持ちはわかります。例えば、熱があるとかおなかが痛いと言っているなら遠慮せずに来てください。何もなければ安心できますし、早くに気づけば軽症で済む場合もあります。当院には毎日のように来る親御さんもいらっしゃるんですよ。常に親御さんの味方ができればと思っています。

最近は、事前にネットでいろいろと調べてから来られる患者さんも増えたのでは?

今村直人院長 今村小児科アレルギー科2

そうですね。時には心配しすぎかなと思う親御さんもいますが、皆さんすごく詳しいですし、しっかりと調べてから来ているという印象です。あと、今は親御さんのほとんどがスマホを持っていらっしゃいますから、「昨晩はこんな感じでした」と、症状を写真に撮って見せてくれるのはありがたいです。写真とか動画は発症したときの状態が一目瞭然なので、すごく役に立つものなんですね。中には血便とかを撮影して見せてくれる親御さんもいますけど、カメラの性能が良いおかげで、現物を見なくても判断できるケースがたくさんあります。だから親御さんには何か変化があったらすぐに写真を撮ってねと伝えています。

喘息の子どもたちと出会い、アレルギーの治療に尽力

先生はアレルギー疾患の診療にも注力されていますが、アレルギーを専門的に学ぼうと思ったきっかけは?

今村直人院長 今村小児科アレルギー科3

今から二十数年前、私が在籍していた国立指宿病院の小児科では、喘息の子どもを集めて体を鍛えたり、喘息の勉強をしたりする合宿を開いていたんです。当時は症状のコントロールができず学校に行けない子どもたちが大勢いて、病棟に長期入院していたのです。当時私が担当していたのは、小学生と中学生の子どもたちで、彼らの兄代わりみたいな存在でした。診療以外に生活面でも長く接していたので、彼らが元気に生活できるように何とかしてあげたいと思ったのが、アレルギーについて深く学ぼうと思ったきっかけです。しかし当時鹿児島にはアレルギーの勉強ができる病院がほとんどなかったのです。そこで、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)にアレルギー治療に詳しい先生がいると知り、当時の上司に直談判して国内留学というかたちで1年間勉強しに行くことになりました。そこで学んだことと得た人脈は今の私の財産になっています。

アトピー性皮膚炎ではどういった治療をしていますか?

アトピー性皮膚炎ではスキンケアの指導に重きを置いており、私が大まかに説明をした後、場所を変えてスタッフが時間をかけて説明しています。私の説明だけだと一度で理解するのが難しいこともあるので、後でスタッフがフォローして説明することで、しっかり理解・納得していただけるようにしています。重症度が高くてもスキンケアである程度症状のコントロールが期待できます。また、薬を処方する場合も、塗る回数や塗り方、塗るタイミング、塗る量などを適正に行うことがとても大切なので、丁寧な説明が欠かせません。特に初診の時は親御さんにわかってもらえるよう時間を長く取ってお伝えするようにしています。スキンケア指導も含めてお母さんたちにわかりやすく伝えるためにスタッフが頑張ってくれているので助かっています。

子どもの食物アレルギーの治療法について教えてください。

今村直人院長 今村小児科アレルギー科4

食物アレルギーは原因となる食材を特定しなければなりません。まず、親御さんに症状が出現した時の状況についてヒアリングを行います。ここでヒントになる情報を引き出せれば原因の特定につながるので、細かく質問していきます。その情報をもとに血液検査等を行います。治療については、必要に応じて内服薬を出したり、アナフィラキシーの発作に備え、緊急治療薬として自分で打てるアドレナリン注射薬を処方したりする場合もあります。以前は原因となる食材を排除するやり方が主流でしたが、現在は少しずつ食べることで克服していこうという方向に変わってきています。もちろん症状が出現する食材は除去する必要がありますが、半年に1回くらいの間隔で血液検査をすると、数値に変化が見られることもあるため継続的な評価が必要です。ただ、中にはアナフィラキシー症状を起こす場合もあるので、慎重かつ臨機応変に対応することを心がけています。

患者の願いをかなえるため、医師として全力でサポート

小児科の医師としてどんな時にやりがいを感じていますか?

今村直人院長 今村小児科アレルギー科5

私たちは、困っている患者さんが良くなってくれることを願い、日々診療しています。喘息があって運動ができない子も、症状をうまくコントロールできるようになれば、やりたいスポーツをすることは可能ですし、実際世の中には、喘息の持病がありながらスポーツの世界で活躍している選手もいます。だから当院でも、アレルギーに悩む子どもたちが希望を持てるよう、診療を通して応援していますし、それが私のやりがいにもつながっています。もちろん医師として止めなくてはいけない時もありますが、一方でどうやったらできるようになるか、その方法を見つけてあげたい。前に進めるように応援やアドバイスしながら、時にはストッパーになる、そんなメリハリのある対応を心がけています。

お休みの日は何をされていますか?

サッカー観戦です。地元のJリーグチームのホームゲームは、3年前からほぼすべての試合を見に行っています。子どもが高校までサッカーをしていて練習や試合を見に行っていたので、その影響でサッカー好きになりました。私自身は野球部出身で、新型コロナウイルスが流行する前までは鹿児島大学、宮崎大学、広島大学、新潟大学の医師たちで、大学持ち回りで野球の試合をしていたんです。医師が何十人も集まるのに、勉強もせず野球をして酒を飲んで交流を深めていました(笑)。開業前、鹿児島大学小児科の野球チームに入っていた時は、九州の小児科野球大会で何度も優勝し、全国大会に出たことも。投手としてナゴヤドームでノーヒットノーランで勝った試合は、若かりし日の良い思い出です。

今後の展望をお聞かせください。

今村直人院長 今村小児科アレルギー科6

今の診療スタイルを続けていくことです。日々その時その時に全力を尽くすしかありません。それを継続するためにも、心身ともに健康であるように気をつけています。もし何か心配事があると気もそぞろになってしまいますから、自分の健康と体調の管理を徹底して、診療を続けていきたいですね。あと健康面では子どもたちに負けないようにしないと、とも思っています。子どもは4人いて、上が20代、下は小学5年生。上の子たちは就職や大学で今は別々に暮らしているので、今は一番下の娘と一緒に毎日バス停まで歩いたり、時には登山をしたりしながら健康維持に努めています。

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