虫歯の再発リスクや歯科金属アレルギーに配慮
セラミック治療
曙橋やまかわ歯科クリニック
(新宿区/曙橋駅)
最終更新日:2024/04/12
- 自由診療
虫歯の治療の際、保険診療内の銀歯を選択した場合、やはり見た目が気になる、歯科金属アレルギーが心配などと思っている人もいるだろう。歯の寿命を長く延ばすことに重きを置いて歯科診療を提供している「曙橋やまかわ歯科クリニック」の山川辰也院長は「虫歯の治療は可能な限り再治療を先延ばしできるようにすることが重要です。長期的な視点に立って、虫歯の詰め物やかぶせ物にはどんな素材が最も良いのか、一度、患者さんご自身で考えることも大切ですね」と話す。同院では、歯科金属アレルギーにも対応し、生体との親和性に特徴があるセラミックを用いた治療によって、再治療のリスクを軽減させることに努めている。セラミックを用いた治療には、どのような特徴があるのか山川院長に聞いた。
(取材日2024年3月18日)
目次
高い強度が期待できるジルコニアを用いた精密な治療を実践
- Qまずは、保険診療でよく使われる銀歯の特徴を教えてください。
-
A
私は、虫歯治療においては可能な限り再治療を先延ばしにすることが重要と考えています。銀歯を用いることが悪いというわけではありません。ただ、長期に使用していると、金属の性質上、銀歯が変形していきます。上下の歯は1日1000回以上噛み合うともいわれ、体重と同程度の負荷がかかっているため金属に変形が生じやすいのです。その変形した銀歯と歯との間に隙間ができ、そこから虫歯菌が侵入し虫歯が再発しやすくなります。また、金属が唾液によって溶け、金属イオンが体内に入ることで歯科金属アレルギー症状や歯肉の変色を引き起こす可能性もあります。こうしたリスクを念頭に虫歯の治療に使う素材について一度考えてみても良いですね。
- Q金属を使用しない詰め物やかぶせ物にはどんな種類がありますか。
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A
大きく分けて3つのタイプがあります。保険診療対応のCAD/CAMシステムによるプラスチック素材のもの、自由診療となるオールセラミック及びジルコニアです。プラスチック素材は、オールセラミックやジルコニアと比べるとやわらかいので壊れやすく、また着色汚れや臭いがつきやすいといったデメリットがあります。オールセラミックは、透明感のある美しい仕上がりが望めるため前歯に適しています。表面が滑らかで汚れがつきにくいといった特性もあります。またジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれています。非常に硬くて割れにくいのが一番の特徴です。最近では透明感のある質感のものも出てきています。
- Qこちらではどんな種類のものを使用しているのですか。
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A
当院ではジルコニア、もしくはオールセラミックを使用しています。どちらかというとジルコニアを優先するケースが多いですね。というのも、ジルコニア素材は、今お話したように強度が高いので、噛み合わせが強い人でもほとんど割れたり壊れたりするおそれがないからです。また、虫歯で削る量が多い場合もジルコニアによる補修が適しています。強度が高く変形しにくいということは歯との間に隙間ができにくい、つまり虫歯の再発予防にも有用ということです。また、ジルコニアは適応範囲が広く、ブリッジやインプラントの人工歯としても使えます。当院では、治療前に噛み合わせの調整をしっかり行うとともに歯科技工所と綿密な連携を取っています。
- Qこちらのセラミックを用いた治療の特徴について教えてください。
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A
治療を始める前には、口腔環境を整えるために口腔内をクリーニングします。もし歯茎が腫れていれば、まずそのケアを行って歯茎の状態の改善を図ります。その後、一つ一つのステップに手間暇をかけて丁寧に対応していきます。例えば、かぶせ物の型採りをする際には、圧排糸という細い糸を歯と歯肉の間に挟んで歯肉を押し広げることで歯と歯肉の境目を明瞭にする歯肉圧排という工程を行い、より精密なかぶせ物ができるよう努めています。また、ケースによっては、歯科技工士に来てもらい色や形などを直接患者さんと話し合います。このように当院では患者さんのご要望に即して、どのような工程においてもご満足いただけるよう全力を尽くしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはジルコニアクラウン/1本:14万円~、オールセラミッククラウン/1本:14万円~