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城川 泰司郎 院長の独自取材記事

クリニックプラス高円寺

(杉並区/高円寺駅)

最終更新日:2023/06/08

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺 main

高円寺駅北口からすぐのところにあるビルの4階に2023年5月オープンしたのが、「クリニックプラス高円寺」だ。内科、皮膚科、アレルギー科を中心としたプライマリケアの診療に取り組んでいる同院。駅前という場所や平日夜8時までの診療と休日診療、SNSを活用した予約システムなどで利便性を高めることで、患者の医療体験にプラスをもたらすことをめざしている。そんな同院の城川泰司郎院長は、総合内科に加え、感染症や膠原病を専門に発熱患者の診療にも注力。本当にさまざまである発熱の原因をしっかりと鑑別診断し、適切な治療につなげられるよう努めている。「病気のことはもちろん、生活面での不安なことがあれば気軽に相談してほしい」と気さくに話す城川院長に、同院のことや診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2023年5月13日)

内科を中心に総合診療を幅広く提供するクリニック

最初にクリニックの紹介をお願いします。

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺1

当院は、今年の5月1日に開院しました。高円寺駅北口から徒歩1分もかからない場所で、健康や病気のことなら何でもすぐに相談に来ていただけるクリニックです。診療としては、内科一般を中心にアレルギー科や皮膚科もカバーする幅広い総合診療を提供することをめざしています。私は西荻窪で生まれ育ちましたので、年齢のことなどを考えると、そろそろ杉並区に貢献できたらなと思っていました。ここに来る前は同じグループの本院である下北沢のクリニックに勤めていたのですが、そちらで高円寺の駅前に新しくクリニックを出すという話を聞いたんです。ちょうどその時に所属していた病院を退職しようかと考えていたこともあって、当院の院長をさせていただくことになりました。

特徴はどのようなところですか?

まず、立地もそうですが利便性が高いことです。受診の予約は、SNSで簡単にできます。もちろん高齢の方などでSNSは使えない場合は電話でも受けつけています。また予約の方優先にはなりますが、直接来ていただいても診察は受けられます。待ち時間についても、予約時にSNSで問診票を記入してもらうなどして、できるだけ予約の時間どおりにスムーズに診察できるようにしています。また、平日は夜8時まで、土日祝日も夕方5時半まで診療をしていますので、仕事などで平日の昼間は忙しい方でも受診がしやすいと思います。待合室は、現在も新型コロナウイルス感染症が完全には収まっていないので、発熱患者さんとそうではない患者さんで分けています。

力を入れていることは何ですか?

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺2

発熱患者さんの診療です。発熱の原因は、大きく5つに分けられます。新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症、自己免疫疾患や膠原病、悪性腫瘍、薬剤性、そして原因不明の場合です。感染症は、発熱、咽頭痛、咳嗽、鼻汁、鼻閉感などがあれば感冒の可能性が高いです。海外渡航歴があれば発熱、皮疹、関節痛や筋肉痛、消化器症状などが出現するデング熱、マラリアや腸チフス、レプトスピラ症などの可能性もあります。また、最近増えているものに性感染症、特に梅毒や急性HIV感染症などで発熱することもあります。私はずっと感染症を専門としてきており、それらを鑑別して治療を進めることを心がけています。当院では新型コロナウイルス感染症に対して、抗原検査やPCR検査の実施と抗ウイルス薬の処方も可能であり、強みの一つかと思います。

発熱やアレルギー疾患の診療に力を入れる

感染症は鑑別診断が大切なのですね。

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺3

例えば、上気道症状がないのに発熱が1〜2週間続くようなら、血液中に菌が入ってしまう菌血症を想起して血液培養検査が必要となり得ます。それを施行せずに抗菌薬を処方すると根本的な改善にはつながらず、その間に病態が悪くなってしまうことも少なくありません。今までに、若い女性で感染性心内膜炎で脳内出血を起こしてしまった方や海外渡航歴を未聴取であったがためにマラリアで命を落としそうになった方、繰り返す尿路感染症と診断されたが血液培養や尿培養検査をせずに抗菌薬だけ処方され、私が精査した時には感染性大動脈瘤であり緊急手術を受けた方など診てきました。そのような誤診を未然に防ぐために、検査はもちろん必要ですが、『問診』で病歴などを確認して、鑑別疾患を想起し、何の疾患が疑わしいのかをしっかり突き詰めることが大切です。

膠原病についても教えてください。

発熱が出る膠原病には、若年女性に起こる大動脈炎症候群(高安動脈炎)や高齢者に起こる巨細胞性動脈炎といった血管炎をはじめ、若年女性に起こりうる全身性エリテマトーデス(SLE)、スティル病、さらには高齢者ではリウマチ性多発筋痛症など本当にさまざまあります。これに関しても『問診』でしっかりと病歴を確認して、身体所見をとり、検査を施行し、診断に結びつけることが大切です。また、膠原病は除外診断が重要であり、治療経過が思わしくない時こそ見落としている点はないか診断内容を何度も確認していく作業が非常に重要となります。膠原病は決して珍しい病気ではありませんし、ADLの低下や、命に関わることもありますので、適切な治療につなげられるよう努めています。

ほかに力を入れていることはありますか?

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺4

健診異常の精査や高血圧症、高尿酸血症、逆流性食道炎、糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など一般的な生活習慣病はもちろんですが、アレルギー疾患の治療にも力を入れていて、花粉症に対する舌下免疫療法にも対応しています。また、最近ではアニサキスアレルギー、肉類を食べて半日ほどたってから出るアナフィラキシー発症や主に小麦類や甲殻類、果物などを摂取後2~4時間以内の運動や入浴などで出現しうるアナフィラキシー発症などが散見されます。これらのアレルギーは半日経過後に症状が出現し得るので患者さんがアレルギーとは思わず、医療者側が疑い検査しないと診断が難しいのです。これについても、やはり病歴をしっかり確認することが大切です。

病気を突き止めるために病歴や問診を大切に

診療の際に心がけていることはありますか?

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺5

検査は当然重要ですが、その前にやはり『問診』が大切と考えています。ここまで感染症や膠原病、アレルギー疾患の話をさせてもらいましたが、そのいずれでも一番大事なのは『問診』で、患者さんに何が起きているのかを確認することです。複雑な症例ほど『問診』を重視した上で適切な検査をしないと病気を突き止めることは難しく、この問診力こそが自身の強みだと考えています。加えて、患者さんが何を求めているのか、何が心配で受診しているのかを踏まえた診察も大切にしています。例えば、私が風邪だと診断しても、患者さんは肺炎を心配しているとすると、聴診や胸部レントゲン撮影をしてほしいはずです。そのようなギャップが出ないように何が心配なのか話をしっかりと聞き、考え得る病態をしっかり説明することで患者さんが満足し安心してくださるような診療を心がけています。

先生はなぜ医師を志したのですか?

私はもともと建築学科を卒業し学士編入で医師になりました。卒業論文を作成していた頃にいろいろと考えたことがありました。建築家には、自分の哲学を持って建物を作る人がたくさんいて、私もそういう人たちに惹かれて哲学書もたくさん読みました。そこで感じたのが、建築家は人間とは何なのか、人々に対して何ができるのか、ということを突き詰めていき、それを建築で表現していることです。そして自分なりの考えを突き詰めていく中で、私は建築家として人々に表現するのではなく人と会話をすることで、一緒に悩んで解決に導きたいと考えるようになりました。ちょうど私自身が喘息で苦しんでいたこともあり、医師になって病気で困っている人を助けていきたいと思い、医師を志しました。

今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

城川泰司郎院長 クリニックプラス高円寺6

一般のクリニックで血液培養の検査をしているところは多くありませんが、当院では検査可能です。海外渡航歴のある患者さんが来院することを想定し、今後デング熱やマラリアなどの検査もできるような体制にしていきたいです。加えて、最近は性感染症が増えていますので、ブライダルチェックなども対応予定です。また、近いうちに皮膚科の医師も加わる予定です。そして、病気に限りませんが、人に話すと気持ちが楽になるので、今回お話ししたような病気のことはもちろん、生活面で何か悩み事などがあれば、気軽に受診して相談していただきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

PCR検査/1万9800円

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