スタッフが連携し母子をサポート
心身を支える産後ケア
ゆりかごファミリークリニック
(新居浜市/新居浜駅)
最終更新日:2023/11/30
最近、「ワンオペ育児」という言葉に注目が集まっており、子育てに孤軍奮闘している母親らが少しでも安心できるよう、社会的支援を提供する試みが始まっている。「ゆりかごファミリークリニック」における産後ケアも、その先駆的な取り組みの一つだ。大藤佳子院長は、「日々の生活や子育ての中で生まれる小さな不安やお悩みを、気軽に立ち寄って相談できる。そんな場所に当院がなれたらいいなと思っています」と話す。同院では新居浜市や西条市の委託を受け、生後1年未満の乳児を育てる家庭への訪問や、施設における母子の日帰りケア・宿泊に対応。専門知識のあるスタッフらが、温かく母子をサポートしている。その取り組みの詳細について院長に聞いた。
(取材日2023年5月24日)
目次
地域ぐるみで子育てを支援し、母子の元気を充電
- Q産後ケアとはどういったものなのでしょうか?
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A
産後ケアとは、出産して間もないお母さんが安心して子育てできるよう、お母さんと赤ちゃんのケアや育児支援を行うものです。助産師ら専門知識のあるスタッフが、授乳に関するアドバイスや哺乳量の測定、乳房マッサージ、沐浴サポート、育児に関するお悩み相談を提供します。また、子育てや家事が忙しくて休息する暇のないお母さんに、赤ちゃんを預かる間、ゆっくり休んでもらうことも大切にしています。サービスは、1回あたり2時間程度の家庭訪問か、施設に来ていただいて日帰りまたは宿泊でゆっくり過ごしてもらう形で利用できます。
- Q利用できる対象者について教えてください。
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A
産後1年未満のお母さんと赤ちゃんで、新居浜市と西条市にお住まいの方が対象です。心にお悩みを抱えている方はもちろんですが、健康なお母さんも常時1人で赤ちゃんを見ていると疲れてしまうこともあると思いますから、「ちょっと休みに行こうかな」という感覚でご利用いただければうれしいです。普段は赤ちゃんと2人だけで話し相手もいないという人も多いでしょうから、ご利用の際はスタッフといろんな話を楽しんでください。産後1年未満であれば、在宅訪問を7回、施設利用を7回の、計14回ご利用いただけます。
- Qサービスはどういった手続きで受けられるのですか?
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A
まずは市の保健センターへ事前申し込みをしてください。ご希望を踏まえて、担当者が当院との調整を行い、利用日時が決定します。産後ケアの情報に関しては、妊娠中の方を対象に保健センターが主催している「パパママ教室」などで紹介されています。また市のホームページでも利用料金などが詳しく掲載されているので、ご参照いただければと思います。当日は、母子健康手帳や赤ちゃんに必要なもの、お母さんの宿泊用品をご準備ください。キャンセルの場合は、2日前までに保健センターへ連絡をお願いします。
- Q実際の産後ケアの流れについても教えてください。
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A
例えば日帰りで施設を利用いただく場合ですと、朝9時頃ご来院いただき、ケア内容の相談や赤ちゃんの沐浴・シャワーを行います。そしてゆっくりお昼ご飯を食べて、午後からは授乳指導やおっぱいケア、ご希望に応じてよもぎ蒸し・アロママッサージなどのリラックス体験を。希望に応じて赤ちゃんはスタッフに預け、お母さんにはゆっくり休息を取ってもらいます。おやつタイムの後は、赤ちゃんとの関わり方のアドバイスや、お悩み相談、雑談など。そしてアンケートにご記入いただき帰宅となります。1日を通して、お母さんや赤ちゃんのペースに合わせて対応しますからご安心ください。
- Q利用者さんはどのような悩みを持たれていることが多いですか?
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A
初めての子育てだと、おっぱいを飲んでくれない時にどうすればいいか、赤ちゃんの肌の状態に異常はないか、洗い残している部分はないかなど、たくさんのお悩みを持っています。ちょっとしたことでも相談して、安心していただきたいですね。また、ご家庭だと家事もしないといけないのでご自身の食事もままならなかったりするそうで、ゆっくりお食事していただければと思います。当院では、離乳食のアドバイスや感覚過敏を和らげるベビーマッサージなども行っています。お母さんにもお子さんにもメリットがあるシステムですから、ゆっくり過ごしていただいて、元気を充電していただければと思います。