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青木 裕章 院長、寺尾 章広 さん、平野 彩香 さんの独自取材記事

エール在宅診療所

(北区/駒込駅)

最終更新日:2024/04/10

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所 main

東京都北区・豊島区・荒川区・文京区を中心に、24時間365日体制で訪問診療・往診を手がける「エール在宅診療所」。JR山手線・駒込駅から徒歩8分ほどの住宅街にあり、北区西ケ原を中心に、機能強化型在宅療養支援診療所、在宅緩和ケア充実診療所として地域の在宅医療を支えている。院長を務める青木裕章先生は、大学病院での勤務医時代に訪問診療の重要性を痛感したことがきっかけで、2022年に同診療所を開いた。現在は訪問診療や往診を通じて、関わる人が皆笑顔になれるよう、最善の医療およびサービスの提供をめざしている。取材では青木院長と、医療連携を担当する寺尾章広さん、診療アシスタントの平野彩香さんに、同診療所の特色や地域医療に懸ける思いなどについて、じっくりと話を聞いた。

(取材日2024年3月5日)

患者それぞれの人生を尊重し、医療を通じエールを送る

まずはこちらの診療所についてご紹介ください。

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所1

【青木院長】私たちは、訪問診療や往診を通じて在宅医療を提供しています。一般的に、外来を受診される患者さんの中には、なかなか納得できない部分もありながら、そこで提供される医療をどこか仕方ないという思いを抱きつつ受け入れている方も少なくないと思います。私は、そういった問題を解決できるのは、現時点では訪問診療という医療の形なのではないかと考えているのです。そのため、患者さんに喜んでいただけるような医療やサービスの提供をめざし、日々邁進しています。在宅医療は、医師だけでは成り立たず、看護師やケアマネジャー、ホームヘルパーなど多職種の人が関わって初めて実現するものです。そのためチーム一丸となって在宅医療にあたることを大切にしています。

訪問される地域にはどういった特徴がありますか?

【青木院長】主な診療範囲は北区と近隣の豊島区、文京区、荒川区、台東区、板橋区です。この辺りには昔からお住まいの方が多く、高齢化が進んでいるという特徴があります。高齢化の波は、住んでいる方だけではなく、地域の医療機関にもどんどん押し寄せています。廃院した病院もあれば、診療に携わる先生が不足している医療機関も少なくありません。患者さんの高齢化に伴い医療の需要が増加する一方で、医療を提供する側の高齢化も進行し、地域医療資源の不足が危ぶまれている状況というわけです。そうした現状を少しでも良い方向に変えていくことをめざし、当診療所では訪問診療や往診に取り組んでいます。

こちらの診療所の名前の由来を教えてください。

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所2

【青木院長】医療の現場から患者さんやその家族を応援したい、エールを送りたいという意味が込められています。同時に、香り豊かで味わい深いことが特徴のエールビールにもかけています。エールビールは、複雑な香りと味わい、色あいなどを楽しみながら飲むタイプのビールです。同様に、人の人生も多様な形で発酵され、それぞれの味わいというものがあると思います。そこで当診療所では、さまざまな人の人生を尊重して日々を楽しむお手伝いができるよう、医療を提供していきたいと考えています。

多職種と密に連携し、患者や家族の生活を支える

寺尾さんが担当されている役割についてお聞かせください。

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所3

【寺尾さん】私は医療相談と医療連携を主に担当しています。具体的には、訪問診療を希望されている方からお問い合わせがあった際に、受け入れの相談に応じる窓口です。医療機関の相談員の方やケアマネジャー、訪問看護師さんなどから依頼を受けるわけですが、病状や身体状況など、訪問診療が必要とされる情報を整理し、医師の初診に入る前に事前にご患者さんの自宅に訪問して、当診療所の方針についてしっかりとご説明をするというところから行っています。これまでの病状の経過や身体状況を可能な限りヒアリングして、医師の初診にかかる負担や時間を少しでも軽減することが目標です。そうすることによって、初診時の医師から患者さんへの余計な聴取が減り、診療時間の短縮も見込めます。そして結果的には、訪問診療を必要としている多くの方を診ることにつながっていくのではないかと考えています。

平野さんの業務についてもお伺いします。

【平野さん】私は診療アシスタントとして活動しています。業務内容としては、診療所からご自宅までの運転を担い、医師とともに患者さんのご自宅に同行することが多いです。そして患者さんのご自宅でできる範囲のサポートをさせていただいています。処方箋に関する対応や、その場で患者さんやご家族から伺った話で必要なことをほかのケアマネジャーや訪問看護師に伝えることも私の役割です。私はこの仕事がとても好きなので、当診療所の良さや先生方の良さを伝えるため、アシスタントとして何ができるのかということを常に考えています。患者さんご本人が身体的に最もおつらい状況だと思うのですが、それをそばで支えているご家族も精神的・身体的に大変な思いを抱えておられるので、その方たちの体調も伺うようにしているんです。訪問時に私からご家族にもお声がけをするなど、患者さんと同様、ご家族も大切に思っていることをお伝えできるよう心がけています。

青木先生の専門分野について教えていただけますでしょうか。

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所4

【青木院長】もともとは泌尿器科が専門で、排尿に関する診療やがんの診療を中心に行っていました。その中でも加齢により心身が衰える「フレイル」と、筋肉量が減少して筋力の低下や身体機能の低下を来す「サルコペニア」に関わる領域が専門です。具体的には、フレイルの方たちがどうやったらがん治療を行えるかをテーマに研究していました。在宅医療に関する研究もしていましたが、提供する医療の内容については先生個人に任されている部分が大きいと実感しました。そこで自分の理想とする医療の実現をめざすために、開業することをイメージするようになったんです。私を支えてくれるチームのスタッフには、私の思い描く将来的なビジョンを共有しているので、それをめざしてチーム一丸となり地域医療に尽力していきたいと考えています。

多職種との連携 スタッフ全員が同じ気持ちで

がんを患った方も多く診られているそうですね。

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所5

【青木院長】はい。訪問診療と聞くと、高齢の人を在宅で診るというイメージが強いと思うのですが、患者さんには若い方もたくさんいらっしゃり、その中の多くはがんを患った方です。がんを患った場合、医療機関の中には治療の選択肢が絶たれたことを理由に地域に出されてしまうことがあります。その場合問題になるのが、誰がこうした方々を診るのかということです。特にがんという病気の性質上、患者さんの症状は日々変化しますし、丁寧に診るということが必要になります。当診療所は、私が大学でがんを専門に診療していたこともあり、そうした患者さんも対応が可能です。

在宅医療を提供する上でどんなことを大切にされていますか?

【寺尾さん】患者さんが住み慣れた地域で安心して過ごしていただけるように、医療連携担当として地域の事業所との連携・共有を大切にしています。クイックレスポンスを連携の目標として掲げ、ICTを有効活用して日々多職種間との連携を行っています。どれだけ規模が大きくなっても、相談しやすい風通しの良い環境で、患者さんへのよりよい医療を提供できるようにと考えています。
【平野さん】相手の立場になって考えるということです。どれだけ先生と患者さんが信頼し合っていても、時には先生に伝えづらいこともあります。その部分に寄り添えるように、事業所の方から患者さんの様子を伺って、先生に共有するなど、私だからできることを大切にしています。

最後に、読者にメッセージをお願いいたします。

青木裕章院長、寺尾章広さん、平野彩香さん エール在宅診療所6

【寺尾さん】地域の皆さまや医療・介護従事者の皆さまがいつでも気軽にご相談いただけるよう、ホームページやSNSの情報も整えております。いつでもご連絡ください。
【青木院長】高齢化が進み、一人暮らしの方が多くなっていることで地域社会で誰に在宅医療について相談したらいいのかわからず悩んでいらっしゃる方が増えているのかなと思います。私たちは患者さんを取り巻く環境を壊すことなく、その人に合った診療をしていくということを大切にしています。在宅医療を受ける人はもちろん、医療従事者や関係するすべての人が「Happy」に過ごせるような対応を日々心がけています。訪問診療・往診を希望される方やご家族、関係者の方など、気になることがありましたらぜひお気軽にお問い合わせください。

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