基本に忠実な丁寧な処置で
再治療のリスク抑制に配慮した根管治療
デンタルテラス堀江
(大阪市西区/四ツ橋駅)
最終更新日:2023/11/09
- 保険診療
「根管(こんかん)」と呼ばれる管状の歯の根っこは、人によって管の数や形状が違うそうだ。内部はとても狭く繊細な処置が求められる上、唾液に含まれるばい菌などが入り込むと根管内に炎症が起こり、再治療が必要になる。場合によっては、大切な歯を失うことになりかねない。「だからこそ、最初にきちんとした治療を受けることが大切です」と、「デンタルテラス堀江」の古谷颯大院長。再治療のセカンドオピニオンで来院する患者も多い同院では、再治療のリスクをできるだけ抑えるために感染予防処置を徹底し、丁寧で精密な治療を実践している。古谷院長に、治療を受ける際に注意したいポイントや実際の治療の進め方などについて、詳しく教えてもらった。
(取材日2023年10月19日)
目次
再治療を避けるためには、きちんとした根管治療を受けられる歯科医院を選ぶことが大切
- Q根管治療とはどのような治療でしょうか?
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A
虫歯が進行したり、歯のひびから細菌が侵入したりして、根管と呼ばれる歯の根っこの部分が炎症を起こしている方を対象にした治療です。一般的には「神経を取る治療」とも呼ばれます。根管が炎症を起こすと、多くの場合は痛みを伴いますが、根管内の神経が死んでしまうと、痛みを感じないままに進行して、抜歯を余儀なくされるケースもあるので注意が必要です。根管治療が必要な場合は、麻酔をした上で専用の道具を使って根管の内部にある神経を取り出し、内部をきれいに洗浄消毒した上で、炎症を抑えるための薬を入れて仮のふたをします。この処置を2〜3回繰り返し、炎症が治まれば、薬剤を充填してふたをするのが基本的な治療の流れです。
- Q根管治療にも保険診療と自由診療があるそうですね。
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A
保険診療の場合は、治療の進め方や使用できる薬剤や器具などがある程度限定されています。一方、自由診療は、時間的な制約の少なさと、さまざまな薬剤や器具の中から、患者さんにより合ったものを選んで使えるのが利点です。例えば、根管に詰める薬剤は、当院では、保険診療の場合でも使用できる中で質の良いものを使っていますが、自由診療なら先進的な素材も使うことができます。また、治療中の細菌の侵入を防ぐのに役立つラバーダムや根管内を拡大して観察できる歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は、当院ではすべての患者さんに使用しています。
- Q治療の回数や1回あたりの治療時間を教えてください。
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A
通院回数は患者さんの歯の状態によって異なり、通常は1〜4回、1回あたりの治療に必要な時間は40分〜1時間ほどです。お口を長時間開けているのがつらい方の場合は、もっと短い時間でも対応します。治療の間隔は、患者さんのスケジュールに合わせて設定しますが、仮のふたは長く持たないので、1ヵ月も間隔を空けることはありません。根管治療を問題なく進めるためには、治療中の感染予防が重要なポイントです。当院がすべての患者さんにラバーダムを使用するのも、感染を極力防ぐためです。また、治療回数が増えると患者さんの負担になるだけでなく、感染のリスクも増えてしまうので、できるだけ少ない回数で終えるようにしています。
- Q根管治療を受ける際の歯科医院選びのポイントは?
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A
根管治療は取り返しがつかない治療だと思います。とりわけ、再治療を避けるためには1回目の診療がとても大切で、最初にどれだけしっかりとした治療を受けられるかどうかがその後を左右するとも言えます。再治療となると、以前よりは厳しい条件で治療を進めることになり、残せる可能性があった歯も抜歯を余儀なくされるリスクがあるからです。現代の根管治療では、ラバーダムやマイクロスコープの使用は感染予防において重要なものとして広まっており、こうした道具を使って治療をしているかどうかは一つの選択基準になると思います。また、丁寧な処置を行うためには時間がかかるので、治療の時間にある程度ゆとりがある歯科医院がいいですね。
- Q受診の目安やタイミングを教えてください。
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A
虫歯が痛む場合はすぐに治療を受けてください。また、痛みを伴わずに進行して根管に炎症が及ぶ虫歯もあり、エックス線を撮って初めて大きな虫歯だとわかることも少なくありません。このため、痛みなどがなくても定期検診に通い、虫歯を早期に発見することが大切です。根管治療は「神経を取る治療」とも呼ばれますが、神経を取ってしまうと血管もなくなってしまうので、血流がない状態になり、歯はどうしても弱くなってしまいます。神経を取ると、虫歯にも気づきにくくなります。歯の健康のためには、神経を取る根管治療をできるだけ避けるべきなので、そうならないよう普段のお手入れや定期検診を心がけていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療/5万5000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。