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静 毅人 院長の独自取材記事

静内科

(高崎市/井野駅)

最終更新日:2023/04/18

静毅人院長 静内科 main

1989年の開院以来、地域医療に貢献してきた「静内科」。院長の静毅人(しずか・たけひと)先生は、勤務医時代に心臓血管内科の医師として培った経験を生まれ育った高崎で生かしたいと開業した。同院は一見したところ、カフェやヘアサロンのような建物だが、それには「病院に来たことを感じさせない雰囲気の中で、患者さんにリラックスしてほしい」という院長の想いが込められている。ここ数年は新型コロナウイルス感染症流行のため、ドライブスルーによる検査や診療などにも力を注いできたが、今後は本来の循環器内科・内科の診療により一層励み、特に心筋梗塞で命を落とす人を救いたいという気持ちが強い。インタビューでは、医師をめざしたきっかけや心臓の話、心筋梗塞の前兆に見られる症状、趣味など、たっぷり語ってもらった。

(取材日2023年3月2日)

生まれ育った高崎で地域医療に貢献したい

まず、開業に際してこの地域を選んだ理由、患者層などお聞かせください。

静毅人院長 静内科1

私は高崎市に生まれ育ちましたので、地元に貢献したいという想いで開業地に選びました。2007年から10年以上、高崎総合医療センターの心臓血管内科の医師として心臓と血管の診療に携わってきましたので、その経験をこの地域で生かすことができればうれしいです。患者さんは新型コロナウイルス感染症の影響で、発熱で来院される方やPCR検査を受けられる方も多かったのですが、それ以前からの患者さんは、循環器では動悸や息切れのある方、健康診断の心電図などで再検査を勧められた方、近隣の医師からの紹介が多く、内科では、風邪や花粉症など一般的な内科疾患の患者さんが多いですね。年齢層は子どもから高齢者まで幅広く来院されています。

建物の外観が個性的でおしゃれな雰囲気ですが、こだわった点などありますか?

病院らしくないとよく言われます。病院ができた当初は、美容室の人が「ライバル店ができた」と思ったそうです。この建物を造ってくれた人があまり病院が好きではなかったことも影響しているのでしょうか。私もクリニックっぽくない感じにできたらいいなと思っていました。循環器疾患を診療するクリニックですので、来院した際に緊張して血圧を上げてほしくありませんから、なるべくリラックスして落ち着けるような建物、内装にしました。絵画やドライフラワーなども随所に取り入れています。

医師をめざしたきっかけ、ご専門分野について教えてください。

静毅人院長 静内科2

子どもの頃に体調が悪くなった際、この近所の先生に診てもらったことがきっかけで医師に憧れて、そのまま大きくなりました。その先生はもう亡くなってしまったのですが。専門の心臓分野に進んだのは、純粋に心電図や心臓の超音波が面白いと思ったからです。ビジュアル面でも心臓にかなり惹かれるところがありまして、循環器というよりも心臓そのものの見た目、形の美しさ、機能性が好きで、機能美みたいなものに惹かれました。血圧が上がるメカニズムもすごく興味深いんですよ。

どのような仕組みで血圧は上がるのでしょうか?

進化の過程で、魚が陸に上がる時に体内に海と同じような状況をつくらなくてはならなくて、塩と水分を蓄えておくシステムが必要でした。このようなシステムをレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系というのですが、あるホルモンによって血圧が維持され、海中から陸に上がっても血圧や血液の量を維持できるのです。そして、実際に陸に上がって人間にまで進化すると、塩を外から摂取できるようになり、それで塩分が過剰になって血圧が上がるという仕組みです。患者さんにこういう話をすると、患者さんも興味を持って聞いてくれますね。

心筋梗塞の前兆を見逃さず、早期発見をめざす

心臓の代表的な疾患である心筋梗塞について教えてください。

静毅人院長 静内科3

心筋梗塞と聞くと、怖い病気というイメージがあると思いますが、早期に発見できれば治療できる疾患です。ここ数年、交通事故で亡くなる人は全国で毎年3000人程度とされていますが、心筋梗塞で亡くなる人は3万人を超えています。心筋梗塞には予兆があることも多いので、早期発見に結びつけるためには、循環器科を受診するハードルを下げる必要があります。循環器疾患は、必ずしも最初から紹介状を持って大きな病院に行く必要はなく、開業医で見つけられる病気です。健康診断などの心電図には現れないこともありますし、前兆で出る症状は受診時にはなかったりもします。

心筋梗塞にはどのような前兆があるのでしょうか?

例えば、運動したときに数分間胸が苦しくなるけれど安静にすると回復する、冷や汗が出るなどの症状があります。このような症状は我慢する人はしてしまうと思いますが、繰り返していると症状が強くなったり長く続いたり、吐き気やめまいを伴ったりします。このように「苦しい」症状を早くに見つけることが大切なのです。心筋梗塞につながる症状は自然に良くなる可能性は低いので、来院していただければ、それが心筋梗塞の典型的な症状なのか、あるいはそうではないのか、という判断ができます。早いうちに病院に来ていただけるように循環器科受診のハードルを下げることが、開業医としてできることの一つだと思っています。

こちらで行われている検査について教えてください。

静毅人院長 静内科4

当院では主に循環器疾患を早期発見するために各種検査機器を導入し、精密な検査をめざしています。CTでは狭心症・全身の内臓や血管の検査を行っていますが、心臓の血管を調べる冠動脈CTは心臓カテーテル検査よりも負担の少ない画像診断です。心臓病・血管・肝臓・腎臓の超音波検査は体への影響がほとんどありませんので繰り返し行うことができます。エックス線検査や心電図検査なども導入しています。最近では、AI技術を搭載したエックス線機器を使って検査を行っています。これはAIが胸部エックス線の画像を解析し、肺がんが疑われる部分などを指摘してくれるため、人間の目による読影をサポートし見落としを防ぐのに役立ちます。

なんでも相談できる地域のかかりつけ医

診療の際に心がけていることはありますか?

静毅人院長 静内科5

患者さんにわかりやすく説明して、納得して治療を受けていただけるよう心がけています。また、患者さんが診察室に歩いて入ってくるところから観察し、ちょっとした仕草などにも気をつけるようにしています。患者さんが腕を組んでいる場合は緊張していたり、あるいは心を閉ざしていたりすることが多いですね。こちらの言うことを100パーセントは受け入れない気持ちがくみ取れます。心のドアが開くと、手が普通の位置になって、前かがみになったりしますので、姿勢からもだいぶわかりますね。

プライベートなこともお聞きしたいのですが、ご趣味などありますか?

今はほとんど無趣味状態ですが、以前はゴルフをしていました。私が新型コロナウイルス感染症に罹患したらみんなに迷惑をかけてしまいますので、ここ数年はゴルフに行くのを控えています。ゴルフは中学生くらいからしていました。群馬はゴルフ練習場がいっぱいありますし、安い練習場もありますので。大学の時はキャディーのアルバイトをすると、夕方にただで回らせてもらえましたので、良いゴルフ場で練習していた感じですね。本来は多趣味というか、美術館に行くのも好きです。以前はよく自分で絵を書いたりしていましたが、最近は見る専門です。コンサートに行ったりもしていましたね。今一番はまっているのは将棋を見ること、オンラインで将棋をすること。あとはアプリでお笑いのラジオ番組を聞いたりしてリラックスしています。

最後に今後の展望、読者へのメッセージをお願いします。

静毅人院長 静内科6

新型コロナウイルス感染症がだいぶ落ち着いてきましたので、今後は循環器診療でも地域に貢献するという初心を忘れずに、地域の困っている方を一人でも助けられるような診療をしていきたいと思っています。循環器といっても幅広い症状があり、実際に循環器疾患とわからないような症状でありながら、循環器の病気だったりすることもあります。当院は、地域のかかりつけとして、なんでも相談室できるよろず相談所をめざしていますので、気軽に寄っていただければうれしいです。

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