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伊藤 義浩 院長の独自取材記事

ココカラハートクリニック

(名古屋市東区/久屋大通駅)

最終更新日:2023/07/31

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック main

久屋大通駅1A出口から徒歩1分の「ココカラハートクリニック」は、アクセスしやすいこの地に2014年4月に開業した。伊藤義浩院長は開業当初から地域に根差した医療の提供をめざし、心と体のケア・統合医療・訪問診療の3本柱に力を入れてきた。院内はカフェのように落ち着いた内装で、リラックスできる香りやBGMにもこだわり、居心地の良い空間づくりを心がけている。同院では内科や心療内科、循環器内科、皮膚科など、それぞれを専門とする医師が連携して多角的な診療に努めている。さらに同ビル内にある「ココカラウィメンズクリニック」や病児保育施設である「ココカラキッズケア」とも連携を取り合いながら、患者ニーズに合わせた医療の提供に努めている。今回、伊藤院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2023年6月27日)

患者と家族の心と体を守るための3本柱体制

開業から9年たちました。現在のクリニックの様子をお聞かせください。

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック1

「患者さまとその家族の心と体がいつも健康で元気であること」をめざしているのは、開業当初から変わりません。そのために現在は、心と体のケア・統合医療・訪問診療の3本柱に力を入れて診療を行っています。当院では一般内科、循環器内科、心療内科、皮膚科などそれぞれを専門とする医師が在籍していて、診療の範囲が多岐にわたります。1人の患者さんの症例に対して複数の医師が連携し、多角的に診断することができる、というのも強みですね。また看護師や受付のスタッフなど、医師以外のスタッフも日頃から患者さんとのコミュニケーションを大切にしていて、そこからの情報も診療の際の貴重なヒントになることがあります。クリニック全体で患者さんを見守る環境ができていると実感しています。

診療に際して心がけていることは何ですか?

患者さんの中には「他院で検査し異常がないと言われたが、不調が続く」とか「だるさが続くが、どこで診てもらえばいいかわからない」という方も多いと思います。当院ではまず、しっかりとカウンセリングを行うことを大切にしています。しっかりと話を聞いて時間をかけて治療をして、体調の改善をめざしていきます。いきなり完治をゴールとするのではなく、少しずつ良くなっていくことの積み重ねが、社会復帰や不自由なく生活できるようになることにつながると考えているからです。また治療においては医師主導ではなく、患者さん主導を心がけています。不調を早く改善するために薬を服用することが良いと考えられる場合でも、西洋薬の服用に抵抗があるならば漢方薬にも対応しています。カウンセリングでは患者さんの意向を細かく聞きながら、複数の選択肢を提案した上で、診療方針を決めるようにしています。

外来診療だけでなく訪問診療にも力を入れておられますね。

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック2

クリニックへ通えない患者さんができるだけ安心した生活を送れるように、医師と看護師が全力でサポートしています。訪問診療においても、大切にしているのは「患者さんの話をよく聞く」こと。患者さんの思いや病状を理解して、一緒に病気に立ち向かう気持ちで寄り添います。当院にはALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんもいらっしゃいますが、この病気は呼吸に必要な筋肉が痩せていってしまう病気です。体調の管理はもちろんですが、言葉を発することができなくなる不安もつきまといますので、メンタルケアは欠かせません。そして患者さん自身だけでなく、それを自宅で支える家族の皆さんの体調やメンタルにも気を配ります。在宅で治療を受けたいと願う方は多く、そこには家族の協力が欠かせません。訪問診療の経験が長くなるにつれ、患者さんを支える家族の心と体のケアの重要性をより強く感じています。

認知度が高まる男性更年期障害にも積極的に取り組む

患者さんに寄り添う医療を実践されていますが、医師を志したきっかけは?

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック3

中学生の頃に「人を助ける仕事に就きたい」という思いが芽生え、両親や親戚が医療系の職業に携わっていたので、いずれは自分も、と自然な流れで医師を志していました。高校卒業後、藤田医科大学医学部へ進学し、卒業後は名古屋記念病院で初期研修を行いました。その後、藤田医科大学病院や東京の榊原記念病院などでの勤務を経て、2014年4月に当クリニックを開業しました。医師になった頃は、大学病院の第一線でバリバリ活躍するのも良いと思っていましたが、次第に地域医療や高齢の患者さんに寄り添う医療を魅力的に感じるようになりました。この土地を選んだのは、私が中学校・高校時代を過ごした場所で、自分が育った地元へ貢献していきたかったという思いが強かったからですね。訪問診療については、以前勤めていた岐阜県養老町の「船戸クリニック」で、訪問診療と統合医療を行っている先生と出会えたことが、今につながっています。

最近注目されている男性の更年期障害についても、開業当初から取り組まれているんですね。

男性の更年期障害については、ここ数年でメディアなどでも多く取り上げられるようになり、認知度が高まってきましたね。「もしかして自分も?」と問い合わせも多くいただくようになりました。遠方から来られる方もいらっしゃいます。男性の更年期は本人に自覚がない場合も多いです。そのため違和感を感じた奥さまに勧められて来られるケースもあります。男性の更年期障害というと、泌尿器科でホルモン治療を行うことが一般的ですが、当院ではホルモン治療だけでなく、心と体の両面から総合的な診療に努めています。

男性更年期障害についてはビジネスマンの方が多いのでしょうか?

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック4

女性の更年期は50歳プラスマイナス5歳の年代で多いと言われるのに対して、男性の更年期は期間が定まりにくいのが特徴です。そのため患者さんの年齢層も40~60代の現役世代が多いものの、30代後半から70代と幅広く、職種もさまざまです。更年期障害は「衰えや怠け」と捉えられることもあり、そこに悩みを感じる方もいらっしゃいます。また「年を取ったからかな」と自分を納得させようとして、心のバランスを崩すこともあります。そういったことにならないように、心と体の両面から、丁寧に診療を進めることを心がけています。

親子3世代プラスアルファの健康を守る地域医療を

婦人科とも連携されていると伺いました。

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック5

更年期障害でお困りの方もいますし、比較的若い方ならPMS(月経前症候群)や、その中でも精神的不調のあるPMDD(月経前不快気分障害)などの患者さんも多いですね。薬のコントロールをすることで生活しやすくなるケースも望めるので、それぞれの患者さんに応じたかたちで連携をするようにしています。また女性の患者さんの中には、男性に苦手意識があったり恐怖心を持つ方がいらっしゃるので、当院では希望があれば女性医師が診療させていただくようにしています。

クリニック全体で心がけていることは?

当院が大事にしているのは、患者さんの話をよく聞くことです。どんなことに悩んでいて、どんな症状があるのか、どういう治療をしたいかなど、質問も多岐にわたります。数値が良くなったとしても、患者さんの悩みが改善しない限りは診療していく必要があり、そこには丁寧なカウンセリングが欠かせないのです。そのため、医師だけでなくスタッフ全員が日頃から患者さんとコミュニケーションを取り、様子をしっかり見て、クリニック全体で患者さんのサポートをしていけるような環境をつくっています。中には「話を聞いてくれてうれしい」とおっしゃる患者さんもいて、そういう言葉をいただいたときにはやりがいを感じています。

今後の展望についてお聞かせください。

伊藤義浩院長 ココカラハートクリニック6

「親子3世代の健康を守る地域医療」を掲げて診療を行ってきましたが、現在はそこに病気や障害のある方のさまざまなサポートも含んで「親子3世代プラスアルファの健康を守る地域医療」を行っています。外来診療と訪問診療を両立することで、病気や障害があってクリニックに来られない方の診療も可能にしていますし、お子さんについては当院では病児保育所も運営しています。患者さんのケアはもちろん、それを支える家族のサポートも継続的に行っていき、地域に根差した医療を多くの方に届けていきたいと考えています。

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