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村野 健三 院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科村野クリニック

(鹿児島市/鹿児島中央駅)

最終更新日:2021/10/12

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック main

伊敷ニュータウン西入口バス停から徒歩3分、鹿児島市伊敷の住宅街の中にある「耳鼻咽喉科村野クリニック」。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医である村野健三院長が2000年に開院した同クリニックでは、耳鼻咽喉科・アレルギー科・小児科の診療を行っている。小児科は日本小児科学会小児科専門医の資格を持ち、院長の妻である副院長が診療を担当。院長はハウスダストを原因とするアレルギー性鼻炎の減感作療法に力を入れ、めまいや耳鳴りなど診断が難しい症状の診療も行っている。開業前に1年間の休みを取り海外を旅して回ったり、家庭菜園やバスケットボールを趣味にしていたりとユニークな一面もある村野院長に、医師を志したきっかけから診療の特徴や今後の展望まで、さまざまな話を聞いた。

(取材日2021年3月31日)

耳鼻咽喉科と小児科の専門的な診療を実現

まずは、医師を志したきっかけからお聞かせください。

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック1

母方のおじが内科の医師をしていまして、私が子どもの頃、風邪をひいて熱を出すとよく往診してくれ、面倒を見てくれたんです。そんなおじの姿を見て医師に憧れたというか、良い仕事だなと思うようになったのが最初のきっかけですね。もう一つは父親から医学系への進学を勧められたことです。高校生の時で、自分としてはまだ漠然としか将来のことを考えていなかったのですが、親の勧めもありまして医学への道を進む決心をしました。

耳鼻咽喉科を専門に選んだ理由を教えてください。

熊本大学医学部在学中に、どの分野を専攻するか決めるため、複数の科を見て回りました。兄の友人の耳鼻咽喉科の講師の方にあいさつに行ったところ、教授に紹介していただき、その教授が自ら大学の中を案内してくださりました。その際にご自身の抱負なども聞かせていただいたのですが、そのお話にたいへん感銘を受け、また自分のような学生に対しても真摯に接してくださる人柄に心を打たれまして、耳鼻咽喉科へ入局することを決めました。大学卒業後は鹿児島へ帰ってきてほしいという親の希望もあり、鹿児島大学耳鼻咽喉科に入局。その後は、鹿児島市立病院の耳鼻咽喉科医長や鹿児島県立北薩病院の耳鼻咽喉科部長なども務め、15年ほど耳鼻科一般の治療に携わりました。臨床の傍らで耳鼻咽喉領域について広く学びましたが、その中でも鼓膜張筋という耳の奥にある小さな筋肉の神経について勉強しました。当時は夜遅くまで研究していましたね。

その後、この場所で開業へと至るわけですね。

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック2

母のそばにいてあげたいという思いもあり、クリニックは実家に近いこの土地に設けることに。開業日は覚えやすいよう「平成12年12月12日」としました(笑)。院内の待合室には、子どもが遊べる場所として畳のスペースを造り、お年寄りの方も座ってくつろげるようにしています。診療は自分が耳鼻咽喉科とアレルギー科を担当し、妻が副院長として小児科を診ています。まずは私が診察を行い、必要な場合は副院長に診てもらうという流れです。アレルギー疾患でも鼻炎は私、小児の食物アレルギーや喘息は妻が診察するなど、耳鼻咽喉科と小児科それぞれの専門家がいることは、患者さんにとってもメリットになるのではないかと思います。特にアレルギーについては幅広く診ることができますから、アレルギーに悩んでいる人は気軽に相談してほしいですね。

アレルギー性鼻炎の減感作療法に力を入れる

力を入れている疾患や治療法があれば教えてください。

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック3

ハウスダストを原因とするアレルギー性鼻炎の減感作療法に力を入れています。抗原となるハウスダストのエキスを薄めて注射することで、アレルゲンに体を慣らしていく免疫療法の一つです。レーザー治療は半年ほどしか作用の持続が見込めないことが多いのですが、減感作療法はきちんと行えば一生作用の持続が望めます。そのため、症状が進行した方には王道の治療法だと考えています。最初の7ヵ月間は週に1回ずつ注射をして、その後は2週に1回、3週に1回と間隔を空けていき、最終的には6ヵ月に1回ずつ注射を続けます。この治療は保険適用で行えます。一般にアレルギー性鼻炎が軽快しやすい夏の間も症状が出ている方は、この治療法を考慮しても良いと考えています。そのままにしておくと症状は徐々に進む上に、大人になり仕事を持ってからでは定期的に通うのが難しくなることが多いので、できれば小学生のうちから始めるほうが治療がスムーズです。

アレルギー性鼻炎以外では、どのような患者さんが多いですか?

メニエール病や良性発作性頭位めまい症など、めまいの症状を訴えて来られる方が多いです。ほかには耳鳴症という、いわゆる「耳鳴り」で来られる方もいらっしゃいます。またインフルエンザなどのワクチン接種で来られる方も多いです。当院では、アレルギー性鼻炎の減感作療法も含めて、できるだけ痛みを軽減するような注射の仕方を工夫してきました。患者さんの層としては、開業当初はお子さんが多かったのですが、地域の子どもたちが減ってきたこともあり、最近は徐々にお年寄りが増えています。お年寄りの方では耳鳴りや難聴のほか、めまいで来られる方も多いですね。

診療の際に、先生が心がけていることを教えてください。

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック4

まずは問診を十分に行い、局所所見として耳・鼻・咽喉頭の状態をしっかりと診ることですね。中でも診断が難しいめまいの症状に関しては、まず問診をしっかりと取り、診察中も必要なことはすべてお聞きするようにしています。もちろんこちらから伝えるべきことは、丁寧にご説明します。その上で必要だと思われる検査を行い、的確な診断が出せるように心がけています。アレルギー性鼻炎、めまい、耳鳴りなどは、特にしっかりと複数の検査をするようにしています。耳鼻咽喉科の疾患に関しては検査方法自体が確立されていなかったり、軽いめまいなどは検査をしても原因がわからないことも多かったりするので、慎重に診察するよう心がけています。

地域密着型のクリニックとして医療貢献を続けたい

話は変わりますが、趣味や健康のためにしていることはありますか?

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック5

昔から世界史が好きで、世界的な遺跡を見たいという思いが強く、鹿児島大学を退職してから開業するまでの約1年間、イタリア、トルコ、スイス、スペイン、イギリスと海外を旅して歩きました。本などで見た場所でも、やはり実際に自分の目で見るとたいへん感動しましたし、今考えると若い頃に行っておいて本当に良かったなと思いますね。現在の趣味としては、春から秋にかけてクリニックの屋上で家庭菜園を楽しんでいます。オクラをメインに、ビワやキイチゴなどを作っています。また大学時代に取り組んでいたバスケットボールを、現在も週に1回程度やっています。社会人のチームに入っていて夜に練習をするのですが、若い人と一緒に声を出しながら体を動かすことで、学生時代を思い出して体や気持ちも若くなるような気がします。

クリニックとしての今後の展望をお聞かせください。

開業当初から地域のかかりつけ医として、皆さまの健康維持のお手伝いをさせていただきたいという思いがあり、それは今も昔も変わりません。地域貢献の一環として、小学校と中学校で合わせて6校の校医も務め、健診などを行っています。これからも地域に密着したホームドクターであり続けることをめざし、耳鼻咽喉科と小児科それぞれの分野で地域の皆さんの役に立てるような診療を続けていきたいです。地域の皆さんには、気になる症状があったらぜひ気軽に相談してほしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

村野健三院長 耳鼻咽喉科村野クリニック6

アレルギー性鼻炎やめまいでは、最初に内科や小児科を受診される方も多いですが、アレルギー性鼻炎は耳鼻咽喉科の専門分野ですから、まずは耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。また、めまいには内耳に原因があることが多い「末梢性めまい」と、脳に原因があることの多い「中枢性めまい」という大きく分けて2種類があります。一般的には末梢性めまいのほうが多いので、こちらもまず耳鼻咽喉科を受診して検査を受けるほうが、診断がつきやすいのではないかと思います。喉の病気も耳鼻咽喉科の名前のとおり当科が専門です。症状がある場合は早めに受診して、早期の診察・治療をお勧めします。

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