口腔機能の維持にもつながる
病気のリスクの抑制に有用な予防歯科
吉田歯科医院
(北葛城郡王寺町/王寺駅)
最終更新日:2024/05/15
- 保険診療
歯や口内のトラブルを未然に防ぐのに役立つ予防歯科。近年、人々の歯科医院への意識は「歯が痛くなったら行くもの」から「痛くなる前に行くもの」と変化しつつあるが、忙しさや煩わしさから予防への取り組みをつい怠ってしまっているという人も少なくないだろう。予防・メンテナンス専用スペースを設けるなど予防歯科に注力する「吉田歯科医院」の吉田賢慈院長は、決して考えを押しつけず、患者のライフスタイルや価値観に応じた医療の提供をモットーとしている。同院の予防歯科への考え方や取り組みについて話を聞いた。
(取材日2024年4月22日)
目次
定期通院によるケアで虫歯や歯周病のリスクの抑制が期待できる予防歯科。オーラルフレイル対策にも注目を
- Q予防歯科とはどのようなことをするのでしょうか?
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A
歯科医院でやることといえば、「歯を削って詰める」をイメージする人が大半だと思います。しかし、虫歯など病気がなくても歯科医院に通っていただき、口腔内を良い環境に保つのが予防歯科の役目です。そこでメインになるのが、歯のクリーニングで、定期的に歯石を取り除き、歯周病になりにくいお口をめざします。ただし、予防歯科は非常に大切なものですが、強制するものではないというのが当院の考え。仕事がお忙しいなど患者さんそれぞれにご都合があり、歯のケアまで手が回らないという時期も人生にはあるはずです。そのため私から無理に押しつけることはせず、患者さんの価値観に応じた予防歯科をご提供するよう心がけています。
- Q定期的に通院するメリットを教えてください。
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A
どんなにしっかりクリーニングをしても、3~4ヵ月もすれば再び歯石が付着してしまいます。歯周病の原因にもなる歯石を除去し、口腔内を良い環境に保ち続けるためには、定期的なケアが必要不可欠です。3~4ヵ月に1度ご来院いただいて良い状態のお口をキープしておけば、歯周病菌が住みにくい環境がつくられていきます。また、定期的にお越しいただいていれば、虫歯をはじめとしたトラブルの早期発見にもつながるでしょう。初期であれば大きく削るような治療は必要ありませんし、麻酔不要で痛みもほとんど感じることなく、治療期間も長引くことはありません。定期的な通院は、結果として患者さんの負担を大きく軽減するものだと考えています。
- Q予防歯科の受診を怠るとどんなデメリットがありますか?
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A
最大のリスクは、歯周病が知らない間に進行してしまうこと、虫歯が大きくなってからしか気づけないこと、この2つが大きいと思います。定期通院してくださっていても、お口の中の歯周病菌がゼロになるわけでも、虫歯ができないわけでもありませんが、そのリスクを低下させることは望めます。良い口腔環境を保つには、ホームケアも欠かせません。しかし、歯磨きが行き届いていないところがあっても、ご自身ではわからないものです。その状態で予防歯科の受診を怠ってしまうと、ケアが不足している箇所の指摘やブラッシング指導などを受ける機会をなくしてしまうというデメリットにもつながってしまいます。
- Q定期通院は口腔機能の維持・向上にもつながるそうですね。
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A
近年注目されているのが、「健康なお口」と「口腔機能の低下」の間の状態にある「オーラルフレイル」への対策です。高齢になると足の筋力が衰えて歩きにくくなるように、お口の筋力も低下して噛みづらくなったり飲み込みづらくなったりします。通院時に口腔機能低下の手前であるオーラルフレイルの段階で発見し、口腔内を清潔に保ちつつお口のトレーニングの指導を受けることで口腔機能の維持・向上をめざすことができるでしょう。またお子さんであれば、口呼吸である「お口ポカン」への指導も行っています。歯や歯周だけでなく、お口全体の健康のためにも定期通院は重要だと考えます。
- Q先生が予防歯科の取り組みで大切にしていることは何ですか?
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A
患者さんのご意見やご要望をお聞きした上で、無理強いはしないのが当院の方針です。もちろん必要な治療のご提案と、予防歯科の重要性などのご説明はしっかりと行います。特に歯のクリーニングなど予防歯科のメインとなる歯科衛生士たちに伝えているのは、「患者さんの満足」が最優先だということ。患者さんにご納得いただけることを大前提に、各スタッフの自主性に任せているのは当院の特徴かもしれません。歯科衛生士は患者さんのご希望に応じて一部担当制としています。担当固定制であれば細かい変化に気がつきやすい・慣れていて話しやすい、非固定制であれば予約が取りやすいなど、それぞれのメリットを取り入れながら柔軟に対応しています。