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手塚 克彦 院長の独自取材記事

てづか耳鼻咽喉科クリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2023/06/14

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック main

横浜市青葉区の医療モール内にある「てづか耳鼻咽喉科クリニック」は、手塚克彦(てつか・かつひこ)院長が2000年に開業。同じモール内にクリニックを構える小児科や歯科などと連携しながら初期治療の医療圏をつくり、地域に貢献している。また、近隣住民だけでなく、日曜診療では県内外から訪れる救急患者の処置を担う。開業から20年あまりが経過し「街や時代の移り変わりとともに、来院する患者さんの年齢層や相談内容にも変化が見られます」と話す手塚院長。ニーズに合わせて新たな治療法を取り入れたり機械を導入したりと、日々柔軟な対応を心がけている。そんな手塚院長に、開業医として大切にしていることや、医療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年2月24日)

「コンビニ」のように便利で心強いクリニック

開業に至るまでの経緯を教えてください。

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック1

開業前にこのエリアで暮らしていたことがあります。住みやすい環境だと感じていましたし、畑や林がたくさんある自然の豊かさにも惹かれていて、開業するならこのエリアが良いなと思ったことがきっかけです。当院は医療モールの中に入っていますが、これにも理由があります。一つのクリニックで患者さんのすべての症状に対応できるわけではありませんし、できれば他の科目の先生たちと協力しながら一つの医療圏をつくっていけたらという思いがあったからです。当院のあるモール内には、内科や小児科をはじめ、歯科や心療内科などが入っています。例えば小児の患者さんが来院したとき、症状の原因が耳や鼻ではなく、おなかだったとします。その場合、すぐに同じモール内の小児科を紹介します。一方で小児科の先生も、症状の原因が耳である患者さんは、すぐに当院へ紹介してくれます。先生同士の連携を大切に診察にあたっています。

先生の専門分野をご教示ください。

大学時代は喉について専門的に学んでいました。その後、東京大学医学部附属病院に所属して数年たったところで、専門分野を確定するタイミングがありました。その頃に一番興味があったのが「嚥下」でした。きっかけは、患者さんと接していた時のことです。大学病院ですから、命に関わるような重篤な病気の患者さんもたくさんいらっしゃいます。そうした方々の要望を伺ってみると、最期まで「何か食べたい」という話をよく耳にします。人間の欲求の中でも、食欲はとても大きなものなのだと実感しました。また、胃ろう処置をしている患者さんを診ていて、食べられないのに栄養だけ取り入れることへの理不尽さも感じていました。そこで、飲み込む力を改善して最期まで自分の口で食べられるようにしたいと考えるようになりました。私自身も食べることが大好きですしね。

クリニックの特徴を教えてください。

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック2

祝日を除き、いつでも患者さんを受け入れる体制を取っていることです。私は開業を決めた頃から、できることなら「コンビニのようなクリニック」をつくりたいと思っていました。24時間365日、いつでも患者さんが駆け込めるようなクリニックがあったら、心強いし便利ですよね。実は私の父が、365日開いているスーパーを経営していまして、お客さんのために毎日働いている様子を子どもの頃から見てきました。だからこそ、そんな姿が当たり前のように感じられるのかもしれません。

さまざまな年齢層の患者に合わせた柔軟な対応力

クリニックにはどんな患者さんが来院されますか。

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック3

平日については、クリニックの近隣に住む地域の方が多いですね。開業して20年以上がたちますが、当初は新興住宅街で子どもが多く住んでいたエリアだったので、患者さんの7割くらいはお子さんでした。時代とともに地域の方々の年齢層も変化し、今ではご高齢の患者さんが半数、お子さんが3割、その他の年代の皆さんが2割です。開業当時から来院してくださる方も多いですよ。当時はまだ幼かった子が「先生を見ていて医者になりたいと思うようになって、試験に合格しました」とうれしい報告をしてくれたこともあります。日曜については、広域からいろいろな患者さんが来院されます。鼻血や突発性難聴、めまいに子どもの急性中耳炎といった救急の患者さんが駆け込んでくるケースも少なくありません。

治療面では、どのようなところに力を入れていますか。

最近力を入れているのは、舌下免疫療法や鼻アレルギーのレーザー治療です。以前は飲み薬を処方していましたが、それだけでは治療が終わるまでに時間がかかってしまい、繰り返し来院しなくてはいけません。できればクリニックに何度も通っていただくことなく治療したいという気持ちで取り入れることにしました。オンラインでアレルギー症状のある方の診察も行っていますし、アレルギーをお持ちの方にとっては通いやすいクリニックかと思います。時代とともに患者さんの相談内容は変わりますので、これまでどおりの診療に加えて、その都度対応するように心がけています。

ご高齢の患者さんからは、どのような相談が多いですか。

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック4

「聞こえ」や「めまい」の相談が多いです。聞こえについては、補聴器会社と連携を取り、補聴器が必要な患者さんをすぐに紹介したり、補聴器の状態をこまめに確認したりしています。めまいに関しては重心動揺計という検査機器を新たに導入して、診断に役立てています。また、味覚や嗅覚の衰えに関する相談も多いです。年齢的なことが原因の場合、治療はなかなか難しいですが、年齢が原因ではないケースもあります。例えば嗅覚の衰えは、鼻炎や鼻の構造、鼻の中にできたポリープが原因で症状が出ている場合があり、それらの場合は飲み薬で治療できることも多いです。また、嗅覚が味覚に影響しているということもありますね。薬の処方によって改善をめざせることがありますので「年齢によるものだからもう治療できないだろう」と諦めず、放置せず、ぜひ来院していただきたいです。

ニーズの変化を適切に捉え、信頼を重視したクリニック

診察を行う上で大切にしていることはありますか。

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック5

患者さんに「私はあなたの話をしっかり伺いますよ」という姿勢を示して、信頼していただける存在をめざすことです。例えば患者さんが子どもの場合、どうしても親御さんが症状について話をしてくれがちですが、お子さんから直接話を聞いたほうが本物の情報を得られるものです。ですから、なるべく患者さん本人にお話を伺うようにしています。ご年配の患者さんのときは、大きな声でゆっくり話します。聞こえが悪くて来院されている方が多いですし、気遣いから私の話が聞こえていないにもかかわらず、聞こえているように振る舞う方もいます。限られた診察時間で患者さんが求めていることを探るためには、患者さんの気持ちを読み取る力が必要です。問診票にしっかり目を通すという基本的なことはもちろん、問いかけの最中に患者さんの目の輝きを見極めて、言いたかったことや伝えたかったことをきちんとくみ取るためのコミュニケーション力を磨いています。

今後の展望について教えてください。

時代に合わせて患者さんのニーズも変わると思いますので、そうした変化に対応して自分を変えていくことが必要になると思います。特に新型コロナウイルス感染症流行下では、ニーズの急激な変化をどう受け止め対応すべきか、非常に大きな経験をしました。対応力を養うためにも、引き続き医師としての腕を磨き続けていきたいですね。具体的には、アレルギー性鼻炎に関しては今後もどんどん増加が見込まれると考えていますので、力を入れていきたいです。また、ご高齢の患者さんで耳鳴りを訴える方が多く来院されます。耳鳴りの治療は非常に難しいですが、最近はオンラインでさまざまな勉強会に参加できるようになっていますし、そのような場所で積極的に知識を得て、一人でも多くの患者さんにご満足いただける治療の実践につなげていきたいです。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

手塚克彦院長 てづか耳鼻咽喉科クリニック6

当院は「昭和の喫茶店」をイメージした内装で、ほっとくつろげる空間を心がけています。近隣の方で耳鼻咽喉に関する不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご来院ください。また、新型コロナウイルス感染症流行下の受診控えによって症状が悪化している患者さんも多いかと思います。早めの受診で改善をめざせる症状もあるため、まずは一度お越しください。当院は日曜診療も行っています。救急の症状でお困りの方については、遠方からでもお待ちしています。

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