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記事公開日:2023/12/18

最終更新日:2024/02/01

回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の仕事とは?役割・やりがいを解説

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これまでクリニックで看護師として働いてきた人の中には、キャリアアップや経験を積むことを考え、病棟での仕事に興味を抱いている人もいるのではないでしょうか。
ただ、ひと口に病棟といっても、急性期病棟や慢性期病棟、回復期リハビリテーション病棟などさまざまな病棟があり、それぞれ役割や仕事内容が大きく異なります。

この記事では、回復期リハビリテーション病棟にフォーカスをあてて看護師の仕事内容や一日の流れ、やりがいなどについて紹介します。回復期リハビリテーション病棟で働くことに興味がある人はもちろん、回復期リハビリテーション病棟での仕事について知らないという人にとっても、看護師としての働き方のヒントになるはず。ぜひ参考にしてみてください。

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1 回復期リハビリテーション病棟とはどのような施設?

「回復期」とは、急性期治療によって患者の病状が安定し始めた時期を指し、ADL(日常生活動作)の改善や低下した機能の向上のために、集中的なリハビリが必要です。その役割を果たす施設が「回復期リハビリテーション病棟」で、在宅復帰や社会復帰のためのリハビリをはじめとした、医学的・心理的サポートを行います。
また、退院後に備えて介護保険申請の手助けをしたり、訪問リハビリや通所リハビリなど各種サービスの調整を図ったりするなど、手続き面でも患者をサポートします。

チーム体制で患者や患者家族を支えるのも回復期リハビリテーション病棟の特徴です。医師や看護師、薬剤師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、看護補助者、医療ソーシャルワーカーといった多くの職種のプロフェッショナルが連携しながら、一人ひとりの患者に合わせた計画を立ててリハビリを進めます。

●入院対象となる疾患や状態、入院期間

回復期リハビリテーション病棟では、厚生労働省により、入院対象となる疾患や状態、入院期間などの基準が定められています(下表を参照)。入院には治療や手術を受けた急性期病棟による診療情報提供書が必要です。

回復期リハビリを必要とする疾患・状態および入院限度日数

回復期リハビリを必要とする疾患・状態および入院限度日数

●回復期リハビリテーション病棟のリハビリ

回復期リハビリテーション病棟ではトイレや食事といった生活のすべてがリハビリの一環といえますが、歩行訓練や関節可動域訓練、筋力トレーニングといった専門的なリハビリは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門職が中心となり、リハビリ計画に沿って実施します。

この専門的なリハビリ時間について、回復期リハビリテーション病棟では「1単位20分」「1日最大9単位(180分)まで」という長時間の実施が可能です。
その中で、長めのリハビリができるときは3単位(60分)を3セット行い、連続して続けることが難しい場合は、1回のリハビリ時間を1単位(20分)、2単位(40分)に分けて実施するなど、患者一人ひとりの状態や性格、条件などに応じて柔軟に時間配分をしながら進めます。

2 回復期リハビリテーション病棟の看護師の仕事内容

回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の役割は多岐にわたります。例えば、患者の身体管理、療養上の心のケアだけでなく、起床時から就寝時までの食事、着替え、歯磨きや入浴、排せつ、身だしなみなど日常的な動作をサポートし、ADLの改善と自宅や社会への復帰を支援することも看護師の仕事です。
なお、点滴や採血、注射といった医療行為の機会はほかの病棟よりも少ないです。

以下で主な仕事内容を紹介します。ただし、対応疾患などによって仕事内容は異なります。

●主な仕事内容

・バイタルチェックを中心とした患者の身体管理

担当する患者の日々のバイタルチェックを行って身体状態を把握します。病状の変化などの観察だけでなく、メンタルにも気を配り、リハビリに支障が出そうなときは医師やリハビリスタッフに共有します。

・リハビリ看護

患者が自立した日常生活を送れるように、衣類の着脱やトイレ、食事などの生活動作に関するリハビリを看護師が中心になって行います。患者のペースに合わせて、患者自身で行えることを見守ったり、できないことをサポートしたりします。

・チームメンバーとの連携、患者との橋渡し

リハビリを的確にかつ効率的に進めるためには、医師や理学療法士、作業療法士など専門職との連携が不可欠。看護師は各メンバーに積極的に患者の状態を共有し、コミュニケーションを図りながらスムーズなリハビリの実施を支えます。
医師たちと患者や家族との橋渡し役として、間を取り持つことも看護師の仕事です。

・患者と家族のメンタル面のケア

病気のことや入院期間の長期化、社会復帰、今後の生活のことなど不安や悩みを抱えやすい患者や家族の気持ちに寄り添い、状況に応じたアドバイスや激励などを行います。

●求められる資格

回復期リハビリテーション病棟で働くためには、大前提として看護師の資格が必要となります。
そのほかに必須の資格は基本的にはありませんが、業務ではリハビリに関する専門知識が求められるので、一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会の回復期リハビリテーション看護師認定コースや回復期セラピストマネジャー認定コースを受講するなど、回復期看護のプロフェッショナルになるべく、働きながら資格取得をめざす人もいます。

3 回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の一日の流れ

回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の一日のタイムスケジュール例を紹介します。急性期とは異なり、緊急入院や急変する患者が少ないため、急な残業が発生しにくいことも回復期リハビリテーション病棟の特徴です。

なお、ほかの病棟看護師と同様、二交代制や三交代制が大半で、シフトのスタイルはさまざま。ここでは、「二交代制の日勤」のケースを紹介します。

回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の一日の流れ

【8:30】朝礼/夜勤担当者からの引き継ぎ/合同カンファレンス

夜勤の担当者に患者の状態や看護内容などをヒアリングし、業務を引き継ぎます。また、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護スタッフなど、他職種のスタッフと合同のカンファレンスに参加します。

【10:00】午前の病室ラウンド/リハビリの送り出し

担当する患者の病室を見回り、状態の確認やバイタルサイン測定をはじめ、入浴や排せつの介助などを行います。また、リハビリ開始前の患者をリハビリ室まで介助し、理学療法士につなぎます。

【11:30】患者の昼食の介助

配膳、下膳、食事介助などの患者の昼食をサポート。患者が食堂を利用する場合は、病室から食堂への移動介助を行います。また食後の歯磨き、必要に応じて内服の介助や義歯の洗浄をサポートします。

【12:30】休憩

昼食を取ります。担当患者の昼食の介助を踏まえて、スタッフは時間をずらして交代で休憩を取るようにしている職場が多いです。

【13:30】午後の病室ラウンド/リハビリの送り出し

午前のラウンドの続き。午前中に回りきれなかった患者の検温などのバイタルチェック、入浴介助、リハビリに向かう患者へのサポートや声かけなどを行います。

【15:00】看護記録の作成、看護計画見直し

各医療スタッフと患者の状態やリハビリ状況を共有し合った上で、看護記録を作成。必要に応じて看護計画の見直しなどを行います。合同カンファレンスを、この時間帯に行う場合も。

【16:30】夕礼、夜勤担当者へ患者に関する情報を共有

夜勤担当者に患者の容体や留意事項などを申し送りします。

【17:00】患者へ交代のあいさつ

担当患者の病室を回り、夜勤の担当者に交代することを伝えます。

【17:30】退勤

4 回復期リハビリテーション病棟の看護師のやりがい・魅力

患者の在宅復帰・社会復帰に向けてサポートしていく回復期リハビリテーション病棟での看護師の仕事。そのやりがいや魅力を紹介します。

・じっくりと患者と向き合いながら、社会復帰に向けた看護ができる

回復期リハビリテーション病棟は、疾患や状態によるものの入院期間は数ヵ月単位と長い傾向があるため、一人ひとりの患者とじっくりと向き合い、看護を通じて復帰を後押しできるというのが看護師のやりがいの一つに挙げられます。

・患者が着実に回復していく姿が見られる

入院当初は自力で寝返りを打てないほどの状態だった患者が、介助なしで日常動作ができるようになっていくというように、リハビリや日々のケアを通じて患者が回復していく姿を目の当たりにできることが、仕事における大きなモチベーションや充足感につながります。

・リハビリなどの専門知識を深められる

リハビリのプロフェッショナルである理学療法士など他職種との連携する場面が多く、仕事を通じてリハビリなど専門性の高い知識を深められます。

・残業は少なめ

患者の急な容体変化や救急の受け入れなどで残業が発生するケースが少ないため、自分の時間が取りやすいことも魅力です。

5 回復期リハビリテーション病棟の看護師に向いているタイプ

次に、どんなタイプの人が回復期リハビリテーション病棟の看護師に向いているのか見ていきましょう。

・リハビリへの興味や関心が深い人

回復期リハビリテーション病棟では、看護師もリハビリを目的とした看護を行います。リハビリに関する知識やスキルが身につきやすい環境なので、興味・関心がある人にはうってつけの環境といえるでしょう。

・患者の介助に取り組みたい人

回復期リハビリテーション病棟で行う看護は、特別な医療処置や救急対応は少ない一方で、移動や入浴の介助など体力を必要とする業務が多くあります。しかし入浴や排せつ、移動など日常動作を介助したり、自分の思うように動けない患者の体を支えたりすることは、ただ生活を手助けするだけではありません。自立に向けてサポートの度合いを変え、時には見守りに徹するなど患者の回復に直結できる喜びがあります。そういった回復期の介助に積極的に取り組みたい人にぴったりです。

・患者や家族との心を通わせた看護がしたい人

在宅復帰に向けて、一人ひとりの患者にとってどのようなリハビリが必要かを見極めるには、生活環境や家族との関係など、プライベートに踏み込んだ情報収集を求められることがあります。
言葉一つがリハビリに向かう患者のモチベーションを左右することもあり、こまやかな気遣いやコミュニケーション能力が生かせます。長期間にわたって患者や家族と交流を持つことになるので、信頼関係を築いて仕事をしたいと思う人が働きやすい環境です。

・在宅看護や地域包括ケアに興味のある人

入院中のリハビリだけでなく、患者の退院後のサポートも回復期リハビリテーション病棟の役割です。医療と介護の連携にも関わっていくため、在宅看護に関心がある人や、将来的に地域包括ケアに関わりたいと考えている人に向いているでしょう。

6 回復期リハビリテーション病棟の看護師の求人を探すには

超高齢社会を迎え、医療費の増大や医療体制の逼迫などが懸念されるわが国では、社会復帰や在宅医療の促進に向けた取り組みが進んでいます。その中核を担う存在ともいえる回復期リハビリテーション病棟に対するニーズは、今後ますます高まることが予想されます。
そんな回復期リハビリテーション病棟での仕事は、入院施設のある比較的大規模な病院などが主な勤務先に挙がります。求人サイトや転職エージェント、ハローワークなどで求人が出ていることが一般的です。

当サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ」では、回復期リハビリテーション病棟での看護師の求人を多数掲載しています。
エリアや駅、雇用形態はもちろん、「ブランクOK」「子育てママ在籍中」「退職金あり」などのこだわり条件でも絞り込めるので、自分が重視している条件で求人を探しやすいです。ぜひ活用してみてください。

回復期リハビリテーション病棟の看護師の求人を見る

◇    ◇    ◇

ここまで回復期リハビリテーション病棟での看護師の仕事内容や一日の流れ、魅力・やりがい、向いているタイプなどを紹介しました。看護師としてスキルアップやキャリアアップをめざしたいと考えている人はもちろん、「患者の社会復帰の力になりたい」という強い思いを抱いている人にとっても、回復期リハビリテーション病棟は魅力のある職場です。転職先を考えるヒントにしてみてください。

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こちらの記事の執筆者
花野 静恵

ライター

大学卒業後、編集制作会社でレジャー情報に関する雑誌編集、ウェブサイトの立ち上げに携わる。紙媒体の企画から執筆まで一貫して携われるステージを求めて北陸・金沢の出版社へ。30歳を機にUターンし、名古屋の編集プロダクションへ。2011年からフリーランスのライター、エディター、ディレクターとして医療や介護、レジャー、教育、スポーツなど多分野の情報発信を手がける。

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