特定健康診査は生活を見直す第一歩
年に1回の受診を心がけよう
萬年内科
(久留米市/大溝駅)
最終更新日:2024/04/15
- 保険診療
誰もが耳にしたことがある「健康」という言葉。しかしそれが実際にどんなものなのかを十分に理解できている人はそう多くはない。40〜74歳を対象として年に1回行われる特定健康診査は、患者自身の「健康の度合い」を知る大きなきっかけとなる重要な検査だ。「がん検診のように『がんであるか、そうではないか』という診断をする検査ではないためつい軽視されがちですが、検査結果には将来の疾患のリスクやその方の傾向などがたくさん詰まっており、日々の生活の指標となります。ぜひ毎年特定健康診査を受診し、私たちと一緒に生活習慣を見直していきましょう」と話すのは「萬年内科」の萬年孝太郎院長。自身も生活習慣改善に取り組み、30kgのダイエット後もリバウンドなく体形を維持している院長に、検査の流れや検査後のポイントなどを聞いた。
(取材日2024年3月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q特定健康診査は、健康を意識するためにも有用なのですね。
-
A
特定健康診査は、国民健康保険加入者は40〜74歳のすべての方、それ以外では被扶養者を対象に、毎年受診案内が必ず届きます。健診内容として、問診による服薬歴、喫煙習慣を含む生活習慣・自他覚症状(理学的所見)の確認に始まり、身長、体重、腹囲による体型の評価、さらに血液検査や尿検査により、メタボリックシンドロームや高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的です。生活習慣病は自覚症状がないため、知らないうちに進行していきます。毎年の受診でご自身の健康状態を知ることで、今後の生活スタイルをどう改善していくか、その指標を知ることができるのが特定健康診査なのです。
- Q普段の状態のままで検査を受けることが重要だそうですね。
-
A
ご自身の生活習慣病のリスクを知り、その原因ともなる日々の生活習慣、例えば喫煙や飲酒、食事の傾向や運動習慣などを見直すきっかけとなるのが特定健康診査です。なので受診の数週間前から禁酒や禁煙、食事量を減らすなど、生活を改めて受診するものではありません。生活習慣病はその名のとおり、生活習慣の乱れが、体型や高血圧や高血糖などの症状となって現れるもの。まずは普段のご自身の姿を特定健康診査よって把握し、生活習慣を見直し、「健康」のためにより良い生活習慣を送ることが大切です。
- Q検査結果の説明を受けるまでがワンセットになるとか。
-
A
当院のような血液検査の測定を専門の検査施設に依頼ししている町のかかりつけ医の場合、特定健診受診結果通知書が作成されるまで7日ほどかかるため、結果説明や指導は後日再来されたときになります。しかし面倒なのか中には検査結果を数ヵ月たっても聞きに行かない、もしくは家族に聞きに行ってもらうようお願いするケースもあるでしょう。特定健康診査はがん検診のように診断をするものではなく、ご自身の健康状態を知り、どうやって生活習慣を改善していくべきかを医師と話し合うことにより、今後の生活に生かしていくためのものです。必ずご本人が結果説明に来院し、今後の生活習慣を改善する意識を持っていただきたいと強く思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1特定健康診査を受ける
-
会社や行政からの毎年送付される案内を確認。検査する医療機関や日程を決める。医療機関によっては予約制の場合もあるため事前に確認を。同院では予約制は取っておらず、窓口にて受け付けている。検査当日は生活習慣の問診に始まり、身長測定、体重測定、腹囲測定、検尿、血液検査などを受ける。健康面で日頃から気になることがあれば、この際にぜひ医師に相談をしよう。
- 2結果を聞き、改善点を医師と相談
-
7日ほどで特定健診受診結果通知書がクリニックに届くため、必ず検査を受けた本人が結果説明を聞きに行く。結果に異常値を認めれば、まずは生活週間の改善のための指導を行うが、重症である場合は精密検査の追加、場合によっては生活習慣の改善と並行して定期薬物加療を開始することもある。生活習慣病の改善には食事や運動の見直し、体重管理が欠かせない。自分に合ったやり方を医師としっかり話し合おう。
- 3医師からのアドバイスを実践
-
生活習慣病は名前のとおり「生活習慣」が原因となる疾患。食事や運動を振り返り、どのような習慣が自分の健康に影響を及ぼしているかを再確認し、生活習慣を改め継続していく意識が大切だ。栄養成分表示に記載されているカロリーや栄養素、食塩相当量を確認して商品を選ぶ習慣をつけよう。運動は「3の法則」、週に3日以上、30分以上の有酸素運動がお勧めだという。医師と相談して決めた内容をまずは3ヵ月実践してみよう。
- 4実践内容と結果の振り返り
-
家庭での日々の体重や血圧測定に加え、かかりつけ医での定期的な血液検査などにより、実際の数値の変化を参考に、見直した生活習慣でどの程度改善できているかを医師と確認していく。自身で感じる身体の変化や検査結果などを踏まえ、3~6ヵ月ごとに生活習慣を見直し、さらなる健康レベル改善に向け実践を重ねていく。
- 5相談しながら「良い習慣」を継続していく
-
生活習慣の改善に努める中で、誰しも遅かれ早かれなかなか結果に結びつかないスランプの時期を経験する。減量経験者であり現在も健康維持のために日々の食事には気を使い、運動を継続している萬年院長にコツを聞けるのは同院の大きな強みの一つ。短期間での改善を期待せず、焦ることなく医師と十分に相談しながら、無理なく続けていける自分なりのやり方を見つけて継続していくことが重要だ。