全国のドクター9,294人の想いを取材
クリニック・病院 158,511件の情報を掲載(2024年6月10日現在)

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 北九州市小倉北区
  4. 南小倉駅
  5. 医療法人 ぐしま胃腸内科クリニック
  6. 具嶋 正樹 院長

具嶋 正樹 院長の独自取材記事

ぐしま胃腸内科クリニック

(北九州市小倉北区/南小倉駅)

最終更新日:2023/06/07

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック main

南小倉駅駅徒歩11分、原町一丁目バス停徒歩3分の場所にある「ぐしま胃腸内科クリニック」。前身は、1951年に開業した「具嶋医院」で、約70年にわたって地域住民の健康を守ってきたクリニックだ。2020年に父からクリニックを継承した具嶋正樹院長は、基幹病院で潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患や、内視鏡診療に長く携わってきた。より患者に近い距離で診療をしたいと、生まれ育った北九州に戻り、クリニックを継承することに。特に、炎症性腸疾患は生涯にわたって付き合わなくてはならない難病のため、具嶋院長を頼って遠方から訪れる患者もいるのだとか。笑顔を絶やさずこちらの質問に答えてくれた具嶋院長。力を入れている診療や今後の展望などについて語ってもらった。

(取材日2021年4月12日)

消化器内科での長年の経験を生かして地域医療を支える

2020年に歴史あるクリニックを引き継いで、リニューアルされたそうですね。

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック1

前身は、私の祖父が1951年にこの地で開業し、1985年に父が継承した「具嶋医院」です。70年近くにわたって、主に内科と小児科の診療を行っておりました。周囲に医院も少なかったこともあり、患者さんがとても多かったですね。いわゆる「町医者」で、患者さんから電話がかかってくると、夜間も往診に出かけていました。そんな祖父や父の姿を見ながら育ち、私も患者さんの力になれる医師になりたいと、子どもの頃から思っていました。2020年に私が継承するにあたって、自分がこれまで基幹病院で携わってきた内視鏡診療も行うことにしました。そこでクリニックを建て替え、「ぐしま胃腸内科クリニック」に名称を変更したのです。

消化器内科を専門分野に選んだ理由を教えてください。

いずれクリニックを継承するか迷っていたのですが、祖父と父が内科の医師であったこともあり、内科に行くことは決めていました。中でも、将来的には専門性を持ったほうがいいと思い、手技ができる循環器内科か消化器内科を候補に考えていました。九州大学の病態機能内科に見学に行った際に、内視鏡や胃透視の所見を細かく読影したりディスカッションしたりしながら、診療している姿を見て、ここで学びたいと思いました。その後は、大学病院や地域の基幹病院で消化器疾患を中心とした内科の医師として勤務しました。九州大学大学院でも学び、潰瘍性大腸炎の発がんに関する研究をまとめました。

潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の患者さんを多く診療してきたとお聞きしました。

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック2

勤務医時代は数年ごとに転勤となりましたが、最後にいた下関市立市民病院では7年間勤務し、消化器内科の科長も務めました。そこで潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんを数多く診療しました。周辺のクリニックや総合病院からの紹介が非常に多かったのです。潰瘍性大腸炎やクローン病は、一生付き合っていくことになる病気です。若い人だと10代から発症し、学校生活や就職、妊娠、出産といったライフイベントも、体の状態を考慮しながらということになります。患者さんとは長期にわたってさまざまな悩みを共有しながら治療を行い、やりがいと難しさを感じました。このまま総合病院で勤務を続けることも考えましたが、開業することで、さらに一人ひとりの患者さんと近い距離で疾患の管理ができると思い、このタイミングで開業しました。下関市立市民病院時代に、内科一般も広く診る経験を積んだのも、クリニックを継承する後押しとなりました。

炎症性腸疾患や内視鏡診療のエキスパート

基幹病院での経験を役立てたいとクリニックを継承されたのですね。

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック3

下関市立市民病院を退職することを、担当の患者さんにお話しする際に、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんは特に残念に思われたようで、涙ぐむ方もいらっしゃいました。それだけ一生涯の病気を理解してくれる医師を見つけることは難しいことだと思います。現在も下関や山陰地方からこちらのクリニックに通院してくれている方もいらっしゃるので、その期待に応えなければと、身が引き締まる思いです。勤務医時代は、福岡市や山口県での勤務が多かったので、北九州での仕事は久しぶりです。このクリニックでも、引き続き炎症性腸疾患の診療を行い、患者さんに信頼され、長くお付き合いしていただける関係性を築いていきたいですね。

来られる患者さんの層や主訴について教えてください。

クリニックの周囲は、古くから住んでおられる高齢者の方が多いですが、少し離れるとマンションが立ち並んでいて、転勤族や若い方が多く住まわれている地域です。リニューアル前からかかりつけ医として通院されている高齢の方、腹痛や下痢などの症状がある20代から幅広い世代の胃腸疾患の患者さんなどが多いですね。最近はコロナ禍のストレスのせいか、検査をしても特に異常が見つからないものの胃や腸の不調を訴えるという方が多いように感じます。便秘症に悩まされて、いろんなクリニックに行ったけれど治療がうまくいかなかったということで、当院に来られる方もいらっしゃいます。それから、内視鏡検査を希望される方は、門司や中間市など遠方からも来られます。

こちらで行う内視鏡検査の特徴について教えてください。

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック4

当院では、胃と大腸の内視鏡検査を行っています。鎮静剤を使用し、眠った状態で検査を受けられるため、患者さんの負担が少ないのが特徴です。日帰りの大腸ポリープ切除手術にも対応しています。眠った状態で診療するとはいえ、医師の技量は重要です。私自身も時々鎮静剤なしで内視鏡検査を受け、患者さんの立場を体験することで、スキル向上に役立てています。胃については、経鼻内視鏡も選択できます。時間がない方や、毎回経鼻でやっていて慣れている方は、こちらを選ばれますね。以前の経鼻内視鏡に比べて画質が数段向上しており、診断の精度は経口内視鏡と遜色ありません。大腸内視鏡検査は下剤を服用しなくてはならないので、事前にクリニックにお越しいただく必要がありますが、胃については、絶食されていれば、当日検査希望でもできる限りお引き受けしています。

患者の気持ちに寄り添いながら、適切にアドバイスを

診療において心がけていることはなんですか?

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック5

父も診療を続けており、現在は医師2人体制で行っています。父を見ていると、きちんと患者さんと向き合って診察しているなと感じています。総合病院で働いていると、すぐに検査となってしまいがちなので、見習う点は多いですね。私も、患者さんの話をじっくり聞いて診察を行うことを心がけています。その上で必要な検査を絞り込み、選択肢を示して、患者さんと話し合いながら選んでいただくようにしています。患者さんは症状を心配して来院されているわけですから、その気持ちに寄り添いながら、適切にアドバイスしていきたいと考えています。

クリニック建て替えにあたってこだわった点はありますか?

内視鏡をはじめ、設備は先進のものを導入しました。前処置室も設けています。こちらは、大腸の内視鏡検査に必要な下剤を家で1人で飲むのが心配なご高齢の方や、遠方の方が利用されることを想定しています。高齢の方の見守りのしやすさを考えて個室にはしておりませんが、前処置室を使用する人が同時に3人以上重ならないよう予約を調整しています。内視鏡検査が終わった後はそのままストレッチャーで移動できるよう、動線に工夫をしたり、床にコンセントなど引っかかる物がないようにしたりしています。また、安心してご来院いただけるよう、診察室や受付、廊下、各所に換気システムを設けるなど、感染症対策を意識した設計をしています。発熱の患者さんも事前にご連絡いただければ、きちんと対応いたします。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

具嶋正樹院長 ぐしま胃腸内科クリニック6

まだまだ新しいクリニックで、地域のかかりつけ医として親しまれてきた具嶋医院時代のいいところは残しつつ、時代に即した改善も行っていく必要があると考えています。今後はインターネット予約やオンライン診療のシステムも整えていきたいですね。専門的な内視鏡検査や炎症性腸疾患の診療を行うと同時に、気になる症状があるときに最初に相談できるクリニックとしての役割も果たしたいと考えています。胸やけや腹痛、便秘、下痢、血便などの胃腸疾患のみならず、どこに行けばいいかわからないときは、ぜひお気軽にお越しください。

Access