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久我 正明 院長の独自取材記事

久我耳鼻咽喉科医院

(松山市/伊予北条駅)

最終更新日:2021/10/12

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院 main

松山市北条の「久我耳鼻咽喉科医院」。俳句や写真など、多趣味な久我正明院長の作品が飾られた待合室は明るく清潔でリラックスできるような空間だ。長崎大学医学部を卒業後、大学病院や関連病院で日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医として診療に従事しながら、多方面にアンテナを広げ、幅広い知識を吸収してきた久我院長。1989年に開業した後も、患者が長年悩まされている病気を少しでも早くすっきり治したいという思いを持って、創意と工夫の精神で治療を提供し続けている。同院のホームページに掲載されている耳鼻咽喉科の病気やその治療法の説明を見て、遠方から来院する患者も少なくないそうだ。常に探究心を忘れない前向きな久我院長に、医療に取り組む姿勢や患者への思いをじっくり語ってもらった。

(取材日2019年11月7日)

リラックスできる空間で、幅広い症状に対応

明るい待合室で、とても落ち着きますね。

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院1

待合室は座っただけで病気が治ると思えるような空間にしています。南向きの待合室には光がさんさんと入っています。私の趣味の小石のアートの作品、写真俳句の他に写真家が撮られた棚田や古いお堂の風景写真などを飾り、絵本や雑誌を豊富に置いています。BGMとしてやわらかいクラシック音楽を流し、まるでミュージアムにいるような空間にしています。また院内には花や観葉植物を置き、混み合う時にもなるべくリラックスして待っていただけるように配慮しています。

こちらに開業されるまでの先生の歩みをお聞かせください。

父親から「人に役立つ仕事に就きなさい」と言われていたので、自然と医師をめざしました。医師になった以上、メスを握ってみたいと思い、外科と内科の中間の耳鼻咽喉科医師になりました。若い頃は8時間前後の頭頸部の外科的手術に関わり、開業してからはほぼ内科的な耳鼻咽喉科医師として診療を行っています。開業する前から東洋医学の勉強を始め、治療の守備範囲を広げました。この東洋医学の知恵を利用することが、私の耳鼻咽喉科医師としての道筋をつけてくれました。愛媛県立中央病院の漢方内科で東洋医学を学びました。耳鼻咽喉科の病気には漢方薬が有用となる病気がたくさんあります。めまい、副鼻腔炎、中耳炎、風邪による咳など多くの症状に適した漢方薬があります。1989年に耳鼻咽喉科のクリニックが不足していたこの地で開業し、住民の皆さんに喜ばれました。この地での開業を勧めてくれた方々や開業に協力していただいた方々に感謝しています。

どのような患者さんがいらっしゃいますか。

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院2

赤ちゃんから100歳の方まで来られます。風邪、中耳炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、気管支炎などによる咳、不明熱、上咽頭炎、後鼻漏、喉の痛み、反復性扁桃炎、めまい、難聴、耳管開放症、耳管狭窄症など耳鼻咽喉科全般の治療を行っています。特に反復性扁桃炎、耳管開放症、後鼻漏などは熱心に治療していますので、東京や、大阪、福岡などの遠方からも患者さんが来られます。

創意と工夫をした治療で長年の症状の改善をめざす

印象に残っている患者さんのエピソードがあればお聞かせください。

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院3

長い間慢性中耳炎で耳漏に悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。子どもの頃から70年間耳だれが出ていると、私が書いた「耳鼻咽喉科医の診療日記」を読んで来られた方、転勤族で50年以上も耳だれに悩まされている方などに、数週間、治療を行いました。癒着性中耳炎で治らないと言われ、長年放置していた方や、長い間不明熱に悩まされていた中学生など、さまざまな症状の患者さんがいらっしゃいました。長い間耳漏が出て抗生物質や点耳薬を使っても改善が見られなかった方に、漢方薬で治療したこともあります。このように、私なりに「創意と工夫」をした治療で難治性の病気であっても治していけるよう、心がけています。

東洋医学の処方も積極的だそうですね。

私自身、鼻水と咳が止まらない時がありました。ちょうどその時に手元に小青竜湯があったので飲んだことで、漢方薬の可能性を自分の体験として発見できたんです。そこから、漢方薬を用いた治療を熱心にするようになりました。勉強をしていくと、西洋薬と漢方薬をバランスを見ながら用いることで、症状が改善する可能性が広がっていきました。そのため、当院では西洋薬と漢方薬の併用療法を心がけています。東洋医学的なツボについても学びましたので、症状によって患者さんにご紹介していますよ。耳鼻咽喉科なのに腰が痛い、腕が上がらない、膝が痛いなどの痛みの改善を求めて来られる方も多くなりました。

先生がやりがいを感じられるのはどのような時ですか。

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院4

病気に悩んでいる方が来られるわけですから、患者さんのすっきりした顔で帰っていかれる様子を見ると、良かったな、といつも思います。喜んでもらえる治療を心がけています。教科書に書いていることだけでは、耳鼻咽喉科の多彩な病気に対応することは難しいと思い、東洋医学の知恵を利用することを考えました。私は従来の方法で目の前の患者さんの症状を改善させられないと思ったときに、頭の中に突然、別のアプローチ方法がひらめくんです。私は、教科書の知恵は治療に対する指針であり、他にもっといい治療法があって、それを考え出すのが私の仕事なのだと思っています。常により早く、よりきれいに病気を治したいと心がけています。今までそのような創意と工夫で編み出したアプローチ方法はたくさんありますね。

探究心を忘れず、わかりやすい情報発信に努める

お休みの日はどのように過ごしていらっしゃいますか。

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院5

季節ごとにいろいろなところを散策することが好きです。趣味が俳句と写真ですので、そういう場所によく出かけて写真を撮ったり、俳句を詠んだりしています。私の趣味の一つに小石を組み合わせて、アクリル絵の具で色をつける小石のアート制作があります。主に鳥や動物を制作しており、作品は待合室や治療室に置いて、患者さんにも楽しんでもらっています。主に年に2回の展覧会にこの小石のアートと写真俳句を出品しています。俳句は、3つある句会に出して楽しんでいます。句会のいいところは、いろいろな人と出会い仲良くなれることです。句会の後は気の合った仲間と下手なカラオケで楽しんでいます。地方新聞にも投句していて時々表彰されています。また地域活動の一つとして北条ユネスコ協会に所属し、文化活動を行っています。年に一度の「北条ユネスコ小石の芸術展」は主に県下の小中学校から800点ほどの小石のアート作品が集まります。

今後も探究心を持って診療に取り組まれるのでしょうね。

私は治せない病気に出会うと、不思議に私なりのアプローチ法が頭にぱっとひらめくタイプです。私の治療の「創意と工夫」は、私のひらめきから生まれています。将来は、同じく耳鼻咽喉科の医師である息子に、この私の技術を伝えていきたいと思っています。私は開業医なので、緊急を要する病気とか手術を要する病気は積極的に公的病院を紹介して治療をお願いしています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

久我正明院長 久我耳鼻咽喉科医院6

患者さんにはなるべく詳しく病状と治療法を説明し、十分に理解していただいてから治療しています。小さい子どもさんは、鼻水が続くと多くの場合で中耳炎になってしまうのですが、中耳炎の度合いをよく説明して、切開するかしばらく様子をみるかを決めます。切開をしてもどうしても治らないこともあります。このような方には鼓膜チューブの挿入術が必要なのですが、このような方には特に十分に説明をします。また、咽喉の違和感がある人の場合は悪性腫瘍の可能性を疑い、丁寧に観察して状態を説明し、理解してもらうようにしています。気持ち良く私の医院に来られ、すっきりとして帰っていただきたいと願っています。

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