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高橋 裕彦 院長の独自取材記事

たかはし整形外科医院

(坂出市/坂出駅)

最終更新日:2022/06/24

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院 main

坂出市笠指町の「たかはし整形外科医院」は、2002年に開業。整形外科領域にとどまらず広く患者のニーズに応えることをモットーとしており、腰痛や肩凝りなどはもちろん、内科的疾患で通う患者も多い。中でも糖尿病治療に重要な生活改善、糖質制限は、十数年前に高橋裕彦院長自身が発症し、糖質制限の専門家に学ぶなどした経験に基づいており、指導にも説得力がある。腰痛の原因となる仙腸関節機能障害の治療にも詳しい。全国の勉強会や研究会でも精力的に学び続ける高橋院長に、診療方針や治療内容などについて詳しく聞いた。

(取材日2022年5月14日)

開業医として、患者の全身を診ることをモットーに

以前は義理のお父さまがこちらで開業されていたそうですね?

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院1

義父は整形外科医として、この地で約20年間診療していましたが、高齢になり、2002年に私が引き継ぎました。家常整形外科という名称は変わりましたが、それまで通っていらした患者さんも診てきました。その前は公立病院に勤務しており、休診日の土曜に3ヵ月ほど手伝いに来てから引き継いだのでスムーズでした。当時はご高齢の方と、近くに複数の学校があるので部活動でケガをした学生さんなどが多かったですね。私の出身は愛媛県新居浜市で、高知医科大学、今の高知大学を1985年に卒業。岡山大学病院整形外科の研修医となり、その後は香川県綾歌郡の滝宮総合病院など複数の病院に勤務。三豊市立永康病院勤務の後、こちらを継承し20年たちました。永康病院時代から私のところに通ってくださる患者さんもおり、26年のお付き合いになります。患者さんを一生診ていくのが使命でもある開業医は、自分に向いていると思っています。

先生が医師をめざしたきっかけは?

小学4年生の頃、母が脳動脈瘤で倒れたのです。半年間入院したのですが、お世話になった先生が頼もしく、格好良く見え、志すようになりました。その後母は元気になりましたが、私が医学生の頃、頭部CT検査をした時に巨大動脈瘤があることがわかり、教授に頼んで執刀してもらいました。母のような人を救う医者になれと言われましたが、自分は気が弱い。脳外科は重篤な病状や後遺症で苦しむ患者さんも多く、自信がなかったのです。一方、当時の整形外科の雰囲気は明るく、やっていけそうだと思いました。

診療方針について教えてください。

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院2

当院は整形外科、リハビリテーション、リウマチ科を標榜していますが、内科的疾患で来院される患者さんも多いです。最近はご高齢の方だけでなく、生活習慣病で来院する若い患者さんも増えてきました。整形外科だから膝や腰のような疾患だけというのではなく、体全体を治療して差し上げたい。患者さんのニーズに応えながら、全身を診ることがモットー。開業医だからこそ、できることでもあります。

特に力を入れている治療はありますか?

仙腸関節機能障害の治療と、糖質制限を重視した糖尿病治療です。また傷に関しては、消毒をせず、乾燥させない湿潤療法を取り入れています。傷は消毒をしてから、ガーゼを当てて乾燥させるのが一般的な治療法だと思いますが、消毒をせず流水で洗い、その後は被覆材などで覆って湿潤環境を保つと傷が早く、きれいに治ることが見込めるのです。やけどの治療と同じですね。いずれも県内で対応している先生はほとんどいないようで、クチコミもあり、県外、遠方からも患者さんが来院されます。

自身が糖尿病になり、専門家にも学び糖質制限を実践

仙腸関節機能障害とはどのようなものですか?

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院3

仙腸関節は聞きなれない名前かもしれませんが、骨盤の骨である仙骨と腸骨をつなぐ関節のことで、脊椎の根元、お尻の少し上の腰骨が出ている部分に位置します。仙腸関節機能障害はそこに不具合が生じる病気で、腰痛の3~4割の原因になっているのではないかと思っています。不具合の程度により、手術も選択肢となる疾患です。私は全国規模で行われている研究会に所属していますが、対応している病院はやはり少ないようです。当院には県内外から多くの患者さんが来院されています。

糖尿病の治療で訪れる患者さんも多いそうですね?

24時間血糖値を測定する検査機器を装着してもらい、食生活の指導を行っています。実は私自身が十数年前、50歳の頃、糖尿病になり、大学で学んできた知識に頼らず、自分で勉強を始めました。そうした中で糖質制限についても多くの専門家の先生から学び、自ら実践しています。

ご自身の経験が治療に生かされているのですね。

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院4

昔は体重が100キロありましたが、腰も膝も痛くないので太っていても構わないと思っていたんです(笑)。ところが十数年前に糖尿病を発症し、大好きなゴルフもきつくなったんです。ちょうどその頃、ゴルフ仲間でもある同世代の親しい先生が心筋梗塞で亡くなって……。医者は患者の健康を支える仕事、開業医はスタッフの生活も背負っています。とても健康に気を使うようになりました。アルコールは以前から多く飲むほうではありませんでしたが、まったく飲まなくなりました。自分がメタボ体型だったので、患者さんの好みもわかるんです。食事の傾向も同じ、うどんやお好み焼きなど粉物が大好きという方が多いです。

好物を我慢するのは大変そうですね。

私は食生活で糖質制限を行って生活改善へとつなげていましたが、我慢ばかりでは精神的にも良くありません。時々はご褒美も必要、コロナ禍の今はなおさらです。食欲は究極の欲。毎回、我慢するのはつらいですし長続きしません。気をつけながらおなかいっぱい食べたいですし、スイーツは糖質オフのものを選ぶなど工夫しています。自分ができないことを患者さんに行ってもらうのはおかしなこと。私が実践し、できたことしか指導していません。学生の時はバスケットボール部に所属していましたが、運動のほうは、今はゴルフくらいですね。開業まではスキーも楽しんでいましたが、ケガをして仕事を休むことになったら困るので、ゴルフなら大丈夫だろうと続けています。

クチコミで患者が増え、うれしい声もやりがいに

院内設備、検査機器で特徴的なものはありますか?

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院5

エコーと呼ばれる超音波装置は出番が多いですね。肩の診療では、五十肩だから仕方ないなどと言われた不具合にも、超音波装置を見ながら行うエコー下注射を行っています。総合病院の整形外科ですと、エコー検査を今すぐにというわけにはいきませんが、当院ではその場ですぐ行える。ここは開業医の利点といえます。他には、足関節の靱帯損傷、肩の腱板断裂などにも用いられます。またリハビリテーション室は、義父の時代は入院設備があったため広いスペースを生かして拡大し、ウォーターベッドも5台置いています。

スタッフはベテランの方が多いそうですね?

当院には看護師が4人いますが、2人は開業当初から勤務しています。他の2人も10年、5年と長く勤めてくれています。受付の3人も、1人は開業当初から20年、2人は7年。安心して任せられるのでとても助かっています。

理学療法士の方もいらっしゃると聞きました。

高橋裕彦院長 たかはし整形外科医院6

リハビリを行う理学療法士(PT)は2人。開業医ですとPTさんがいないところが多いんですが、当院ではPTさんが運動器のリハビリを行います。ですので、患者さんもより安心して来ていただけると思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

医師になり37年、開業して20年たちますが、ありがたいことにクチコミもあって患者さんが県外からも来てくださり、今が一番多いです。忙しい毎日ですが、うれしい声も多数いただき大きな励みになっています。これからも患者さんの想いにしっかり応えていきたいですね。私が追求してきた糖尿病や腰痛のアプローチ方法は、研究会で知り合った多くの先生方から学んできたものです。診療報酬や保険診療内外の問題もあるので勤務医では難しい面がありますが、開業医で取り組む先生がもっと増えたらいいなと思っています。読者の方へは、整形外科の領域だけでなく、患者さんの体全体を治療することをモットーとしていますのでお気軽にご相談くださいと伝えたいですね。必要に応じて適切な専門の医師、医療機関にご紹介しますので安心してお越しください。

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