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寝る時に咳が止まらなくなる原因とは?
大人の喘息について

西川内科・呼吸器クリニック

(北葛城郡王寺町/畠田駅)

最終更新日:2024/03/27

西川内科・呼吸器クリニック 寝る時に咳が止まらなくなる原因とは? 大人の喘息について 西川内科・呼吸器クリニック 寝る時に咳が止まらなくなる原因とは? 大人の喘息について
  • 保険診療

風邪などをひいたときに出る咳。数日で治まればいいが、何週間も止まらない、夜寝るときに咳がひどくなるといった症状があれば注意が必要だ。奈良県北葛城郡王寺町にある「西川内科・呼吸器クリニック」は、日本呼吸器学会呼吸器専門医である庭本圭美院長と庭本崇史副院長によるクリニック。2人によると夜になると咳が止まらなくなる、症状が悪化する場合、喘息や咳喘息など何かしらの呼吸器疾患を患っている可能性があるという。放置することで悪化する恐れがあるため、早めに専門のクリニックできちんと診てもらうことが大切だそうだ。就寝時に出る咳から考えられる疾患、具体的な検査、呼吸器専門のクリニックを受診するメリットなどについて詳しく聞いた。

(取材日2024年2月27日)

長引く咳は放置せず、呼吸器専門クリニックへ。正しい治療を継続することが症状の改善への第一歩

Qなぜ夜や就寝時に咳が止まらなくなるのでしょうか?
A
西川内科・呼吸器クリニック 咳が3~4週間以上続く場合は呼吸器内科へ受診すると良い

▲咳が3~4週間以上続く場合は呼吸器内科へ受診すると良い

【圭美院長】夜や寝る時だけ咳が止まらなくなったり、悪化したりする原因としては、喘息や咳喘息が挙げられます。就寝時は体を休めるために副交感神経が働くことで気道が狭くなり、喘息や咳喘息の症状が出やすくなるのです。この他、副鼻腔炎も寝ている時に膿が鼻から喉へ流れることが刺激となって咳が出やすくなります。また、朝方に咳が出やすくなる方は多いですが、これは冷たい空気が喉を刺激するため咳が出やすくなるんですね。咳が3~4週間以上続く時点で感染症の可能性は低くなります。喘息や咳喘息はしっかり診断をして治療につなげることが非常に大事な病気です。咳が長引く場合は放置せず、呼吸器専門クリニックを受診しましょう。

Q咳を放置した場合のリスクについて教えてください。
A
西川内科・呼吸器クリニック 長引く咳を放置せず受診することで、病気の早期発見にもつながる

▲長引く咳を放置せず受診することで、病気の早期発見にもつながる

【崇史副院長】長引く咳は間質性肺炎や肺がんなど命に関わる病気の可能性もあるので、放置せず早期に受診することが大切です。また「夜悪くなる咳」の代表である喘息は放置すると、どんどん肺機能が悪くなっていきます。喘息は空気の通り道である気管支がギュッと狭くなる病気。その頻度が高いと、気道はどんどん細く硬くなり、息苦しい状態が治らなくなります。喘息と咳喘息の大きな違いは完治が見込めるか否か。大人の喘息は完治することが難しく一生付き合っていく必要があります。一方、咳喘息は治療することで完治がめざせる病気ですが、治療をしないと喘息に移行してしまう恐れがあることもわかっています。

Q何科を受診するのがいいでしょうか?
A
西川内科・呼吸器クリニック 喘息の診断には丁寧な問診も重要となる

▲喘息の診断には丁寧な問診も重要となる

【崇史副院長】呼吸器専門クリニックの受診をお勧めします。喘息の診断はヒューヒューという呼吸音が重要な判断基準の一つとなりますが、一般内科の医師が行う聴診と呼吸器専門医が行う聴診は、似ているようで異なります。例えば喘息を疑う場合、呼吸器専門医は最後のひと吐きまで慎重に聞き取ります。疑う病気によって聞くポイントが違うんですね。また、問診をかなり重視するのも呼吸器を扱う医師の特徴です。既往歴や家族の喘息の有無、アレルギー性鼻炎や花粉症の有無、ペットや職業まで細かく確認します。喘息・咳喘息の診断だけではなく、その他にも見逃してはいけない疾患があるので、検査結果も踏まえ複合的な観点から診断を行います。

Q診断のために具体的にどのような検査を行うのでしょうか。
A
西川内科・呼吸器クリニック 必要に応じて検査を行い喘息の診断を行う

▲必要に応じて検査を行い喘息の診断を行う

【圭美院長】例えば「呼気一酸化窒素検査」といわれる検査。これは喘息や咳喘息の診断・経過観察に用いるもので、呼気中に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測って気道のアレルギーの度合いを見ることができます。他にも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺疾患の診断や経過観察に行われる呼吸機能検査、心電図や心臓エコー、アレルギー検査などがあります。しかしいずれの検査も診断においては補助的な役割に過ぎず、診断の基本はあくまでも問診と聴診です。個々の病歴や職業などの背景を踏まえ、問診や聴診で疑いのある病気に見当をつけ、適切な検査を提案する。こうしたプロセスは呼吸器専門医だからこそできることだと思います。

Q検査機器ではCTも導入しているそうですね。
A
西川内科・呼吸器クリニック CTも導入し、より精度の高い治療の提供に努める

▲CTも導入し、より精度の高い治療の提供に努める

【崇史副院長】高分解能CTを導入し、レントゲン検査では検出不可能な小さな肺がんや間質性肺疾患の診断や経過観察に活用しています。私は以前京都大学医学部附属病院に勤めていたので、その時の経験から必要な検査をすべて院内でできるようにと大学病院レベルの設備を導入しました。身近な町のクリニックで高度医療施設と同等の呼吸器診療が受けられるよう体制を整えている点も、特徴です。 【圭美院長】この他、オンライン診療を導入するなど受診のしやすさにも配慮しています。喘息は治療を中断するとさらに悪化する恐れがあるため、仕事や子育てなどさまざまな事情で定期的に受診しづらい方には、外来診療以外の選択肢を提示しています。

ドクターからのメッセージ

庭本 圭美院長、庭本 崇史副院長

【崇史副院長】長引く咳は命に関わる病気が隠れていることも。もし3~4週間咳が止まらない場合は、ぜひ呼吸器専門医を受診してください。また喘息の治療は長期に及ぶため、過去に途中でやめてしまった方もいると思います。長期的な目でQOLを大きく損ねてしまう場合もありますので、患者さんが主体的に治療を継続できるよう、ともに取り組んでいきたいと思います。 【圭美院長】女性の場合、聴診の際の恥ずかしさや月経に伴う体調不良など、男性医師には言いづらいこともあるので、女性医師だからこそ女性患者さんに寄り添った診療を提供したいです。妊活をしている場合はお薬をその人に合わせて調整もできますので気軽にご相談ください。

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