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家田 泰浩 院長の独自取材記事

たけまさクリニック

(西宮市/苦楽園口駅)

最終更新日:2023/02/20

家田泰浩院長 たけまさクリニック main

2015年に前身のクリニックを継承するかたちで開業して以来、住民に寄り添いながら地域医療に貢献している「たけまさクリニック」。院長の家田泰浩先生は近畿大学医学部附属病院(現・近畿大学病院)をはじめ基幹病院で20年以上呼吸器病学の診療に携わりながら、救急診療やへき地医療も経験してきたベテラン医師。穏やかな口調からユーモアのある言葉が飛び出し、思わず笑顔にしてくれる。同院では、呼吸器疾患を中心とする内科一般から、外傷・打撲といった外科、さらには看取りまで見据えた在宅医療にも対応。「地域のかかりつけ医として近隣住民の健康寿命を延ばすため、幅広く貢献していきたい」と語る家田院長に、専門の呼吸器内科や訪問診療、院内処方のことなどさまざまな話を聞いた。

(取材日2022年11月7日)

呼吸器疾患を中心に内科・外科、訪問診療に対応

2015年に開業されて8年ほどですが、どのような患者さんが多く来院しますか?

家田泰浩院長 たけまさクリニック1

小児からお年寄りまでと幅広く、症状もさまざまです。割合としてはご高齢の患者さんが多いのですが、最近は比較的若い方からの新型コロナウイルス感染症にかかった後に残る咳などのご相談も増えました。一般的な風邪などでも咳が残ることがありますが、2ヵ月以上咳が続く場合は、問診で詳しく話をお聞きし、エックス線検査や、呼気中の一酸化窒素の濃度を測定して原因を調べ、治療法を考えます。咳の原因はさまざまで、風邪などの感染症によるものから、喘息やアレルギー、時にはストレスが原因となることもあります。大学病院の心療内科で実際にあったことですが、家にいる時に限って喘息の発作が起こる患者さんがいて、よく調べたら子育ての心労によるストレスが原因だったというケースもありました。そういう場合には心療内科の先生と協力しながら治療を行うこともあります。

呼吸器系疾患で気をつけることはありますか?

喘息など慢性の呼吸器疾患の場合は長期にわたる通院が必要なのですが、ある程度症状が治まると、来院されなくなってしまうことも。治療を中断したままにしていると、喘息の発作が原因で日常生活に支障が出るだけでなく、重篤な場合は命に関わることもあります。当院では患者さんの生活なども考慮した上で、受診の目安をアドバイスさせていただいています。また、呼吸器領域は飲み薬よりも吸入薬が主流となりますが、吸入薬を継続するのは簡単なことではなく、特に少し症状が楽になると吸入薬を使わなくなってしまう傾向にありますので、こちらも継続の大切さをお伝えしています。

訪問診療にも積極的に取り組まれているそうですね。

家田泰浩院長 たけまさクリニック2

そもそもは患者さんからご要望があり、開業前に往診の経験がありましたので、通常診療の延長のような感覚でお引き受けし、現在も行っています。僕も小学生の頃に祖父を自宅で看取り、医師になってからは病院でしたが父を看取りました。自身の経験も踏まえながら、当院の患者さんが通院困難になったら訪問診療に移行し、ご自宅での療養、看取りまで、かかりつけ医として最後までお支えしたいと思います。訪問した際に患者さんの顔を見て、お元気そうな様子だと安心しますね。訪問診療では来院していただいた時とできるだけ同じような診療ができるように心がけています。設備などの違いから完全に同じようにはいかないこともありますが、工夫しながらより良い診療ができるようにしたいと思っています。

COPDの認知度を高め、早期発見・治療につなげたい

開業されるまでのご経験についてお聞きします。

家田泰浩院長 たけまさクリニック3

近畿大学医学部附属病院で内科の医師として勤務する傍ら、救命救急センターで救急診療のスキルを学び、1年間は国立南和歌山病院(現:南和歌山医療センター)の呼吸器内科でも勤務しました。その間、週に1日は和歌山県田辺市龍神村の診療所に赴き、へき地医療も経験しました。重病な患者さんも多くいらっしゃったので多忙だったのですが、初めて地元を離れたので少しホームシックにもなりましたね。当時はテレビの放映時間が終わった後、僕が生まれ育った大阪の夜景がずっと画面に映っていて、それを見ては「大阪に帰りたいなあ」と思ったりも(笑)。その後も基幹病院で研鑽を積んでいましたが、西宮協立脳神経外科病院に勤務していた時、義理の父と仲が良かった竹政順三郎先生から「当院を引き継ぎませんか」というお話を頂き、お引き受けすることにしました。

呼吸器内科を専門に選ばれたのはなぜですか?

大学に入った当初は他科にも興味がありましたが、呼吸器はほかの臓器にも深い関係があり、知るほどに奥が深い科目だというのがわかり、やりがいのある分野だと思うようになりました。また、父が呼吸器疾患を患っていたこと、大学で所属していた硬式テニス部の顧問が呼吸器内科の教授だったため教室に出入りする機会が多かったことも影響しています。大学を離れるまでの20年近く、呼吸器病学の勉強を続けながら診療してきました。呼吸器の病気では、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がん、アレルギー疾患などが、近年増加傾向にあるといわれています。中でもCOPDは喘息などに比べてまだあまりよく知られていませんので、地域医療に携わる者としてこのように重要な病気の啓発活動をしていきたいと考えています。

COPDはどのような病気なのでしょう。

家田泰浩院長 たけまさクリニック4

進行すると循環器疾患や糖尿病など重篤な病気を併発することもある軽視できない病気です。呼吸機能はそれほど悪くないのに息苦しかったり、反対に呼吸機能は良くないのに息苦しさがなかったりといったように、呼吸機能と症状が必ずしも一致しているわけではなく、病状は進行していても、人間の体はそれに順応していくため息苦しさを感じにくくなるという特徴があります。酸素が足りている状態から半分くらい減ると「息が苦しい」と自覚するのですが、COPDなどの慢性疾患の場合は、酸素量が徐々に下がってくるため体が順応し、いくら酸素が低くても息苦しさを感じない人もいます。しかし、その間に体内ではさまざまな弊害が起きていることもあり、知らないうちに進行することもあり得ますので、喫煙歴があるなどリスクの高い人は健康診断などで定期的なチェックが必要です。

地域の「よろず屋」のようなかかりつけ医に

院内処方や発熱症状に対応する外来など、患者さんに寄り添う体制が整っていますね。

家田泰浩院長 たけまさクリニック5

患者さんは具合が悪くて来院されているわけですから、院内処方にすることで移動や支払いの手間が一度で済みますし、薬剤師からほかのお薬との飲み合わせを含めたアドバイスをお伝えすることもできます。調剤薬局が当院のすぐそばにあればいいのですが、そうではありませんし、坂道もありますから、可能な限り院内で薬を出せればと思っています。ただ、当院にはない薬もありますので、その場合はほかの調剤薬局に行っていただくことになります。発熱症状がある患者さんについては、一般診察時間中に一般の外来とは別の入り口・別の部屋で診察いたしますので、発熱・咳・痰・倦怠感のある場合は、来院前にお電話での予約をお願いしています。

今後の展望をお聞かせください。

呼吸器疾患を中心に、生活習慣病などの内科領域から、外傷や打撲といった外科領域まで、幅広く対応できるクリニックでありたいですね。患者さんから「とりあえずたけまさクリニックに行けば何とかしてくれる」と思ってもらえるような、いわゆる「よろず屋」のようなクリニックをめざしています。もちろん万能ではないので、当院では難しいと判断した場合は、速やかに専門の医療機関をご紹介するようにしています。そういった仲介の役割も含め、患者さんを良い方向に案内できる存在になりたいです。また、将来的には診療だけではなく、食や運動に関する指導も行うなど、患者さんの健康寿命を延ばすためのお手伝いをしていきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

家田泰浩院長 たけまさクリニック6

不調や体のお悩みで来院された方が、すっきり爽快とはいかなくても「来て良かった」と思えるクリニックでありたいと思っています。医師と患者さんが思い描く治療の道筋が乖離せず、同じ方向をめざして進めるような診療をしたい。この考えをスタッフたちが理解し、クリニック全体で丁寧にコミュニケーションを重ねてくれていることは本当にありがたいです。おかげで、一人ひとりの患者さんへオーダーメイドの診療、治療にあたることができています。当院は、咳、喘息、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患を中心に、内科から外科まで幅広い疾患に対応しています。まずは気軽にご相談ください。

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