働く親に寄り添い
子どもの将来を守るための予防接種
川越伊藤医院
(三重郡川越町/川越富洲原駅)
最終更新日:2023/08/09
母親からもらった赤ちゃんの免疫は自然と失われてしまうため、その後は赤ちゃん自身が免疫をつくって病気を防ぐ必要が出てくる。これに役立つのが予防接種で、感染症から赤ちゃんを守るために重要な役割を担っている。しかし、現在はワーキングマザーも多く「スケジューリングが大変」「副反応も心配」などの悩みを抱える親も少なくない。そんな親たちを温かく支えているのが「川越伊藤医院」小児科担当の伊藤雄彦先生。予防接種を毎日受けつけているのは「お子さんはもちろん、ご家族みんなをサポートできる医師でありたい」という想いからである。そんな伊藤先生に予防接種の種類や副反応、効率的に受けるための工夫などについて話を聞いた。
(取材日2023年6月23日)
目次
小児科と婦人科を専門とする2人の医師が在籍し、親をサポートしながら子どもの健康を守ることをめざす
- Q子どもの予防接種のスケジュールについて教えてください。
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A
生後2ヵ月からヒブワクチンと肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎ワクチン、四種混合ワクチンの接種を始めます。5ヵ月以降にはBCGが始まります。その後、1歳以降でMR(麻しん風しん混合)、水ぼうそう(水痘)、おたふく、3歳以降になると日本脳炎ワクチンが推奨されます。また6ヵ月以降からは新型コロナウイルスワクチン、当院では1歳以降からインフルエンザワクチンも接種可能となります。基本的に任意接種も含めすべてのワクチンを接種しますが、そうなるとスケジュールを考えるのは複雑で難しい。ご家庭ごとにさまざまな事情もありますので、当院では時間をかけてご相談に乗りスケジュールを組みます。
- Qこちらは毎日子どもの予防接種を受けつけていらっしゃいますね。
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A
当院が毎日予防接種を受けつけているのは、父である先代院長からのこだわりです。できるだけ地域に寄り添い「いつでも来てね」というスタイルを、私も守り続けていきたいです。当地域は働いているお母さんが多く、きょうだいがいるご家庭も多いので、スケジュールがより複雑になりがちです。厚生労働省の推奨スケジュールを前提に、ご事情に合わせてしっかりと相談に乗り、ごきょうだい一緒に、健診と一緒にするなど、通院頻度を減らすご提案もさせていただきます。基本的にスケジューリングは当院にお任せしてもらって構いません。
- Q連続接種では、どれくらい期間を空ける必要がありますか?
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A
2020年の変更により、不活化ワクチンと生ワクチンを続けて接種する際は、接種間隔の制限がなくなりました。ただし異なる生ワクチンの連続接種については、中27日以上空ける必要があります。ワクチンの種類は大まかに3つに分けられます。最も多いのが不活化ワクチン。毒性や病原性のない細菌やウイルスを使用します。肺炎球菌や日本脳炎、インフルエンザなどがこれにあたります。生ワクチンは毒性や病原性が低い細菌やウイルスを使用します。水ぼうそうや、おたふくなどが挙げられます。トキソイドワクチンは病原体から毒素だけを抽出し無害化したもの。四種混合に含まれる破傷風とジフテリアですね。
- Q予防接種では副反応も心配になります。
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A
副反応で多いのは発熱ですね。24時間以内に熱が出て、その後24時間以内に下がることが多いです。あまり心配する必要はありませんが、ご家庭では水分が取れているか、しっかり寝れているかをチェックしてください。また、鼻水や咳などの症状がある発熱は予防接種の副反応ではなく、風邪などの病気が原因である可能性もあるので、その時は受診していただいています。ほかには局所反応といって、注射を打った部分に痛みやしこりができることがありますが、1週間から1ヵ月程度でおさまるでしょう。BCGは接種後1~2日で腫れたり、針孔から膿が出たりすることがあります。副反応や心配事がありましたら、お気軽にご来院ください。
- Q注射は子どもが嫌がって大変です。
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A
当院では緊張をほぐすために、リラックスできる雰囲気づくりを心がけています。手作りのキャラクターの注射シールを見せたり、お声がけしたりして、緊張がとけるよう工夫しています。会話できる年齢であれば「今日は幼稚園で何をした?」などと雑談します。そして「なぜこの痛い注射を打たないといけないのか?」という理由を年齢に合わせてわかりやすく説明します。また、ワクチンの副反応について御心配な親御さんにも、「どのようなことが起こる可能性があり、その時に親御さんは何をすれば良いのか」を明確に説明します。具体的な対処法がわかれば安心していただけるのではないでしょうか。