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松岡 文弥 院長の独自取材記事

松岡こどもクリニック

(桑名市/西別所駅)

最終更新日:2023/07/18

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック main

三岐鉄道北勢線・西別所駅から南へ徒歩3分。店舗と住宅が立ち並ぶ西別所で70年以上にわたり、地域に根差した診療を続けているのが「松岡こどもクリニック」だ。2023年、松岡文弥院長は父の松岡初文名誉院長から、クリニックを継承。同時に建物も建て直し、リニューアル開業した。新しい院内は、木の香りに包まれログハウスのような雰囲気。至る所に動物が描かれており、遊び心を感じる。小児科とアレルギー科を標榜する同院は、キッズスペースと授乳室、子育て支援施設も併設している。日本小児科学会小児科専門医の資格を持つ松岡院長にクリニックの歴史や地域との関わり方など、幅広く聞いた。

(取材日2023年6月20日)

70年以上、地域の子どもたちを支え続けるクリニック

歴史の長いクリニックだそうですね。これまでの歩みをお聞かせください。

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック1

このエリアに生まれた祖父が、今から70年以上前に現在の場所で開業しました。最初に祖父が開業したのは小さな小児科のクリニックで、その後に父が建て直した建物は長く使っていましたね。そして今回私が建てたもので、3つ目のクリニックになります。当クリニックは節目節目で建て直しながら、ずっとこの場所で診療を続けています。祖父はもうかなり前に亡くなってしまったのですが、今のクリニックを見せたかったですね。祖父から父、そして私へと引き継がれてきた当クリニックは、親子3代にわたって来てくれている患者さんもいるので、これからも4代、5代と続けて来てもらえるクリニックにしていきたいですね。そのためにも地域に根差し、桑名市の子どもたちをサポートしていきたいです。

すてきなクリニックですが、どのようなところにこだわったのでしょうか?

小児科ですし、なるべく「病院らしさ」をなくして優しい印象にしようとしました。天然の木を使って、木のぬくもりだけでなく、香りを生かしてリラックスしてもらえるように配慮しています。やはり医療機関独特のにおいがしてしまうと、子どもも来たくないと思うので、家のような雰囲気をめざしました。コンセプトは「子どもがまた来たいと思えるクリニック」です。院内の壁には、あちこちにかわいらしい動物が描かれていますし、キッズスペースにつけた丸い窓もお気に入りです。うちも子どもがいるので、とにかく子どもが好きな感じにこだわりました。そのおかげで遊ぶのに夢中になって、呼んでもなかなか来ない子や「帰りたくない」という子どももいるので、うれしい限りです。

患者さんについて教えてください。

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック2

一番多いのは、1~5歳の幼稚園や保育園に通っているくらいの子どもたちですね。風邪や感染症など、よくある疾患で来院されるケースが多いです。当クリニックは以前から小児科を標榜していましたが、リニューアル前は「松岡医院」という名称だったので、内科と思われていることがよくありました。そのため、小児科だと知っている近所の人たちが通うという「知る人ぞ知る小児科」でした(笑)。しかし、今回のリニューアル開業で「松岡こどもクリニック」に名称を変更して、ホームページも新しく作ったので、最近は隣町からも患者さんが来てくれるようになりましたよ。

子ども本人と話し、丁寧な診察を提供する

どういった症状の患者さんが多いですか?

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック3

さまざまな症状の子どもたちが来院しますが、今は特に感染症がはやっているため、その症状を疑い、受診を希望される方がとても多いです。感染症疑いの方は基本的に車の中で待っていただきますが、たくさんの方が来られますので、少しでも待ち時間を減らしたくて、受付後に一度お家に戻っていただいたくこともありますね。それでもどうしても以前より待ち時間が発生しており、心苦しく思っています。本来、私が好きな診察スタイルは、患者さんとじっくりお話ししながら診ること。せかせかとした診察はしたくないですし、実際リニューアル前はじっくり話して診察できていました。ところが、感染症の患者さんが増えた現状では、お待たせしないためにも、テキパキと診ざるを得ないことが少なくありません。落ち着いたら、また、きちんとお話ししながら診察できればなと思っています。私の専門であるアレルギーの子どもたちもじっくり診てあげたいですね。

ご専門はアレルギーなのですね。特にアレルギーで注力する治療について教えてください。

もともと私自身がアレルギーを持っていることもあって、勤務医時代からアレルギー疾患をメインに学んできました。当院では、食物アレルギーや花粉症、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎に対応し、アレルギー検査や舌下免疫療法も行っています。子どもの場合、成長の過程でアレルギーが出なくなることもありますが、パパママや本人が不安や心配を感じた時点で、ぜひ来院していただければと思います。診た結果、アレルギーではなく例えば風邪だったとしても、患者さんが気にする必要はありません。アレルギーかもしれないと不安になったら、どうぞ気軽にご相談ください。

患者さんを診療する際に大切にしていることはありますか?

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック4

コミュニケ―ションをしっかり取ることです。子どもと会話のきっかけをつくって、気を引くことも大切にしています。子どもがキャラクターものの服を着ていたら、「これ○○だね」と言いますし、私が普段診察の時に着ているアニメのキャラクターが描いてある白衣も子どもと話すためなのです。とにかく、子どもには嫌がられないように、嫌われないようにしています。診察室や処置室の動物が描いてある壁紙も子どもに喜んでもらうため。それぞれの部屋に1ヵ所だけ当クリニックのオリジナルキャラクターが描いてあるので、子どもに探して楽しんでもらっています。

子育て支援施設も併設。子どものトータルケアを実現

併設されている子育て支援施設について教えてください。

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック5

桑名市の委託を受け20年以上前に「小児科医院併設型」として開設し、クリニックのリニューアルに伴い、こちらも移転再オープンとなりました。長年地域の子どもたちの健康を見守ってきた町のかかりつけ医として、「子育て支援施設」と連携しながら、多角的に地域のお子さんやお母さんたちをサポートしていけたらと思っています。

地域とはどのように関わっていきたいと考えていますか?

当クリニックは長年地域に根差して診療を続けていますし、子育て支援施設も併設しているので、地域の方々とは末永くお付き合いしていきたいです。これから先、桑名は土地開発も進んで、新しいご家族も増えるでしょう。だから、私も私の代で終わりにせず桑名市の小児科医療に4代、5代と携わっていきたいと思っています。いろんなことをやりたがりなので、これからは楽しいイベントも開催したいと考えています。私が育てているサツマイモ畑で、患者さんたちとイモ掘りをしたり、一緒に消防訓練をしたりと、小児科としてだけでなく地域の一員として関わっていきたいですね。子どもだけでなくお母さん同士もつながるコミュニティーの場をつくりたいです。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

松岡文弥院長 松岡こどもクリニック6

まずお伝えしたいのは、なんでも相談に来てほしいということですね。「細かいことかもしれない」と思っても、お母さんが気になることがあれば、ぜひ相談しに来てください。子ども自身は何か症状を感じていても、自分から言わない場合もあるでしょう。ですから、親御さんから見て「いつもと違う」と感じたら、いらしていただくことが大切です。当院は、子育て支援施設とも連携し、子どものトータルケアをめざしていますので、できることは多いと思います。まだリニューアルしたばかりで目途は立っていませんが、今後の展望として、桑名には夜間に診る小児科が不足しているため、忙しさが落ち着いたら夜間のオンライン診療もしたいと思っているところです。地域の方々のためにお役に立ちたいという気持ちは満々ですので、これからもかかりつけ医として頑張っていきたいですね。

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