安全で思い出に残る出産を
診診連携で長期サポートの充実をめざす
小石マタニティクリニック
(豊橋市/豊橋駅)
最終更新日:2022/10/31
- 保険診療
女性にとって一生に幾度とない大きなライフイベントでもある出産は、不安も多く伴うことがある。それゆえに、穏やかに安心して出産したいと誰もが望むのではないだろうか。「小石マタニティクリニック」では、安全であるのはもちろんのこと、心のこもった温かな医療の提供を大切にしており、妊産婦が心から安心して出産を迎えられるよう手厚く支える。小児科とも診診連携を密に行い、産前産後や生まれた子どもへの充実したサポートも特徴的だ。「分娩や産前・産後の期間が素晴らしいものだったと記憶に残ることは、お母さんにとっても、また生まれてくる子どもが健やかに成長していく上でも大切です」と語る小石麻子副院長に、妊産婦が過ごす環境の重要性について話を詳しく聞いた。
(取材日2022年8月18日)
目次
小児科と連携し、分娩だけでなく産前産後も妊産婦が安心して過ごせるような環境をめざす
- Q妊産婦が過ごしやすい環境づくりについて教えてください。
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A
感染症が流行している時期であったとしても、安心して過ごしていただけるように工夫しています。例えば待合室の距離を広くとったり、メールでの呼び出しもしていますし、キッズルームでお子さんを保育士がお預かりする場合も一対一で対応しています。また、リラックスしていただくための工夫も重要ですね。妊娠・出産は体に負担が多くかかる場合が多いですから、分娩後には皆さんに、体をリラックスさせていただきたいという思いから、ご希望の方にはエステとシャンプーを提供しています。また、妊娠中の定期健診とは別にオンラインで気軽に質問できるような体制もつくっています。
- Q妊産婦のメンタルケアにも注力されていますね。
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A
コロナ禍で、妊婦さんの不安はより大きくなったと思います。人が集まって行う教室の実施は難しいため、2020年5月よりオンライン教室を始めました。実際に当院で出産する様子をチームを組んで動画で撮影し教室でお見せするようにしましたが、好評を頂けているのではないかと思います。分娩前にイメージができていることで、不安などが軽減されている気がします。出産後の産婦健診の他に産後オンライン訪問などを行っていますが、その期間に不安が増える方も多いため産後育児に関する相談窓口を設けています。さらに当院は産後ケア事業にも取り組み、育児への気力や体力を取り戻していただけるよう、デイケアや宿泊型ケアを行っています。
- Q開催されている教室やイベントについても教えてください。
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A
コロナ禍以降はすべて、オンラインまたは少人数制で行っています。おなかの赤ちゃんと大切な時間を過ごすための教室としてマタニティーヨガやベビービクスなどのエクササイズも行っています。オンラインコンサートも開催し、地元の音楽家の方や当院スタッフが協力し合い、赤ちゃんと一緒に楽しく参加できるオリジナルのキックゲームの歌など、親子の絆が深まるような参加型のものもあります。1歳のお誕生日会ではスタッフと一緒に私も時には演奏をしているんですよ。私たち素人のつたない演奏でも、真剣に聴き入ってくれる子どもたちをみると、音楽は喜びであり、心を解きほぐしてくれるものだと一層深く感じています。
- Q助産師さんの活躍も大きいそうですね。
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A
当院の助産師は多くの取り組みをしています。例えば妊産婦さんや新生児を助けるための技術を磨いていけるよう蘇生法を学ぶ体制を院内で整えたり、助産師が担当する相談専門の外来を設けたり、さまざまなオンライン教室の企画も行っています。産後ケアでは当院で分娩されたすべての方に、助産師によるオンライン訪問を実施し、育児や授乳、生活における負担を軽減していけるようにサポートしています。近年は産褥期のうつといった産婦さんの心の病が問題となっています。迅速に妊産婦さんの抱える問題に気づき、安心して育児をしていただけるような環境を提供していきたいと切に願い、助産師によるサポート体制を整えています。
- Q小児科と連携しサポートしてもらえるのは安心につながりますね。
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A
お母さんだけでなく赤ちゃんも陣痛のストレスを乗り越えて生まれてきます。日本では新生児の死亡は世界的に見ても少ないですが、命に大きく関わってくるのが出生時だと考えられます。子宮の中で温かく守られていた赤ちゃんが外に出ていくことで呼吸や循環、環境の変化がダイナミックに起こります。ですから、小児科のクリニックと密に連携が取れるのは、赤ちゃんの予後に大きく関わってくると考えています。何か問題があった場合に小児科の医師がすぐに赤ちゃんを診察できたり、出生後も小児科医師の専門的な目で診察をしていけることは、お母さんたちの安心につながると思っています。