全国のドクター9,222人の想いを取材
クリニック・病院 158,511件の情報を掲載(2024年5月26日現在)

  1. TOP
  2. 富山県
  3. 富山市
  4. 萩浦小学校前駅
  5. 医療法人社団博雄会 北の森耳鼻咽喉科医院
  6. 稲葉 博司 院長

稲葉 博司 院長の独自取材記事

北の森耳鼻咽喉科医院

(富山市/萩浦小学校前駅)

最終更新日:2021/11/26

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院 main

1988年の開業以来、30年以上にわたって地域密着の医療を提供してきた「北の森耳鼻咽喉科医院」。院長を務める稲葉博司先生は、病理学教室での経験を礎に、西洋医学と東洋医学の双方から病気にアプローチする診療スタイルを重視。自律神経のバランスを整えることを主眼に置きながら、病気の根本的な治療をめざし、日々、さまざまな悩みを抱える患者と向き合っている。「患者さんを一日でも早く明るく元気にすることが医師の仕事」と、快活な笑顔を絶やさず話す稲葉院長に、現在の診療スタイルに至った経緯やクリニックの特徴、自身の健康づくりの秘訣について、大いに語ってもらった。

(取材日2021年10月19日)

西洋医学と東洋医学の長所を生かした診療を提供

西洋医学と東洋医学を併用した診療を実践されているとお聞きしています。

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院1

西洋医学と東洋医学、それぞれに良い点があります。私たちの最終的な目標は、一日でも早く患者さんに元気になってもらうこと。その目標を達成するためには、西洋医学と東洋医学の長所をフル活用することが最も近道だと思ったんです。ある意味、とてもシンプルな考え方ではないでしょうか。言葉を換えれば、両者の良いとこ取りです(笑)。

具体的な診療内容について教えてください。

例えば、風邪の症状に悩んでいる患者さんが来院してきたとしましょう。その患者さんは、高熱と咳がつらいと訴えている。であるなら、患者さんの症状を少しでも早く和らげるために、すぐに解熱剤と咳止め薬を処方する。そうした即時的かつ対症的な診療を行えるのが、西洋医学の良い点です。ただ同時に、なぜ風邪をひいてしまったのか、そうした本質的な部分まで考える必要がある。患者さんの体を知り、生活を知り、その上で根本的な体質改善を促していくことも大切。このような観点に立って診療を行えるのが東洋医学の良い点であり、当院では、漢方薬治療だけでなく、さまざまな東洋医学的治療を取り入れ、西洋医学と東洋医学の考え方を併用するハイブリッド型の診療を長年続けています。そのうちに、自律神経が病気の発生に深く関わっていることに気づきました。

自律神経を整えることが大切ということでしょうか。

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院2

まさにそのとおりです。最近顕著なのが、ストレスに起因する症状を訴える患者さんがとても増えてきたということ。例えば耳鳴りやめまいの原因を探っていくと、ストレスや精神的な疲労に行き着くことが少なからずあります。自律神経の乱れが、体の不調に大きく関わっているんです。裏を返せば、自律神経を整えることが、体の状態を良くすることにつながると考えられます。自律神経の良好なバランスを維持すること。それが心身の健康を保つ秘訣であり、そこにフォーカスした診療を提供するのが医師の最も大切な役割だと考えています。40年以上にわたり医療に携わってきた結果導き出した、私なりの結論です。

病理学を礎に病気の根本原因を探る診療スタイルを重視

病気の根本原因を探っていく診療スタイルは、いつ頃重視されるようになったのでしょうか。

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院3

それは、私の医師人生の原点にあります。大学卒業後、最初に入局したのが出身大学の病理学教室でした。病理学とは簡単に言えば、病気になった原因を探り研究する学問。その患者さんは、なぜ病気になってしまったのか。その原因を探し続ける日々を送るうちに、患者さんの訴える症状の原因となる、本質的な部分に目を向ける姿勢が身についたように思います。病理学教室で学んだことが、医師としての土台や基礎になっていると言っても過言ではありません。

医師をめざしたきっかけと、この地に開業した理由を教えてください。

医師をめざしたきっかけは、正直に申し上げて、あまり覚えていません(笑)。あまりにも昔のことなので。ただ、子どもの頃から生物が好きでしたね。おもちゃの顕微鏡を使って、いろいろなものを観察していた記憶があります。医師になった頃から、将来的に開業したいという意志は持っていました。勤務医をしていた頃、この付近に医療ゾーンを開発する計画があり、知人を介してお話をいただき、開業させていただいたんです。それが1988年のこと。以来、30年以上にわたって、この場所で地域に根差した医療を提供してきました。地域の方々への感謝とともに、地域に貢献してきたという自負もあります。これからも、一日でも長く、地域の皆さんと歩んでいけるクリニックでありたいと考えています。

クリニックの特徴も教えていただけますか。

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院4

勤務年数が長いスタッフが多いです。開業後間もなく入職し、以来30年以上にわたり働いてくださっているスタッフの方もいます。当院の診療方針もよく理解いただけているので、多くの言葉を費やさずとも、スムーズに意志の疎通ができる間柄であるように思います。いわば、あうんの呼吸。手前みそですが、良い信頼関係が構築できていると思っています。また、患者さんはもちろん、働くスタッフにとっても、快適な環境づくりを心がけています。当たり前の話ですが、汚くて不衛生な場所になんて、誰も近寄りたくないですよね。ましてや、それが医療機関ならなおさら。時間とお金をかけて、数度にわたりリノベーションを行ってきたのも、当院の姿勢を如実に表していると思います。

患者の意識を変えていくことも医師の仕事の一つ

診療する上でのモットーは何でしょうか。

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院5

患者さんとしっかり向き合うことです。それは、精神的にも物理的にも。新型コロナウイルス感染症が流行する中ですので、以前とまったく同じようにはできませんが、しっかりと感染症対策を講じた上で、できるだけ患者さんと向き合う時間と機会をつくるようにしています。場合によってはリモートで患者さんの訴えを聴いて処方することもできますが、そのスタイルはどうしても当院の診療方針にそぐわない。患者さんと実際に向き合って、声の大きさや調子、顔色、雰囲気などを感じ取れる、手を伸ばせば肌と肌が触れ合える、そんな近い距離感で患者さんに寄り添える診療を心がけています。

院長先生ご自身も、健康づくりに一家言お持ちだとか。

よくぞ聞いてくださいました(笑)。健康づくりの三本柱は食事・睡眠・運動だと思っています。食事については、いかに良いものを食べるかより、いかに悪いものを食べないかに主眼を置いています。睡眠は免疫機能を維持するための重要項目です。重きを置いているのは、睡眠時間よりは就寝時間。私の場合は夜の11時が目安です。休日の前夜は、夜更かししてしまう場合も多々ありますが。運動については毎日、診察が始まる前に、クリニックの周辺を全力疾走しています。距離にして100m強。でもこれ、本当に体に良いかどうかはわかりません(笑)。あくまで、私のルーティンなので。

最後に読者へメッセージをお願いします。

稲葉博司院長 北の森耳鼻咽喉科医院6

治りにくい病気にお悩みでしたら、ぜひ相談にお越しいただければと思います。先ほども申し上げましたが、当院は西洋医学と東洋医学、両面の考え方から病気にアプローチする診療を実践していますので、思いもかけない方向から解決の糸口が見つかるかもしれません。話は変わりますが、病によって沈んでしまった患者さんの感情を開放することが、医師の重要な仕事の一つだと考えています。病気に悩んでいる方は、どうしても病気のことばかり考えがち。ですから症状の改善につなげることで、患者さんの気を少しでも楽にする、病気から目をそらす、意識を変えるお手伝いを医師が行う必要があると思うんです。基本的に、病気は薬を飲めば治るというものではありません。極力明るく楽しく、元気な方向に気分を向けていく。それが健康の秘訣です。

Access