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矢野 潔 理事長の独自取材記事

矢野医院

(成田市/滑河駅)

最終更新日:2024/01/18

矢野潔理事長 矢野医院 main

1949年の開業以来、地域に根差した診療を行う「医療法人社団柔仁会 矢野医院」。内科・消化器内科を標榜し、何でも相談できるかかりつけ医であると同時に、消化器内視鏡や放射線科などの専門的な治療や検査も提供する頼れる存在だ。両親の後を継ぎ理事長を務める矢野潔先生は、内視鏡検査のエキスパートでもある。疾患の早期発見・治療をめざして検査施設の充実を図り、腹部や心臓の超音波検査、MRI、マルチスライスCTなど先端の機器や技術を導入。同院には、近隣クリニックからの紹介で足を運ぶ患者や、急な体調不良で同院を頼り駆け込む患者も多いという。「今後も患者さんに苦痛の少ない検査や質の高い診療を心がけ、地域の健康に貢献できれば」と話す矢野理事長に、診療のこだわりや医院の特色などを聞いた。

(取材日2023年8月19日)

充実した設備で早期発見・治療に努める

1949年開業と、非常に歴史のあるクリニックなのですね。

矢野潔理事長 矢野医院1

最初は私の叔母がここに「加藤医院」という名前で開業し、叔母が引退した後に小児科の医師であった私の父が引き継ぎました。同じく小児科の医師だった母も一緒に、長年夫婦で診療を続けてきまして、80代の母は昨年まで現役で診療していたんですよ。現在は両親の後を継ぎ、私が当院の理事長を務めています。お子さんたちが成長しても通ってくれたり、親子5代で通い続けてくれたりする患者さんもいて、とてもありがたいですね。

どんな患者さんが多く来院しますか?

現在は小児科を標榜していないので成人の患者さんが対象になりますが、本当にいろいろな症状の方がいらっしゃいます。内科・消化器内科を標榜していますので風邪や腹痛などの患者さんはもちろんですが、心筋梗塞や脳梗塞の患者さんが駆け込んでくることもあり、救急の現場のような役割を果たすこともあります。当院はMRIやCT、内視鏡などの検査機器が一通りそろっていますので、検査のためにいらっしゃる患者さんも多いです。近所のクリニックからの紹介で整形外科疾患の患者さんが当院に精密検査を受けに来て、その後もかかりつけ医として通ってくれることも。私の姉が担当する糖尿病専門の外来、発熱者専用の外来に訪れる患者さんもいます。

設備面が非常に充実してるのが特徴的ですね。

矢野潔理事長 矢野医院2

病気の早期発見と専門性の高い治療のためにも、設備面の充実にはこだわっています。当院が導入するマルチスライスCTは短時間で精密な検査が行える画期的なCTで、従来のCTでは発見しにくかった微小な病変の診断にも役立つため、肺がんや肝臓がん等の早期発見に貢献が期待できます。MRIは脳や脊髄、神経など骨周辺の鮮明な画像を得ることができ、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤などの早期発見にも有用です。組織の硬さを識別できる新しい技術を有した超音波診断装置も導入しており、それを用いた女性検査技師による乳腺検査も実施しています。これらの機器は1989年頃に父が導入したのですが、当時としては非常に画期的だったと思います。父は「これからの医療にはMRIやCTが必要だ」と言って、暇さえあれば本を読んだり大学病院に足を運んだりして、相当勉強していたようです。

恵まれた設備と技術で苦痛の少ない内視鏡検査の実施を

先生が得意とするのは内視鏡検査だそうですが、こだわっている部分はありますか?

矢野潔理事長 矢野医院3

患者さんにとって楽な検査を行うことです。「内視鏡検査はつらいから受けたくない」という人も多いでしょうが、患者さんが検査に足を運んでくれなければ何も始まらないので。胃の内視鏡検査は経鼻内視鏡を使用します。経鼻は経口と比較して画質が良くないといわれることもありましたが、当院では2020年に胃の内視鏡検査機器を一新し、極細径の経鼻でも高い画質で撮影できるようになりました。これまでに内視鏡検査で苦しい経験をした方には、弱い麻酔を使うことも可能です。大腸内視鏡では、大腸を膨らます際に粘膜から吸収されやすい炭酸ガス(CO2)を使用することで、検査後の腹部の膨満感や不快感の軽減を図ります。自分で内視鏡検査を受けてみて、患者さんがどこでストレスを感じるのか試してみたこともありますよ。患者さんの気持ちになって検査を改善しています。

チームワークにもこだわっているそうですね。

おかげさまで毎日多くの患者さんに足を運んでいただいておりますが、頼もしいスタッフに本当に助けられています。私のほかに非常勤医師3人、看護師9人、診療放射線技師3人、そのほかにも糖尿病専門のスタッフ、臨床検査技師、事務職員らで診療にあたっています。診療中に私に代わって電子カルテを記入してくれる専門の事務スタッフもいるんですよ。その分、私は診療に集中することができるので、非常に助かっています。スタッフには常に「患者さん第一で、患者さんのために」ということ伝えています。

先生が診療の際に心がけていることはありますか?

矢野潔理事長 矢野医院4

具合が悪くて来院した患者さんに検査を実施するときに、検査はまた後日、さらにその検査結果は1週間後というように、お待たせすることは避けたいと思っています。できるだけ早く検査を行い、結果も検査当日中にお伝えするようにしています。例えば、足がしびれるから病院に行って、1週間後に検査を受けたら脳梗塞だった場合、その患者さんは1週間、脳梗塞が重症化するリスクを抱えながら生活していたことになりますよね。そんな事態を防ぐためにも、専門性の高いレベルの検査を提供しつつ、迅速な対応を心がけていきたいと思っているのです。ただ、それによってどうしても一人あたりの診療時間が長くなることもありますし、当院は具合が悪くて駆け込んでくる患者さんも多く、そういう方を優先的に診る関係で、待ち時間が長くなってしまうこともあります。しかし、患者さん一人ひとりを丁寧に診させていただきますので、どうかご了承いただければ幸いです。

早期発見で人を救えたら、医師としてのやりがいに

先生が医師になったきっかけを聞かせてください。

矢野潔理事長 矢野医院5

両親も姉も医師という医療家系で育ちましたので、小さい頃から自然と自分も医師になるものだと思っていました。私の名前も、赤痢菌発見者の志賀潔から一文字もらっているそうです。そんな話を幼い頃から聞いていたら、「医師になるしかない」と思いますよね(笑)。医師になりたての頃にいろいろな科を回り、最初は心筋梗塞などの患者さんを助けたいという思いから循環器内科に興味を持ちましたが、「将来開業するなら、内視鏡ができたほうがより多くの患者さんを助けられるぞ」と友人にアドバイスされ、内視鏡の道に進みました。内視鏡検査で早期に病気を見つけることができれば、多くの患者さんを救えることにつながるかもしれず、やりがいにもつながっていきますので、その選択をして良かったと思っています。今後も患者さんが敬遠せずに受けてくれる苦痛の少ない内視鏡検査を心がけ、早期発見に貢献していきたいと思います。

これまでに多くの経験を重ねてこられたのですね。

2年間の初期研修時代には、小児科、循環器内科、救急科、放射線科を経験しました。その後は茅ヶ崎の病院で素晴らしい内視鏡の先生のもとで、仕事に従事することができました。毎日内視鏡検査を実施していたので多くの経験を積むことができましたし、私のような若い医師にもその先生は十分な時間を使って指導してくださいました。それから海老名にある総合病院で日本医科大学出身の先生と出会い、たいへん良くしていただき、その先生の紹介で日本医科大学に入り、放射線科でMRIやCTを学びました。今振り返ると、本当に良い恩師に恵まれたと思います。

ありがとうございます。最後に読者にメッセージをお願いします。

矢野潔理事長 矢野医院6

当院は飛び込みで来る方も多く、「街の診療所にこんな重症の人が来るのか」と思うような患者さんもいらっしゃいます。そういった人を先に診る関係で、お待たせしてしまうこともあるかもしれません。それは非常に申し訳ないのですが、どんな症状でも診させていただきますし、一人ひとり丁寧に対応しますので、待ち時間についてはどうかご理解いただければと思います。今後もこの地域に貢献していきたいという思いがあります。当院の患者さんは皆さん100歳まで元気で長生きしていただきたいという気持ちで診療にあたっておりますので、これからもよろしくお願いします。

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