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骨折しやすくなる骨粗しょう症
50代以上の女性は骨密度検査を

三枝整形外科医院

(千葉市稲毛区/稲毛駅)

最終更新日:2024/02/15

三枝整形外科医院 骨折しやすくなる骨粗しょう症  50代以上の女性は骨密度検査を 三枝整形外科医院 骨折しやすくなる骨粗しょう症  50代以上の女性は骨密度検査を
  • 保険診療

最近は「いつの間にか骨折」という言葉をよく聞くようになったこともあり、骨粗しょう症を気にしている人も多いだろう。骨粗しょう症は50歳以上の女性に多く、加齢とともに罹患率も高くなっていく。症状が進行すると、くしゃみをしただけで背骨を骨折したり、ちょっと転んだだけで大腿骨を骨折してしまうといったことも起こり得る。骨粗しょう症の予防と治療に力を入れている「三枝整形外科医院」の牧井勇磨院長は「背骨や大腿骨の骨折はその後の人生に大きな影響を及ぼし、寝たきりになってしまう恐れもあります。女性の方は50歳を過ぎたら一度は骨密度検査を受けて骨の状態を知ることが重要です」と話す。骨粗しょう症になる原因や検査方法、治療などについて話を聞いた。

(取材日2024年1月10日)

腰痛で背骨の圧迫骨折が発見されることも。将来寝たきりにならないために早期からの治療が大切

Q骨粗しょう症とはどのような病気ですか?
A
三枝整形外科医院 骨粗しょう症の予防と治療に注力している

▲骨粗しょう症の予防と治療に注力している

骨粗しょう症は骨量の減少や骨質の劣化によって骨がスカスカになってもろくなってしまう病気です。骨は骨を作る骨形成と骨を壊す骨吸収という二つの作用による骨代謝が行われていますが、そのバランスが崩れて、骨形成より骨吸収が優位になると骨密度が低下します。骨粗しょう症は自覚症状がないままに進行し、知らない間に背骨の圧迫骨折が起きている場合もあります。背中や腰の痛みを訴えて、検査をすると骨粗しょう症になっているケースも少なくありません。また、くしゃみをしただけで背骨を骨折してしまう例もあります。背骨や大腿骨の骨折はその後の生活の質に大きな影響を及ぼし、寝たきりになってしまうことも考えられます。

Qどんな人がなりやすいですか?
A
三枝整形外科医院 高齢の女性は骨粗しょう症になりやすいという

▲高齢の女性は骨粗しょう症になりやすいという

女性で早期閉経の方や50歳以上の方がなりやすいです。というのも骨代謝には女性ホルモンのエストロゲンが深く関与しているからです。エストロゲンには骨吸収を抑えて骨形成を促す働きがありますが、閉経前後からエストロゲンの分泌が減ると骨吸収が優位になって、骨密度の低下や骨質の劣化が起きやすくなるのです。高齢の女性ほど罹患率が高く、60代では約5人に1人、70代では約3人に1人は骨粗しょう症と考えられています。高齢者や女性以外でも、痩せ型の人や運動不足の人、喫煙者、栄養不足の人、糖尿病、腎臓病などの基礎疾患のある人、骨粗しょう症の発症原因となる薬を服用している人などはリスクが高いといえるでしょう。

Q診断のためにどのような検査を行うのですか?
A
三枝整形外科医院 エックス線検査を行い、精密な診断を行う

▲エックス線検査を行い、精密な診断を行う

まず骨を構成しているカルシウムなどの量を測る骨密度検査によって骨の強度を調べます。骨密度検査には複数の方法がありますが、骨粗しょう症の治療ガイドラインでは、DEXA法によって腰椎と大腿骨近位部の2ヵ所の骨密度を測ることが推奨されています。また、骨代謝の状態を示す骨代謝マーカーを調べる血液検査も行います。骨代謝マーカーには、骨吸収マーカーと骨形成マーカーがあり、骨吸収マーカーのほうが高い人は骨密度の低下速度が速く、骨折のリスクが高くなります。さらに、エックス線検査によって背骨の骨折や変形の有無、骨の内部の状態などを調べます。これらの検査結果を総合的に評価して診断します。

Qどのような治療があるのでしょうか?
A
三枝整形外科医院 患者一人ひとりに合った適切な治療法を提案する

▲患者一人ひとりに合った適切な治療法を提案する

治療は骨粗しょう症の進行程度に加えて、年齢や既往症なども考慮して、一人ひとりに最も適した治療となるよう行います。すでに骨折を起こしている場合や骨折の危険性が高い重症の骨粗しょう症に対しては、主に皮下注射による治療を行います。薬によって注射の頻度は月に1回、週に1回、週に2回などさまざまで、中には自己注射で対応できるものもあります。また骨密度がさほど低くなく、まだ骨折を起こしていない場合には、内服薬による治療を行うのが一般的です。また薬剤によっては注射による治療もあります。治療期間中は、一定期間ごとに骨密度検査や血液検査を行って経過を確認します。

Qこちらではどのような検査や治療を受けられるのですか。
A
三枝整形外科医院 患者にわかりやすいよう、丁寧な説明を行う

▲患者にわかりやすいよう、丁寧な説明を行う

当院ではDEXA法によって腰椎と大腿骨頸部の骨密度を測定します。また、血液検査では骨代謝マーカーのほか血中のビタミンD値も測定します。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあり、今の日本人は不足している人がとても多いのです。さらにエックス線検査や身長測定も行い、これらの結果から総合的に診断します。治療は重症度や既往症などを考慮し、ベストな方法を提案できるよう努めています。その際、各薬剤の投与方法や頻度、投与期間と見込まれる効果などが記された一覧表をお見せしてご要望や生活環境なども含めて続けやすいものを選びます。その後、半年に1回、骨密度検査や血液検査などによって経過を確認します。

ドクターからのメッセージ

牧井 勇磨院長

ある研究調査によると、閉経後の女性が一度骨折すると、1年以内に再び骨折を繰り返すリスクが高くなるということがいわれています。骨粗しょう症では、背骨、足の付け根の骨、二の腕の骨、手首の骨の4つの部位の骨が骨折しやすいのですが、中でも背骨と足の付け根の骨折はその後の生活の質の低下を招き、寝たきりになるリスクも高くなります。そのようなことにならないためにまずはご自身の骨の状態を知って予防及び早期から治療していくことが大切です。女性は50歳、男性は60歳を超えたら一度骨密度検査を受けるようにしましょう。

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