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聞こえづらくなったらすぐに受診を
難聴の原因と治療法 

久喜耳鼻咽喉科

(久喜市/久喜駅)

最終更新日:2023/10/04

久喜耳鼻咽喉科 聞こえづらくなったらすぐに受診を 難聴の原因と治療法  久喜耳鼻咽喉科 聞こえづらくなったらすぐに受診を 難聴の原因と治療法 
  • 保険診療

耳が聞こえづらいと感じた時、「そのうち治るかな」と考えて特に何もしない人は多いのではないだろうか。しかし、実はその判断が誤りであるケースもあるという。もしその原因が突発性難聴だった場合、治療に適した期間を逃してしまう可能性が高いからだ。「難聴にもいろいろな種類があり、早期発見・早期治療が重要なものもあります。遅くなると良くないので、不調を感じたらまず受診してほしいと思います」と話すのは、「久喜耳鼻咽喉科」の院長である小西孝彦先生。地域の耳鼻咽喉科として、中耳炎、副鼻腔炎、扁桃炎をはじめ幅広い診療に対応し、難聴の早期発見・早期治療にも力を入れている。小西院長に、難聴の原因や種類による症状の違い、治療の流れ、気をつけたいポイントについて、詳しく教えてもらった。

(取材日2020年3月12日)

難聴の原因によって治療法は変わる。早期治療につなげるためにも、異変を感じたらすぐに受診を

Q難聴になってしまう原因には、どんなものがあるのでしょう?
A
久喜耳鼻咽喉科 難聴の原因はさまざまあるという

▲難聴の原因はさまざまあるという

難聴の原因はいくつかあります。代表的なのは中耳炎。中耳に膿がたまる急性中耳炎、滲出液という液体がたまる滲出性中耳炎、滲出性中耳炎が進行し骨を壊してしまう段階に達した真珠腫性中耳炎は、どれも難聴の原因。これらが原因の難聴は「伝音性難聴」です。これとは別に、ある日突然聞こえなくなる突発性難聴は「感音性難聴」というもので、ストレスや睡眠不足、疲労が関連するともいわれます。また、始終機械の作動音がする工場での勤務やヘッドホンの使い過ぎなど、日々大きな音を聞き続ける環境は「騒音性難聴」の、ライブなどで突然大きな音を聞くことは音響外傷による難聴の原因になります。さらに耳あかや加齢からくる難聴もあります。

Q原因によって、なりやすい人や症状に違いはあるのでしょうか?
A
久喜耳鼻咽喉科 聞こえづらいと感じたらすぐに受診を

▲聞こえづらいと感じたらすぐに受診を

伝音性難聴は子どもに多いですね。急性中耳炎は痛みが出ますが、滲出性中耳炎は痛みがないことが多いので、呼んでも返事をしない、テレビの音を大きくするなどがあって、初めて気がつく場合が多いです。突発性難聴は大人に多く、人によって少し聞こえづらくなる、まったく聞こえなくなると程度の差はありますが、名前のとおり突然起こるのが特徴です。年齢や病歴は関係なく、若い人から高齢者まで誰でも起こり得ます。加齢による難聴は個人差が大きいですが、多くは60歳を過ぎた頃から徐々に始まり、高い音から聞こえにくくなっていきます。騒音性難聴も、4000Hz帯の高い音から始まり、放置すると徐々に低い音も聞きづらくなってきます。

Q具体的な診療の流れや検査は、どのようなものになりますか?
A
久喜耳鼻咽喉科 直接耳を診て状態を確認

▲直接耳を診て状態を確認

まずは直接耳を診て、耳あかの状態をチェックします。聞こえにくいのは耳あかが原因だった、という人も珍しくないんですよ。次は聴力検査で、検査用ブースでヘッドホンをつけてもらい、高い音、低い音を流して、その聞こえ方をチェック。検査後の診察で、お仕事の内容や普段の生活の様子なども伺って、難聴の原因を推定するという流れになります。治療法は、急性中耳炎ならほぼ手術はいらず、抗生物質を使った服薬治療が主流です。ただ滲出性中耳炎になると治りにくいので、鼓膜切開や鼓膜にチューブを入れる手術が必要な場合もあります。突発性難聴は、服薬治療と生活の改善が中心ですが、あまりに重度の場合は入院して点滴治療になります。

Q難聴は治るのでしょうか?
A
久喜耳鼻咽喉科 検査用のブースで聴力検査を行う

▲検査用のブースで聴力検査を行う

中耳炎が原因の伝音性難聴は、服薬や手術で改善を図れる場合が多いです。ただ突発性難聴は、時間がたつと神経が固まってしまい、元に戻ることは期待できません。ですから、症状が出てから2週間以内に治療を始めるのが重要なのです。「少し聞こえづらいけどまずは様子を見よう」と考える方は多いのですが、そうするうちに2週間たってしまうこともあります。少しでも聞こえづらく感じたら、様子を見ずにまずは受診してほしいですね。加齢による難聴は、今のところ治療の手段はないので、補聴器での対応になります。騒音性難聴も治療は困難ですが、聴力低下の兆しを早く見つけて、耳栓などで対処することは進行防止に役立ちます。

Q補聴器を使用することにはどんなメリットがありますか?
A
久喜耳鼻咽喉科 高齢者の場合、補聴器を使うことで認知症予防にもつながる

▲高齢者の場合、補聴器を使うことで認知症予防にもつながる

体に合った補聴器を使えば、聴力が落ちていても、以前と近いかたちで音を聞き取ることも望めます。高齢者の場合、難聴でコミュニケーションに支障を来すことをきっかけに認知症の進行につながることもあります。きちんと聞こえれば会話もしやすくなりますから、認知症予防という面からも補聴器を使うことは重要な意味があると思います。ただ補聴器は買ってすぐにクリアに聞こえるわけではなく、調整しながら、3ヵ月ほどかけて慣れる必要があります。雑音が大きくて嫌だという方もいらっしゃいますが、雑音が小さいタイプもありますし、目立たない小型のものもあるので、まず見てみてほしいですね。

ドクターからのメッセージ

小西 孝彦院長

少し聞こえづらいと感じても、「大丈夫だろう」と様子を見てしまいがちですが、難聴にもいろいろな種類があります。突発性難聴のように早期治療が大切なものもあるので、甘く考えず、「おかしいな」と思ったらすぐにクリニック・病院で検査を受けてください。突発性難聴の場合、2週間以内に治療を開始することで改善をめざせることが多いのです。転職直後や社会に出たばかりなど、急に生活が変わって大きなストレスを感じる場面でなりやすいので、若い人も注意してほしいと思います。また、滲出性中耳炎は痛みがないことが多いため、本人からの訴えがなく、発見が遅れがちです。子どもさんの様子がおかしいと思ったら、まず受診してください。

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