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谷口 真史 院長の独自取材記事

谷口整形外科リハビリクリニック

(さいたま市大宮区/大宮駅)

最終更新日:2022/07/27

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック main

JR大宮駅から車で約5分、住宅街の一角にある「谷口整形外科リハビリクリニック」。1990年に同院を開業したのは、谷口真史院長の父である谷口明先生。後を継いだ谷口院長は、2019年5月に同院をリニューアルオープンした。ベージュとブルーの外観が目印の2階建てで、1階の待合室、診療室は明るく広々とした雰囲気。2階は140平米もの広さのリハビリテーション室となっている。エレベーターで乗降でき、バリアフリー設計。谷口院長は、「患者さんとともに考え、ともに治す医療」をモットーとし、ケガや骨折などの外傷はもちろん、加齢性疾患や骨粗しょう症の診療まで幅広く対応し、リハビリテーションにも力を入れる。「常に向上心を持ち続けたい」と熱く語る谷口院長に、診療への思いを聞いた。

(取材日2022年7月6日)

診療とリハビリテーションの連携で問題を解決

クリニックを承継するのに合わせて、リニューアルオープンされたのですね。

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック1

ええ。父は整形外科の開業医で、1990年にこの地の向かいに開業し、地域医療に貢献してきました。私は一人息子で、両親から「将来は医者になりなさい」、「家業を継ぎなさい」とは一度も言われたことはないのですが、気づいたら医学部をめざし、整形外科の医師になっていました。そして大学卒業後、大学病院や関連の公立病院に勤務していたのですが、後を継ぐなら早いうちに実行し、自身のクリニックでの診療を生涯のライフワークとして向き合っていきたいという気持ちが強くなってきたのです。そこで、2016年から、父のクリニックの非常勤医師として勤務しながら少しずつリニューアルの準備を始め、2019年5月にオープン。同時に私が院長に就任し、父は週に一度のペースで診療というスタイルに変更しました。

診療と並び、リハビリテーションにも力を入れていると聞きました。

はい。リハビリは、父のクリニックで勤務を始めてから少しずつ力を入れてきたのですが、リニューアルにあたり、2階の140平米のスペースをリハビリ室にしました。現在、常勤は理学療法士8人、土曜日は9人体制で、一人ひとりの患者さんに即して運動機能の回復や痛みの改善をめざし、徒手療法のほか、日常生活の注意点やホームエクササイズの指導などを行っています。整形外科の診療は、非常に多岐にわたります。体の固さ、関節の動きの悪さ、筋力不足など、痛みが発生するのには必ず理由があり、痛みを取るだけでは解決につながりません。「薬で様子を見る」「痛みを取るための注射」だけの診療にとどまっていては、本当の意味での治療にはつながらないと思うのです。リハビリテーションの語源は、「本来あるべき状態への回復」です。この言葉どおり、薬や注射による治療だけでなく、リハビリにも力を入れ、向上心を持った診療を提供していきます。

リハビリには、どのように対応されているのですか?

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック2

診療で、リハビリが必要な患者さんに処方箋を発行し、理学療法士がその方に必要なリハビリや指導を行います。リハビリとはどういうものかを説明するのに、最近よくお話するのは「問題を解決するための治療」という表現ですね。高血圧や糖尿病などは生活習慣が深く関わっていますが、腰痛など整形外科が扱う症状も、そのほとんどが体の使い方の癖や姿勢、筋力バランスの悪さなど、いわゆる生活習慣からくるものです。そのため、痛みなどの問題解決のためには、基本的には薬で鎮痛を図りながら、理学療法士のサポートで体のバランスを整えていくことが大事になります。当院では1回のリハビリに20分または40分の時間をかけ、じっくり行っています。理学療法士が、医師とは違った観点で患者さんの体をチェックしていくことも大切で、医師や理学療法士の連携で患者さんの日常生活をより良いものに導いていきます。

「聞く・触れる・説明する」を大切にした診療

勤務医時代はどのような研鑽を積まれてきたのですか?

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック3

大学院では、臨床と研究の両方を行っていました。骨折など外傷の手術に加え、骨軟部の腫瘍やがんの骨転移など、整形外科領域の腫瘍の診療に携わってまいりました。整形外科で腫瘍を診ることができる医師は少なかったため、幅広い手術を経験でき、手術の要、不要の判断のみならず、整形外科のオールラウンダーとして専門にとらわれない幅広い治療ができるようになったと思います。この点も、当院の強みの一つであると思っております。

診療にあたり大切にしていることを教えてください。

患者さんのお話を聞き、体に触る診察をし、解釈を説明し、治療方針を説明するという、医師としての基本をしっかり提供することです。そのために、診察中の電子カルテの入力は医療クラークにお願いするなど、周りの環境も整えて、医師にしかできないことに集中できるようにしています。大事なのは「患者さんとともに考え、ともに治す」こと。一方的に治療を押しつけるのではなく、患者さんの希望や家庭環境、生活習慣なども踏まえた上で、患者さんとともに治療方針を決めていきます。私は、患者さんに、「先生にお任せします」と言われるのが好きではないのですよ(笑)。患者さんご自身の問題にしっかり向きあっていただきながら、医療者として的確な治療やアドバイスを行い、お互いの思いをキャッチボールしながら、その方のゴールに向かって一緒に進んでいきたいと思います。

理学療法士さんなどたくさんのスタッフさんに、院長として伝えていることはありますか?

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック4

患者さんに対する説明が食い違うことがないように、治療方針などを疑問に思ったら、遠慮なく声をかけてもらうよう伝え、話しかけづらさや敷居の高さがないようには心がけています。また、われわれは適切な医療サービスで患者さんに安心感を与えていくのが仕事ですので、ふとした時に、患者さんに対して自然に笑顔が出るよう心がけ、患者さんが望んでいることに対してきちんと応えられているかどうかを確認しながら対応しましょう、とは伝えています。患者さんファーストができていれば、特にクリニックとして「〇〇をしなさい」というものはなく、自分のやりたいことを自由に追求してもらっています。ただそれぞれ興味のある分野、ない分野があり、興味の向いていなかった分野に触れることが、ときには成長のきっかけになったりもするので、情報共有のために月に一度などの頻度で勉強会を開催したりはしています。

より良い治療を提供できるよう知識を積み重ねていく

超音波を使った診療も行っているのですね。

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック5

そうですね。レントゲン写真では見えない筋肉、靭帯、神経などの異常を超音波を使って確認しています。腱鞘炎であれば、超音波で炎症が強いところをピンポイントで突き止め、その部分に注射を打つ治療を行うこともあります。肩周りには、筋肉がミルフィーユ状に重なっていますから、より良い場所に注射を打つにはエコー診療は欠かせません。当院では、ハイドロリリースにも対応しています。

将来的に、取り組んでいきたいことを教えてください。

リニューアルオープン以後、患者さんもスタッフも大幅に増えたので、まずは現在の規模に合わせた運営体制をしっかり整えていくことです。その先としては、医療の提供の仕方という面では、町の診療所として絶対に無視できない介護の分野、介護保険適用のリハビリや訪問リハビリ、訪問診療等を担っていくことを、まだぼんやりとですが考えています。もう一つ、これは医療ではありませんが、「運動と栄養」は骨や筋肉を診る整形外科としては外せない分野だと思いますので、ここにも関わっていきたいと考えています。ただどんな形がいいのか、クリニックとしてどれぐらい関わるのが適切なのかは思案中です。栄養指導にはじまり、クッキングスタジオやコンセプト内でのレストラン、フィットネスとの組み合わせなどいろいろな形が考えられますが、まだイメージが固まっていないので、ゆっくり考えていきたいと思います。

最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします。

谷口真史院長 谷口整形外科リハビリクリニック6

私は、医師としてのポリシーとして、「無知は罪」だと思っています。患者さんにより良い医療を提供できるよう、常に研鑽を重ね、知識を積み重ねていくことが私の務めだと思っています。当院は町の整形外科ですから、特別高度な治療に特化するのではなく、整形外科分野を広く診られ、まっとうな医療を提供するのが仕事です。日々全力投球の精神で、地域の皆さんのお役に立っていければと思います。

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