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江口 紀之 理事長の独自取材記事

創成川通整形外科

(札幌市北区/太平駅)

最終更新日:2021/10/12

江口紀之理事長 創成川通整形外科 main

太平駅より徒歩9分、閑静な住宅街にたたずむ「創成川通整形外科」。1987年に「江口整形外科」として開院し、2018年の院内リニューアルを機に現名称へ改称。2017年より2代目院長を務めるのは、日本整形外科学会整形外科専門医の江口紀之先生だ。整形外科の中でも膝・下肢を専門に研鑽を積み重ねた経験を生かして、患者に寄り添う医療の実践に力を注いでいる。「患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。無駄な検査や治療は行わず、リハビリテーションなどの運動指導を重視しています」と優しい笑顔で話す江口院長に、診療方針や患者層、力を入れていることなどたっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年6月14日)

リハビリの体制を強化し、患者の健康維持を

暖色系の色調でまとめられた心休まる院内ですね。

江口紀之理事長 創成川通整形外科1

ありがとうございます。患者さんに安心して診療を受けていただけるように、温かい雰囲気づくりを心がけています。2018年に院内をリニューアルしたのですが、その際に院名も「創成川通整形外科」になりました。先代が患者さんを大切にしてきた歴史を受け継ぎつつ、現代の医療にアップデートしていきたいという思いを込めて改称したんです。現在も初代院長である父とニ診体制で診療を行っていますが、近年はマッサージ主体のリハビリから運動指導を重視するようになりました。理学療法士やセラピストと連携し、患者さん一人ひとりに合わせたリハビリを提供するように努めています。

リハビリに力を入れるようになった理由は何ですか?

整形外科の疾患は、手術をしなくても治療していけるものがたくさんあります。薬物治療やリハビリなど保存療法を積極的に行った上で、最終手段として手術があるのかなと。また、リハビリは健康維持にもつながりますよね。今は超高齢社会ですから、健康寿命を維持していくことが大切です。当院でリハビリに力を入れるようになって3年ほど経過しましたが、患者さんの意識も変わってきたように感じています。というのも、マッサージ主体だった頃は、患者さんも「先生に任せるから、なんとかしてくれ」と受け身の考えで受診される方が多かったんです。しかし、今では患者さんご自身で積極的に考えてくれるようになりました。「しっかりリハビリを行えば歩けるようになったり、痛みをなくしたりすることをめざせる」ということを患者さん自身が理解してくれているのだろうと手応えを感じています。

患者層についても教えてください。

江口紀之理事長 創成川通整形外科2

やはりご高齢の患者さんが中心となります。とはいえ、この近辺は一軒家が多いので、ご高齢でも畑仕事をしたり、よく動いたりと元気な方が多い印象ですね。主訴としては、腰や膝、肩の痛みや変形性関節症などが多いです。一方、若い世代は捻挫などのケガが最も多くなります。その他、オスグッド病や野球肩、テニス肘など、成長期のスポーツ障害でも来院されています。患者さんの幅広いニーズに対応できるように、一人ひとりに寄り添った診療を行っていきたいと思っています。

丁寧な問診で、無駄な検査や治療を省きたい

診療で心がけていることをお聞かせください。

江口紀之理事長 創成川通整形外科3

当たり前のことですが、患者さんのお話をしっかり聞くことを大切にしています。例えば、患者さんが「肩が痛い」と訴えても、それが肩凝りなのか、肩の関節の痛みなのか、詳しく聞かない限りわかりませんよね。本当に痛いところを見極めるために、まずはお話を聞くことを重視したいなと考えているのです。逆に言うと、患者さんのお話だけでも悪いところが絞られてくるものなんですよ。無駄な検査はしたくありませんので、患者さんとのコミュニケーションは欠かさず行っています。そして、むやみに手術を勧めるのではなく、まずは運動指導から改善を図るように努めています。また、最近は骨密度測定装置を新しいものに入れ替えたのですが、できるだけ先端の医療機器を導入しつつ、患者さんの負担が少ない検査・治療に結びつけていきたいと考えています。

スタッフ教育についてはいかがでしょう?

当院はスタッフのほうがしっかりしてくれているので(笑)。僕が直接指導しなくても、スタッフたちも患者さん一人ひとりに寄り添ってくれていると思います。というのも、整形外科はリハビリや治療で何度も通院していただくことになりますので、その分だけ患者さんとスタッフが接する時間も長くなるんです。

これまで印象的だった患者とのエピソードなどはありますか?

江口紀之理事長 創成川通整形外科4

最近でいうと、新型コロナウイルス感染症流行の影響ですね。ちょうど1年ほど前、世の中はわけもわからないままで緊急事態宣言期間に入りました。当院の開院以来、30年近く通ってくれていたおじいちゃんがいたのですが、ご高齢でも自転車に乗るような元気な方だったんです。しかし、家族から「新型コロナが怖いから、外出しないように」と言われて外出自粛を守っていたら、みるみるうちに衰えてしまったそうで。数ヵ月ぶりにお会いすると、よぼよぼ歩きで声も力がなく、別人のようになってしまっていました。短期間でこんなにも変わってしまうものかと。家から出て、人と会って、しゃべって、帰るだけでも、それだけで健康維持には役立つものなのだと実感しました。

健康寿命を延ばすために、気軽に来院できる医院へ

ところで、先生が医師を志した理由は何でしょう?

江口紀之理事長 創成川通整形外科5

整形外科の医師として働く父の背中を見て育ちましたので、やはり父の影響が大きかったです。大学は地元の北海道を離れて東京に進学しましたが、それも良い経験になりました。真面目一辺倒ではなく、いろんな学生が集まっていましたので。学生時代の6年間、北海道から離れて一人暮らしもして、たくさんのことを学べたと思っています。ちなみに、整形外科を専門に選んだのは、父の影響もありますが、それだけではありません。整形外科においては「歩けるようになった」「痛みがなくなった」など、結果が目に見えてわかりますよね。前向きに治療に取り組めるところに魅力を感じました。

実際に整形外科を専門に選んだ後、ギャップを感じたことなどはありますか?

意外に慢性疾患が多いなと感じました。医師になる前は、整形外科といえばケガをした患者さんを診るイメージだったのですが、それ以上にご高齢の患者さんがほとんどで、加齢に伴う疾患が多いなと。高齢者が増えたという時代背景も関係していると思いますが、これからその傾向はより強まってくるのだと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

江口紀之理事長 創成川通整形外科6

新型コロナウイルス感染症の影響でステイホームが続き、足腰が弱くなってきたご高齢の方も多いと思います。これからは高齢者の健康維持に力を入れていきたいです。例えば、リハビリは必ずしも定期的に通うべきものではありません。通院が難しい場合、一度だけ来院していただき、理学療法士に自宅でのトレーニングについて指導を受けていただければ、それだけでも結果は変わってくると思います。今の状況が落ち着いたら、地域の方たちに健康維持のための運動などを伝える活動も行っていきたいですね。以前もリハビリで来ている患者さんやお友達を対象に、理学療法士とともに公開講座を開催していたんです。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

痛みを我慢して受診するのではなく、少しでも痛みを感じたらお気軽にご相談ください。診察をして何もなければそれで良いですし、何かあれば早期に治療やリハビリを行えますので。最近では、患者さんのほうから「骨密度の検査をしてほしい」と希望されるケースも増えてきました。健康寿命を延ばすためにも、気軽に整形外科を活用していただけるとうれしいです。

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