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渡辺 郁雄 院長、渡辺 康司 副院長の独自取材記事

渡辺内科クリニック

(大垣市/大垣駅)

最終更新日:2024/05/30

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック main

大垣市役所のすぐ近くにある「渡辺内科クリニック」の歴史は、110年以上前にさかのぼる。1911年に診療所を開業し、戦後は内科の病院として地域医療に貢献してきた。現在は、糖尿病、心臓病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を中心とした内科全般を、常勤医師2人体制で診ている。先代から受け継いだ思いやりの医療はそのままに、検査精度の向上と患者の健康寿命を延ばすための取り組みに力を注いでいるという。取材では、4代目の渡辺郁雄院長と長男の渡辺康司副院長に、同院の歩みや患者への思い、注力する生活習慣病の診療などについて聞いた。

(取材日2024年4月8日)

時代は変わってもベースとなるのは思いやりのある診療

こちらは、明治時代から診療を続けているそうですね。

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック1

【院長】当院の創設は1911年で、110年以上も前になります。診療所からスタートし、途中、戦災ですべてが消失するなど困難な局面にも遭いましたが、2ヵ月余りで診療を再開し、地域医療に貢献しました。結核が流行していた時代には多くの入院患者を受け入れてきた歴史もあります。90床以上の病院でしたが、2007年に規模を縮小し、クリニックとして再スタートしました。敬虔(けいけん)なクリスチャンであった初代院長がモットーとしていた「病める人への愛と奉仕の精神」を、クリニックとなった今も診療理念としています。科学的根拠に基づいた上で、患者さんの立場に立った思いやりのある診療を続けていきたいと思っています。

院長のご経歴を教えてください。

【院長】岐阜大学医学部を卒業後は、循環器内科で経験を積み、日本循環器学会循環器専門医として心臓病や糖尿病の診療をしています。循環器の病気は運動と関連が深いこともあり、県内の運動関連事業にも従事しているんです。スポーツ医学を専門とする医師として、県内のスポーツ大会の企画や運営、選手の診療やスポーツ指導者の研修会の開催などに関わっていますよ。私自身も野球経験があり、スポーツと医学の関連にはとても興味があります。当院に多い生活習慣病の患者さんにも、運動を推奨するために定期的に運動教室や講座を開催しています。

続いて、副院長の現在までの歩みをお聞かせください。

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック2

【副院長】医療への思いには、小学生の時に、2代目院長でもあった祖父を病気で亡くしたことが影響しています。医師となってからは、岐阜県総合医療センターの循環器内科で虚血性心疾患の臨床を重ね、急性心筋梗塞など虚血性心疾患の患者さんを救うために心臓カテーテル術を中心に学びました。その後に勤めた羽島市民病院では、循環器内科部長と救急医療センター長を兼任していた時期に東日本大震災が起こり、被災地での医療も経験しました。それは急性期医療ばかりでなく、心のケアも含めた慢性疾患の医療について深く考えさせられる経験となり、今の医療の重要な礎になっています。当院で勤務するようになったのは2020年からです。

副院長は、医師として以外にもさまざまなことを経験されてきたそうですね。

【副院長】若い頃はいろいろなことに興味があり、中でも音楽は10代の頃からのライフワークです。アメリカでギターを弾きながら放浪してストリートミュージシャンをした経験もありますし、浜松医科大学を卒業して岐阜に戻った今でも岐阜を中心に名古屋、東京、大阪などで定期的にライブ活動をしています。また、最近でこそレースにはあまり出なくなりましたが、体づくりとリフレッシュを兼ねて休日にはロードバイクに乗り山へも行ったりします。

長い歴史の中で大切にしてきた患者との信頼関係

どんな患者さんが来院されますか?

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック3

【院長】糖尿病、心臓病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の患者さんが多いですね。特に糖尿病の診療には父の代から力を入れるようになりました。父はとにかく先進的な人だったので、新しい検査や治療法を早期に取り入れていました。当院の歴史の中で積み上げてきた地域の患者さんとの信頼関係は、先代が残してくれた財産。中には、50年にわたりかかりつけ医を任せていただいている患者さんや、3世代で来院されているご家族もいらっしゃいます。これからも患者さんの信頼に応えられる医療を続けていきたいですね。

こちらのクリニックの強みや特徴はありますか?

【院長】もともと病院だったということもあり、検査体制が充実していることは当院の大きな特徴です。CTは早期から導入しましたし、血液検査、生化学検査、生理検査、放射線検査など基幹病院並みの幅広い検査が可能で、そのほとんどがその日に結果が出せます。また、検査精度向上のために機器を厳選し、必要なものは都度バージョンアップしています。今後もこの検査レベルを維持していきたいと思っています。

生活習慣病の方への栄養指導や運動療法にも注力しているそうですね。

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック4

【院長】ええ。いいお薬がたくさん増えたこともあり、血糖値を下げるための簡単な方法は増えました。けれど病気は薬だけで改善するものではありません。栄養指導や運動指導といった地味な取り組みこそ、疾病の予防や治療という立場からだけではなく、健康寿命という重要な目標への大事な要素であると考えます。誰もが寝たきりのまま長生きしてもうれしくないと思うでしょう。そうは思っていても、実際に高齢になればなるほど運動はおっくうになるもの。それでも元気で長生きするためには、正しい食生活と運動が重要なことを理解し、持続できるようにすることが大事なんです。生活習慣病であっても、食事と運動で血圧や体重、血糖値をコントロールして、体の良い状態を維持しながら長生きしてほしいですね。人生の終わりまでQOL(生活の質)を高く保ったまま過ごすサポートをさせていただきたいと思っています。

安全に配慮し医学的に適切な医療を続けていきたい

患者さんと接する上で、心がけていることはありますか?

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック5

【院長】思いやりの医療というのは、開院当初からの理念ですが、愛や思いやりだけでは十分な治療はできませんから、科学的根拠に裏づけられた適切な医療とのバランスを取りながら、一人ひとりの患者さんに合った診療を心がけています。患者さんへの対応という点では、お話を聞くことを大切にしていますね。話したい思いがあるけれどもなかなか言葉が出てこないような方には、話しやすいような雰囲気をつくることを心がけています。
【副院長】患者さんそれぞれの価値観や生活環境を読み取りながら、患者さん自身が続けられる最適解を一緒に見つけられればいいかなと思っています。

スタッフの方々や医師同士の連携も大切にされているそうですね。

【院長】以前は病院だったという歴史もあり、診療放射線技師や臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師などの専門スタッフが在籍し、充実した検査や栄養指導の面から適切な医療を支えてくれています。また、私たち2人のほかにも非常勤の医師がいます。内視鏡の専門家である2人の医師が胃・大腸内視鏡検査を担当しているので、検査に不安のある方も安心してお越しください。糖尿病を専門にする女性医師は、週に1回診療を担当しています。医学的に確かな医療を提供し続けていきたいというのは、私たちの共通の思いです。

最後に、読者や患者さんへメッセージをお願いします。

渡辺郁雄院長、渡辺康司副院長 渡辺内科クリニック6

【院長】要介護になって通えなくなった患者さんや、高齢者施設に入居された患者さんを、可能な限り診続けたいという思いがあり、訪問診療にも力を注いでいます。かかりつけ医として寄り添っていきますので、ご安心ください。
【副院長】これからも患者さんとのコミュニケーションを大切に、生活習慣病をはじめとする診療に取り組んでいきたいと思います。生活習慣病と聞くと、中高年の人が対策すべき病気というイメージが強いと思いますが、本来は発育期から予防に取り組むべきなんです。そういったことも伝えていきたいですね。どんな些細な症状であっても丁寧に診察し、患者さんの話にはきちんと耳を傾ける姿勢でいますので、どうぞ気楽にご来院ください。

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