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デイケアと連携し自己実現を支援
気軽に話せる心療内科・精神科

塩入医院

(杉並区/阿佐ケ谷駅)

最終更新日:2021/10/12

塩入医院 デイケアと連携し自己実現を支援 気軽に話せる心療内科・精神科 塩入医院 デイケアと連携し自己実現を支援 気軽に話せる心療内科・精神科
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阿佐ケ谷駅南口の心療内科・精神科「塩入医院」は、診療室のすぐ隣にデイケア施設を併せ持つクリニックだ。塩入祐世院長いわく、心療内科とは「心の面に気を配って診療する内科のようなもの」。さまざまな体の不調として現れるストレスや不眠の原因を、ゆっくりと時間をかけたカウンセリングの中から浮かび上がらせ、決して解決を急がず、患者自らが社会復帰や自己実現への力を蓄えられるよう導いていく。提携している大泉病院や都立松沢病院から退院した重い症状の患者へのサポートにも力を入れている塩入院長に、医療と福祉両面の取り組みと、患者へのアプローチ方法などについて詳しく聞いた。

(取材日2017年4月6日)

丁寧なカウンセリングで患者の人生を深く理解し、的確なサポートに生かしていく

Qクリニックで行っている取り組みについて教えてください。
A
塩入医院 年齢も症状もさまざま、幅広い層の患者が先生のもとに訪れる

▲年齢も症状もさまざま、幅広い層の患者が先生のもとに訪れる

心療内科・精神科の外来診療に加えて、同じフロアの別室でデイケアも開いています。また、長期滞在のできるリハビリ施設として、武蔵村山市にある生活訓練施設「たまこヒルズ」を運営し、ほかにグループホーム2ヵ所、活動支援センター1ヵ所があります。これらのリハビリ施設は、長期間の入院治療を終えてなんとか退院されたものの、すぐに社会復帰するのは難しいという方を主な対象にしていて、職員やほかの患者さんとの交流を通じ、少しずつ元気を取り戻していただくためのものです。また、個々の患者さんのニーズに応じ、一人暮らしに疲れてしまった時などにショートステイの形でご利用いただくことも可能です。

Qデイケアを始めた経緯についてお聞かせください。
A
塩入医院 デイケアルームは診察室と同じフロアなので安心だ

▲デイケアルームは診察室と同じフロアなので安心だ

もともとは、今から60年前の1957年、先代の院長だった父が同じ杉並区内で開いた有床診療所の病室を、今で言うグループホームとして運営したのが始まりです。その後、医療施設と福祉施設は別々にという国の方針に従い、2013年にクリニックを今の場所に移すのと同時に、デイケアを始めました。デイケア施設とは制度上、医療機関と一体のものであり、必ず医師がいなければなりませんが、私がデイケアを作ったのは、さっきもお話しした退院から社会復帰までの橋渡しに必要と考えるからです。定員15人と決して大きな施設ではありませんが、退院後の患者さんが生きていく力をつけるための支えとして、一定の役割を果たしていると思います。

Q教育機関、福祉との連携や就労支援はどのように行っていますか?
A
塩入医院 モットーは「初期診療から社会復帰まで」と院長は語る

▲モットーは「初期診療から社会復帰まで」と院長は語る

例えば、当クリニックの患者さんが福祉作業所にも通っているような場合、患者さんを適切にサポートできるよう、作業所の職員の方と逐次連絡を取り合うことにしています。それぞれの方針が食い違ったままだと、患者さんを戸惑わせる結果にしかならないからです。学校については、高校の健康相談に伺うことなどはありますが、当クリニックでの診療と直接結びつくものではなく、すでに別の心療内科を受診している場合は、そのまま続けるようにとアドバイスすることが多いですね。また、近年は就労支援センターが各地に増えてきているので、そうした施設とも連携を欠かさぬよう、デイケアの職員らが中心となって情報交換に当たってもらっています。

Q先生の考える心療内科・精神科とのつき合い方を教えてください。
A
塩入医院 長い付き合いになるからこそ、相性は大切とのこと

▲長い付き合いになるからこそ、相性は大切とのこと

内科や外科とは違い、心療内科・精神科を受診する時は、何よりドクターと理屈抜きに気心が通じるかどうかが第一です。本音でうまくお話ができない場合は、相性が良くないのかもしれませんから、無理に努力したり、ご自身を責めたりなさらないでください。また、どこのクリニックも同じではなく、それぞれ得意分野があることを知っておくのも大切です。例えば当クリニックでは、軽い不眠やちょっとしたストレス、さらには、提携している大泉病院や都立松沢病院などから紹介を受け、重い統合失調症やうつの患者さんの診療にも力を入れています。そうした特徴にも少し注目して、自分に合ったクリニックを見つけると良いでしょう。

Q患者と向き合う時にどんなことを心がけていますか?
A
塩入医院 デイケアルームの患者の作品。交流の場は重要だ

▲デイケアルームの患者の作品。交流の場は重要だ

何よりも、適切なサポートをするために、時間をかけてよくお話しすることです。初診の患者さんの場合、都合が許せば、4、50分程度かけて情報収集も含めてカウンセリングを行います。話す内容は非常に幅広く、理想としては、その患者さんが生まれてから当クリニックに来られるまでのすべてを知りたいと、それぐらいに思っています。中でも、現在までの生育歴……どんなご両親なのか、家族関係はどんな風だったのか。あるいは、学校時代のこと、職歴、良いお友達はいるか、趣味を楽しんでいるかなど、その方の人生の歴史をなるべく詳しく伺った上で、生活環境の調整やリハビリテーションなど、その後のサポートに生かしていきます。

ドクターからのメッセージ

塩入 祐世院長

開業以来、「初期診療から社会復帰まで」を診療のモットーに掲げ、患者さんの自己実現のサポートに力を入れてきました。一口に自己実現といっても、その内容は1人ひとり違っていて、私たちが押し付けるものではありません。ですから、カウンセリングを重ねる中でわかってきたこと、例えば、家族関係が良好でないことにストレスを感じているなら、親御さんをお呼びして一緒に話し合う機会をもうけるなど、問題を一つひとつ取り除くように、時間をかけてサポートしていきます。これは診察室の中だけでは難しいので、デイケアなどもご利用いただき、共に集まる患者さんたちとの交流を通じて、一歩一歩、元気になっていってほしいと願っています。

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