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上田泰明 院長の独自取材記事

みなみ野シティクリニック

(八王子市/八王子みなみ野駅)

最終更新日:2021/10/12

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック main

横浜線八王子みなみ野駅。駅から坂を上った静かな住宅街の中に「みなみ野シティクリニック」がある。明るく落ち着いた雰囲気の建物の中に入ると、ゆったりとしている待合室が現れる。院長である上田泰明先生は、救急医療と脳神経関係を専門とし、前職では信州大学医学部附属病院でドクターヘリの立ち上げにも携わったベテランドクターだ。救急医療で培った正確で早い判断が、現在の治療にも生かされており、クリニックで治療するべきか病院に紹介するべきかを検査機器を用いて即座に判断する。「病状によっては、紹介のタイミングを逃してしまうと、病気が悪化しかねません。できるだけ早く診断をつける必要があります」と上田先生は話す。そのためクリニックには大きな医療施設に匹敵する検査機器が設置されていて、患者にとってはとても頼りになる。治療方針や診療の特徴、またプライベートに至るまで上田先生に話を伺った。

(取材日2014年7月18日)

救急医療で培った的確な診断が、現在の治療にも生かされている

こちらのクリニックについて教えていただけますか?

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック1

「ポプラクリニックみなみ野」というクリニック名で診療されていた先生から第三者継承をさせていただき、2013年の9月に開業しました。クリニックの間取りは以前のままですが、内装はリニューアルし、検査機器も新しく導入しました。クリニック内は、植物の緑をたくさん置きたいという気持ちはあったのですが、患者さんが座るスペースが減ってしまうので、壁にかけられてインテリアにもなる観葉植物にしています。待合室も本棚や鉢植えを置かないようにして、できるだけ椅子が置けるスペースを確保し、待ち時間にもくつろげる様に考えています。

どういった設備がこちらにはあるのでしょうか?

CTスキャンは以前から導入してあったのですが、今回の継承の際に、最新型の機種に更新しました。エコーや肺機能検査機器、四肢の血圧を測って血管年齢を測定する脈波測定装置もあります。糖尿病の血糖コントロールの様子がすぐに測定できる血液検査機器や、院内でさまざまな項目を検査できる緊急血液検査の機械もあり診断に役立っています。また、めまいを診断する重心動揺計もあります。これは立っているときの、体の重心のずれを測定して数値化し、めまいの原因が脳からくるのか、または耳なのか、それ以外なのかを判断する機器です。大きな医療施設で行う検査は一通りここでできるようにしています。すべてを大きな医療施設に任せるのではなく、専門の医療施設を紹介しなければならない疾患と、クリニックで治療ができる疾患を、検査機器を使うことにより、早く正確に振り分けることができるように検査機器を導入しました。

先生はなぜ脳神経外科を専門とされたのですか?

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック2

もともと脳疾患に興味があったからです。1998年に熊本大学医学部を卒業してから、同大学附属病院の医局に入り、脳神経外科や救急集中治療に携わりながら、他の施設にも勤務していました。その後、スタッフとして仕事をしてほしいとのお誘いをいただき、信州大学医学部附属病院に勤務するようになりました。信州大学医学部附属病院ではスタッフとして高度救命救急センターに在籍し、さまざまな疾患の患者さんを診察していましたので、どんな病気でも対応し診察できるようになりました。その時の経験は当クリニックでの診察にとても生かされています。特に高齢になるほど複数の病気にかかる方が多く、大学病院と街中の開業医というように、何ヵ所もの医療施設にかかっている方が多いのが現状です。診れる範囲を広げてある程度の疾患は当院で診療ができるようにと考えて診療を行っています。もちろん、重症の方、専門性の高い治療が必要と判断した方は高次の病院に紹介しています。信州大学医学部附属病院には籍を置いていて、月に1回〜2回、休診日に救命救急センターに手伝いに行き、若い人たちへの教育も行いながら、また自ら学ばさせて頂いています。

事前に必ず患者のカルテをチェックすることで、待ち時間の短縮と信頼につながる

どんな症状を訴える患者さんが多いですか?

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック3

高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の患者さんが多いです。また、頭痛専門医でもあるため、患者さんの3分の1はホームページを見て、頭痛の治療のために遠方から通ってくださっています。頭痛は肩こりからくる「緊張型の頭痛」と「偏頭痛」が多いのですが、中には脳腫瘍や脳卒中などの、緊急を要する場合もありますので油断できません。また体質で頭痛が起こることも多く、家系に関係することもあります。ストレスや、夜きちんと睡眠が取れていないと頭痛が起こりやすくなりますね。有病率では頭痛は非常に高いことが知られており、これはQOL(Quality Of Life)を下げる疾患と言われています。中には寝込んでしまう人もいて、多くの方が頭痛のたびに、鎮痛剤を飲むだけで何も原因を突き止めていません。今は偏頭痛治療薬というものがありますし、予防薬を飲めば頭痛がほとんど起きなくなる方もいらっしゃいます。患者さんに合わせて予防薬は処方していますので、頭痛に悩んでいたら、怖い病気が潜んでいないかを調べるためにも、一度受診されることをお勧めします。

他にはどういった疾患が多いですか?

脳梗塞などを発症した人が、土台となる生活習慣病の治療のためにいらしている方が多いですね。脳梗塞は再発しやすいので、治療を継続することで、再発率を半分くらいに下げることができます。またこの辺りは外科的な治療を行うクリニックがないので、「ケガをして手を切ったから縫ってほしい」とか「おできを取ってほしい」と言って外科的な治療を求めて来院される方もいらっしゃいます。

先生が患者さんと接するときに心がけていることはどんなことでしょうか?

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック4

特にかかりつけの患者さんに対しては、大きな病気になるのを見逃さないように気をつけています。短い時間の中で診断するのは難しいことではあるのですが、体重が減っていないか、定期的に行っている血液検査で何か変化が起こっていないかなど、些細なことも見逃さないように心がけています。あとはなるべく患者さんを待たせないように、事前に準備をするようにしています。朝の早い時間から、その日診察する患者さんのカルテをチェックして、前回提出している検査の結果を書き込んだりしておけば、診察後に次の人を呼ぶ間の時間をなるべく短くすることができます。通常は診察の合間にカルテに書き込むので、次の患者さんを呼ぶまでに5分くらい時間が必要になります。患者さんに聞かないとわからないことは、追加して書き込みますが、わかっていることはカルテに記載しておくことで、あとは診察の日付を書き込んで承認するだけで済み、間を置かずに次の患者さんを呼ぶことができます。また、すでに必要事項をカルテに書き込んでいますから、モニターばかりを見ているということもなく、しっかりと患者さんと目を合わせて話すことができるメリットもあります。さらに検査結果は、患者さんが後から見直しができるように、必ず紙に出力してお渡しすることで、お互い書きながら確認ができ、患者さんも後から見直すことができます。

医療をうまく利用して、医師と二人三脚で健康を作っていくことが大切

先生はなぜ医師になろうと思われたのですか?

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック5

特に身内に医療関係者がいたわけではなく、将来は地元に就職しようと考えていました。地元に残るための職業として何がいいかと考えたときに、医師になるのが一番よいのではないかと思ったのがきっかけです。医療についてもともと興味があったので、医学部に進学しようと思ったのも自分で決めました。

将来はどのようにクリニックの診療を行っていきますか?

現在、ドクターが僕1人だけなので、今後は共に診療をして頂ける先生に来て頂ければと考えています。診察室は2つありますし、検査などで1人が関わっていても、患者さんを待たせることなく診察を続けていくことができます。また外科的な処置を行う場合も、現在は予約なしで来院された患者さんは診察内に処置を行いますが、予約での処置は時間がかかってしまうので、午前の診療時間の最後や、午後の診療時間の始めといったような時間でしか処置が行えません。ドクターが2人いれば、診察時間内のどこにでも入れることが可能になり、患者さんを待たせることもなくなりますので。

お忙しいかと思いますが、先生はどんな趣味をお持ちなのですか?

映画を観るのは好きですね。最近はちょっと見に行く回数も減ってしまっているのですが、多いときは毎週映画館に通っていたこともあります。あとは体を動かすのも好きですね。中学校まではサッカーをしていましたし、クリニックを開業する前までは水泳をしに、スポーツクラブに通っていました。開業してからは忙しくなってしまったのと、近くに入会できるスポーツクラブがないこともあり、すっかり遠ざかってしまいましたね(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

上田泰明院長 みなみ野シティクリニック6

自分一人で健康になろうと頑張ってしまうと、どこかで無理が出て続かないものです。普段からかかりつけの先生とうまくつきあって、無理なく健康を維持されるのがよいと思います。例えば、肉の大好きな方に、コレステロールが高いから肉を食べるなと言うと、それだけでストレスになってしまいます。薬の量を少し調節して、日常生活を楽しめていけるように工夫するといったように、医療と二人三脚で健康を維持してほしいと思います。

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