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原 洋 院長の独自取材記事

栄町クリニック

(日野市/日野駅)

最終更新日:2024/05/15

原洋院長 栄町クリニック main

日野駅より徒歩5分の場所にある「栄町クリニック」。首や肩、腰などの痛みの治療をはじめとした、整形外科全般の診療を提供する地域に根差したクリニックだ。院長の原洋先生は、大学病院の医局勤務を経て、一人ひとりの患者にもっと時間をかけられる環境を求め、2023年同院の院長に就任。「体の悪いところを治すには、患者本来が持つ治す力が大切だ」をモットーに、けがや病気の状況に加え、なぜその治療が必要なのかを患者が理解できるよう、丁寧な説明を心がけている。「医師と患者が一緒になって治療を進めるために必要なのは信頼関係」と語る原院長に、クリニックとしての診療方針などについて、話を聞いた。

(取材日2024年4月22日)

患者と向き合う時間を求め、医局を離れ院長に

こちらの院長に就任した経緯について、教えていただけますか。

原洋院長 栄町クリニック1

当院はこの日野市で20年以上地元の皆さんに整形外科や内科などの治療をご提供してきたクリニックです。僕はもともと、神奈川県にある大学の医局に所属し、そこからの出向で神奈川県内のいろいろな病院で整形外科医として勤務してきました。大きな病院に勤務していると、1日にかなり多くの数の患者さんを診る必要があり、お一人お一人の診療時間を長く取ることができません。加えて、夜間の呼び出しや当直なども必要となってきます。もう少し自分のペースで、治療の必要性などを患者さんに時間をかけてしっかりと説明したいと思い、新たな職場を探したところ、ちょうどこちらのクリニックの院長のお話をいただき、お引き受けすることにしました。

クリニックとしての主な治療内容、患者さんの層などを教えてください。

僕が担当しているのは整形外科で、週に2回循環器内科と、脳神経内科を専門とする先生がいらっしゃる火曜日と土曜日は内科も診療しています。整形外科では子どもからご高齢の方まで、幅広い患者さんがいらっしゃいます。ご高齢の方で多いのは、ひざ、腰、あとはいわゆる四十肩などの痛みで通院いただいている方です。それから子どもや若い方たちは、転んだり学校の部活動で相手とぶつかったりといった理由で、外傷の治療でいらっしゃる患者さんが多いですね。基本的には当院で対応していますが、MRIやCTなどの大きな検査機器を使った検査や専門の治療が必要な場合は、必要に応じて他の医療機関を紹介することもあります。

リハビリテーションの部屋がとても広いんですね。

原洋院長 栄町クリニック2

そうですね。リハビリテーションのための部屋の大きさは、当院の特徴の一つかもしれません。特に珍しい物はありませんが、低周波治療器、マイクロ波治療器、超音波治療器、けん引装置、赤外線治療器、それからウォーターベッドなど、さまざまな種類の機器を取りそろえています。また、当院には柔道整復師も在籍しています。

けがや病気を治すのは、患者自身が本来持つ治す力

クリニックの診療方針や、治療する上で大切にしていることはありますか。

原洋院長 栄町クリニック3

僕の治療方針は、回復のためにどうしてそのような治療をしているのか、患者さんにきちんと時間を取って説明することです。例えばどこかを切ってしまった際に、縫い合わせるのか、縫わずに処置するのか、医師の考え方や患者さんの状況によって治療方針の判断は異なります。ただ、どのような治療をするにせよ、切り傷は傷口を開かないように合わせて動かさずにいれば、自然とくっついていくものです。指を切って、ばんそうこうを貼って回復につながったとしても、傷をくっつけたのはばんそうこうではありません。その人本来が持つ治す力が、傷をふさいでいるんです。治療をする理由をしっかりとお伝えすることで、患者さんにも治療への意識を持っていただき、それが回復を早めることにつながればいいなと考えています。

治療内容を理解することでどのような違いが出てくるのか、お考えをもう少しお伺いできますか。

例えばお伝えしたような切り傷の場合、消毒したり縫ったりといった処置は理由があるから行います。そうしないと傷口がうんだり開いてしまう可能性があるからです。そこを理解していただいた上で、日常生活で気をつけることを併せてお伝えすることが必要です。けがの状況や、治療の内容と理由を納得していれば、汚い手で触ったらいけないなとか、あまり患部を使わないようにしようとか、医師がついていない時でも患者さんご自身が治療にマイナスの行動を取らないように気をつけてくれるんです。

なるほど。医師が診ていない時の患者さんの行動が変わってくるんですね。

原洋院長 栄町クリニック4

そうですね。もちろん生活で気をつけることはお伝えするようにしていますが、患者さんの日常をすべて把握して、これは駄目、あれは大丈夫と細かく指示することはできません。そもそものけがの状況や治療理由を理解していないと、思わぬ行動を患者さんが取ってしまうこともあるんです。例えば勤務医時代に、腰を少し傷めて他のクリニックで「安静にするように」と言われ、2週間ずっと寝たきりで過ごしたという患者さんがいらっしゃいました。まだ若い方でしたが、普段鍛えている方でも2週間寝たままで過ごしたら、筋肉が落ちて体が固まってしまいます。本当に絶対安静が必要な場合もありますが、その方はそこまでの必要がないのに、ずっと横になった姿勢で過ごしたばかりに余計に腰が痛くなってしまったのです。自分の症状がどの程度なのか、何が良くないから「安静に」と言われているのかを理解していないがゆえに起きてしまったケースだと思います。

医師と患者の信頼関係を大切に、二人三脚で治療を

先生のお人柄についてもお伺いさせてください。休日はどのように過ごしていらっしゃいますか。

原洋院長 栄町クリニック5

特別な趣味はないのですが、月に1、2回、大学時代の同級生とゴルフに行くのが楽しみですね。関東近郊で開業している医師や、僕と同じように院長として働く友人を交えてコースを回っています。気の合うゴルフ仲間といった感じです。その他に、年に1回くらい全国の同期が集まる会もあり、学生時代のお付き合いは今でも大切にしています。それから、柴犬を飼っているので、休日は犬と遊ぶことも多いですね。いわゆる「ツンデレ」な性格で、遊ぼうと思って近づくと離れてしまったり、知らん顔して読書をしているといつの間にかひざに乗ってきて寝ていたり。飼うのは大変ですが、かわいいですね。

どのような点に、整形外科医としてのやりがいを感じますか。

やはり、患者さんの元気な笑顔を見られた時にはやりがいを感じますね。診療科を選択する時も、携わった患者さんが亡くなってしまうような重い病気を日常的に取り扱うのはなんとなく嫌だなと思い、整形外科を選びました。自分が診療して、患者さんが良くなることに少しでもお手伝いができたかなと感じられた瞬間にもやりがいを見出せますね。ただし、お伝えしたように、回復のために重要なのは患者さん自身の力です。医師はその力を発揮できるようにお手伝いするだけ。僕はよく、「病院やクリニックは自動車の修理工場じゃない」と例えて考えるのですが、医療の場合、悪いところを医師に預けて「任せるから治しておいて」というわけにはいきません。患者さんと一緒になって治療に向き合うという意識を、患者さんも医師も双方が持つことが大切ですね。

最後に、地域の方、患者さんへのメッセージをお願いいたします。

原洋院長 栄町クリニック6

どこか動きづらかったり痛かったりする場所がある時はもちろん、ちょっとお話ししたいなという時でも構いませんので、何かありましたら気軽に来ていただきたいですね。患者さんと医師が一緒になって治療を進めていくために最も大切なのは、信頼関係です。誰でも、信頼できない医師から治療を受けるのは心配ですよね。患者さんが安心して治療に向き合う努力をできるよう、コミュニケーションを取り、信頼いただけるクリニックでありたいと思っています。

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