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吉岡 浩之 院長の独自取材記事

吉岡整形外科医院

(墨田区/京成曳舟駅)

最終更新日:2024/05/01

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院 main

長い大学病院勤務の後、2022年に「吉岡整形外科医院」を引き継ぎ、地域医療を地元から支える側に転身した吉岡浩之院長。以来、大学病院時代のキャリアを生かして、一般整形疾患から小児整形外科、女性特有の整形外科などさまざまな症状に対応している。通院している患者層も子どもから年配者まで幅広く、ファミリー層も多く通う地域密着型のクリニックだ。勤務時に感じていた矛盾を自ら変えていこうと、かかりつけ医としてできることはなんでもやってきたと吉岡院長は言う。紹介先の病院の医師の負担をできるだけ軽くするため、最初にきちんと診断をつけることをモットーに日々の診療に取り組んでいるそうだ。地域医療は大学病院、総合病院、地域の開業医の連携が大切と語る吉岡院長に、同院の診療内容や地域医療に対する考えを聞いた。

(取材日2024年4月2日)

かかりつけ医として地域に住む人たちの健康をサポート

2022年に院長に就任されたそうですね。

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院1

長く大学病院の整形外科や総合病院の外来で診察を行ってきましたが、2022年に父から院長を引き継ぎ現在に至ります。当院は1973年に開業した整形外科医院で、ずっと地域の皆さんの診療にあたってきました。代替わりはしましたが、これからも地元に根差した地域密着型のクリニックとして、皆さんの健康をサポートさせていただきたいと思っています。

先生のこれまでのキャリアを教えてください。

埼玉医科大学を卒業後、同大学病院の整形外科に入局しました。その後、埼玉県や東京都の総合病院で経験を積んでから、再び埼玉医科大学病院に戻り、臨床の最前でたくさんの患者さんと向き合ってきました。そのキャリアを生かして、お子さんから年配の方まで幅広い年齢層の患者さんやいろいろな疾患を診ています。もちろん、関節疾患や腰痛がメインになり、それは高齢の方がほとんどなのですが、スポーツ外傷はお子さんが、リウマチや骨粗しょう症、外反母趾などは女性の患者さんが多いですね。整形外科といった大きなくくりではありますが、疾患の種類は多岐にわたりますので、地域のかかりつけ医として患者さん一人ひとりの痛みやお悩みの原因を探り、治療ができるように体制を整えています。

予約制にしていないのには、理由があるそうですね。

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院2

大学病院のように専門性を問う医療機関は予約制にしたほうが良いとは思いますが、「必要だと思った時に必要な人をその場で診たい」というのが一番の理由です。基本的に地域のクリニックは、気になった時に誰でもすぐに相談しに来られるような場でありたいと考えています。痛みがある場合はもちろん、疑問や不安があるのなら、たとえちょっとしたことであっても気軽に診察に来てほしい。SNSで調べて間違った情報を見て不安になったり、「こんなこと聞いて怒られるのでは?」と思ったりせず、医師の診察、適切なアドバイスを受けてもらいたいです。最初に行った医療機関で「大丈夫ですよ」と言ってもらえたら、患者さんは安心されると思います。診療時間の中であれば、対応できるようにしています。

診断をきちんと下し、病診連携を図ることの大切さ

治療で大切にしていることは何ですか?

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院3

痛みの原因を追求し、どうしてそうなったのかを徹底的に考えるようにしています。メンタル的な要素の場合もありますが、何か原因があるからこそ症状が出るわけなので、しょうがないではなく、きちんとお話しして納得していただくようにしています。そして、その人ごとにベストな治療法が選択できるように努めています。問題のある箇所が複数あったりすると一気に治療するのは難しいので、その順番やタイミングなども一人ひとりで違います。患者さんに合わせて、クローズアップすべきはどこなのか、どこから治療をスタートしていくべきか十分に考えます。あとはやはり、将来的な見通しまで立てることですね。例えば、今は問題ないけれど、骨粗しょう症が進んでしまったら、5年後に関節が変形するかもしれない。そうした予測をもとに、「定期的に通院して様子を見ながら治療を開始しましょう」と、あらかじめお伝えするようにしています。

先生の治療方針を教えてください。

患者さんにはっきりとした診断をつけて、その道筋をきちんと立ててあげるのが私の役割だと思っています。整形外科疾患は、すぐに手術を行わなければいけないような急を要するものは少ないので、その人の生活環境を考えて、治療計画を組み立てます。まずはリハビリテーションから行い、いろいろ試して改善されなかった場合の最終手段として、手術を検討します。残念ながら当院では手術ができないので、提携病院を紹介することになります。ですが、その場合も普段から地域の病院と情報をやりとりしているので、この症例なら○○病院の○○先生に、今○○病院は手術が詰まっていて時間がかかりそうだから違う病院に、といったように臨機応変に対応できます。提携先の病院の先生とは普段から密にコミュニケーションを取り、かかりつけ医としてできることを全力で行っています。

こちらのクリニックには専門の義肢装具師がいらっしゃるそうですね。

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院4

当院の特徴の一つに足底板を使用した装具療法があります。足底板とは中敷きのようなもので、専門の義肢装具師が患者さんの足に合わせてオーダーメイドで作っています。足に痛みがある、足の指が変形しているといった症状がある場合、これを靴の中に入れていただきます。外反母趾の手術は骨を切るので5週間くらい体重をかけるのが難しくなるのですが、そうなるとなかなか手術には踏み切れません。その場合、足底板を使うことで足にかかる負担の緩和を図ります。症状によっては手術を回避することも期待できるかもしれません。足底板は、ほとんどが保険内で作製できるので、足の痛みでお困りの方にはお勧めしています。

かかりつけ医の使命を果たし、質の高い医療を追求

地域のかかりつけ医として、日々の診療で心がけていることは何ですか?

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院5

私は大学病院での勤務が長かったのですが、大学病院の外来は待ち時間が非常に長く、診療する側も常に余裕がない状態でした。一番の要因は大学病院以外でも対応可能な一般疾患の患者さんがとても多かったことです。外来に長く時間がかかると手術が組めず、受け入れが困難になってしまいます。するとそのしわ寄せは、患者さんに向かうことになります。忙しい大学病院の先生たちは技術を磨いたり、後進を育てたりする時間がなくなり悪循環に陥ります。そのような事態を回避するためにも、まずは開業医側の意識改革が必要だと感じました。今は逆の立場なので、きちんとここで診断を下し、必要があれば手術をお願いすること、日頃から病診でコミュニケーションを図り、適した場所、適した先生に患者さんをお任せすること、クリニックに戻ってきてからのフォローをしっかり行うことを心がけています。病診のスムーズな連携は、患者さんにとっても良いことなのです。

今後の展望について伺います。

将来的にはスポーツ外傷にも力を入れていきたいと思っているので、いずれは専門のスタッフを呼んで私自身もスキルアップをしていきたいと思っています。スポーツの種類によって使う筋肉や腱が違うので、痛みの原因も異なりますし、トレーニング方法も変わってきます。子どものスポーツ外傷も多く、成長に伴った指導が大切になってきます。あとは、高齢者のリハビリメニューをさらに充実させ、質の高い運動療法の指導を行っていけたらと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉岡浩之院長 吉岡整形外科医院6

診察に来ることを怖がらずに、些細なことでも疑問に思ったら受診してもらいたいと思っています。「こんなことで受診してもいいのかな」という心配は無用です。もし患者さんがインターネットで調べて、不確かな情報を目にして悩むようなことがあれば、それは医師としてとても歯がゆいこと。ですので、診察で直接尋ねてほしいです。取り越し苦労ならそれはそれで良いですし、その場で問題ないよとお伝えできたら安心されますよね。治療が必要なら適切な方法を考え、ベストな選択ができるようにお手伝いいたします。遠慮せず、思い立った時に受診してください。

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