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市原 和明 院長の独自取材記事

市原外科内科

(練馬区/平和台駅)

最終更新日:2022/07/12

市原和明院長 市原外科内科 main

平和台駅北口から徒歩7分、住宅街の一角に構え、重厚な青い看板が目を引く「市原外科内科」を訪ねた。街のかかりつけ医として開業して38年。現在は2代目院長の市原和明先生が父で前院長の市原荘六先生らとともに診療にあたり、主に高齢患者を中心に地域住民の健康を支えている。市原院長は脳神経内科と高齢医学を専門に大学病院や研究機関で研鑽を積み、現在も週に1度、日本大学医学部附属板橋病院で脳神経内科の診療を担当。患者の話をじっくり聞いて疑問点や不安を解消し、患者が前向きに治療に取り組めるよう努めている。父が掲げたモットーである「頭のてっぺんからつま先まで診る」を受け継ぎ、日々真摯に患者と向き合う市原院長に、クリニックの特徴や専門である脳神経内科について、めざすクリニック像など幅広く話を聞いた。

(取材日2022年6月20日)

4人のドクターが専門性を生かし、幅広い疾患に対応

開業から40年の節目を前に、前院長と交代されたのですね。

市原和明院長 市原外科内科1

当院は1984年に私の父である前院長が開業し、地域に根差したかかりつけクリニックとして歩みを続けてきました。父はすこぶる健康で、90歳になった現在も午後を中心に現役で診療にあたっています。しかしやはり高齢のため、院長業務は負担が大きすぎると判断し、2020年10月に私が院長に就任しました。診療体制は院長交代以前と同様、私と父を含めたドクター4人で行っていますので、患者さんにとっては何も変わりません。例えるなら、クリニックの歩みを父の代から私の代へとつないでいくための「のりしろ」のような時期といったところでしょうか。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院は風邪や胃腸炎、生活習慣病といった身近な病気を診るかかりつけ医の役割に加え、在籍する4人の医師がそれぞれの専門性を生かして幅広い疾患に対応できるというところが大きな特徴です。診療にあたっているのは脳神経内科と高齢医学を専門に手がけてきた私と、消化器外科が専門の父、そして循環器内科を専門とする私の姉です。また毎週金曜の午前中には、父の後輩である消化器外科の先生が胃と大腸の内視鏡検査を中心に担当しています。超高齢社会となった今、この練馬地域も高齢化率がかなり高く、当院も患者さんの多くは50~80代の方。専門的な診療が必要になるたびに大きな病院を紹介していたら、高齢の患者さんの体に通院だけでも大きな負担をかけることになってしまいますから、ここ1ヵ所である程度の範囲の疾患に専門的な見地から診療できる体制を整えています。

日々の診療で先生が心がけていることは?

市原和明院長 市原外科内科2

父が開業当初から掲げている「頭のてっぺんから足のつま先まで診る」というモットーを受け継ぎ、街のかかりつけ医として、患者さんが何でも気軽に相談できるクリニックでなくてはならないと常々意識しています。医師が一方的に診察して薬を出して終わりというのでなく、患者さんが抱く疑問や不安をある程度解消して「受診して良かった」と思っていただけるところまで、じっくりお話をさせていただきます。また高齢になると病気もかなり多くなり、ご本人だけでなく見守るご家族も不安を抱えていらっしゃいます。例えばお薬にしても、多い方だとあちこちの病院から15種類も処方されているなど、管理しきれていない状態も多く見受けられます。そういった場合に全身の状態をトータルで診て、必要なもの、不要なものを整理して差し上げることも、かかりつけ医の大切な役割だと思っています。

高齢者とその家族の不安に寄り添う診療を

先生の専門である脳神経内科について、詳しくお聞かせいただけますか?

市原和明院長 市原外科内科3

脳神経内科は、手足に力が入らない、あるいは手足のしびれ、震え、物忘れなど、認知、感覚、運動に関する異常を専門としています。代表的な疾患としては認知症、パーキンソン病、脳梗塞、そのほか神経系の難病などが挙げられます。脳神経内科の病気は完治させるというのはなかなか難しく、基本的には生涯付き合っていく病気ですから、担当医である私も一生診させていただくことを意識して診療にあたっています。とはいえ、医療の進歩は目覚ましく進んでいますから、治療の過程で新薬の話題が出てくることもしばしば。新しい薬で今の状態から改善が見込めるかもしれないという期待感は、治療を続ける上で大きなモチベーションになります。ですから、患者さんやご家族と新しい情報を共有し、少しでも患者さんが快適に過ごせるようにサポートしています。

高齢の患者さんが多いとのことですが、認知症の兆候に気づくこともあるのでは?

そうですね。私は以前、東京都医学総合研究所に在籍していて、主に認知症やパーキンソン病といった高齢医学の研究に携わっていました。ですから、当時学んだ知識、あるいは立ち振る舞いなどから患者さんの認知症の兆候に気づくことも多いですね。ですが、研究をしていた当時は知り得なかった発見もあります。夫婦ともに高齢で老老介護にならざるを得ないといった家庭の事情など、高齢の患者さんを取り巻く療養環境の厳しさを痛感しています。かかりつけ医として、そういったご家族の大変さ、不安感に少しでも寄り添った診療を行っていきたいと思っています。

かかりつけ医で認知症にも専門性を持って目配りしていただけるのは心強いですね。

市原和明院長 市原外科内科4

物忘れも、以前は年のせいにして受診せず発見が遅れるケースがとても多かったのですが、メディアなどで啓発活動が進んだことで、最近は認知症を疑って積極的に受診される方が増えてきました。練馬区は脳神経内科を手がけるクリニックが少ないので、手足のしびれや震えについてかかりつけ医に相談しても、原因がわからず放置してしまうケースが多いようです。たしかに、加齢とともに、手足のしびれや震えが見られることもありますが、それらすべてを年齢のせいにして放置してしまうのはとても危険なこと。実際に、それが脳梗塞の兆候や神経難病だったというケースもありますからね。だからこそ、気軽に受診し相談できるかかりつけ医の存在が大事だと思っています。

地域の患者にとってより身近なクリニックでありたい

クリニックで今後力を入れていきたいことはありますか?

市原和明院長 市原外科内科5

やはり予防ですね。かかりつけの患者さんには年に1度必ず健康診断を受けていただくようにお願いしています。病気をなるべく早期に見つけて治療につなげていくことが、私たちかかりつけ医の使命だと思っています。定期的な検査が習慣づいている方ならいいですが、仕事が忙しく健康診断を何年も受けずにいる方もいらっしゃるので、そういった方にも検査の受診を促していくことが今後の大きな課題です。当院では一般的な健康診断に加え、胃・大腸内視鏡検査や肺がん検診のほか、循環器を専門とする医師による心臓・頸動脈のエコー検査も行っています。万が一異常が見つかった場合でも、当院で診断をつけるところまで対応できますので、忙しくてなかなか受診する暇がないという方もぜひ一度ご検討ください。

地域の中でどのような存在のクリニックでありたいと考えていらっしゃいますか?

かかりつけ医である以上、オールラウンドに患者さんのお役に立てることが大事だと思っています。診断を経て、手術や入院治療が必要と判断した場合には、順天堂大学医学部附属練馬病院や練馬光が丘病院、日本大学医学部附属板橋病院などへスムーズにご紹介できますし、当院がカバーできない領域のご相談であれば、地域の開業医の先生をご紹介することも可能です。不調があってつらいとき、「まずここに相談してみれば何とかなる」と思っていただけるよう、患者さんにとって身近な存在のクリニックをめざしていきたいですね。

最後になりますが、読者に向けて一言メッセージをお願いします。

市原和明院長 市原外科内科6

父がここで開業した当初、私はまだ小学校低学年くらいの幼い子どもでした。今通院してくださっている患者さんの中には、当時からよく知っている方も多く、「先生も昔はあんなに小さかったのにね~」なんて、思い出話をされることもしばしばです。長く当院を頼りにしてくださっている患者さんのためにも、1回1回の診療を大切にし、患者さんとじっくり向き合っていきたいと思っています。当院の診療はワンフロアで行っており、ご高齢の患者さんが転倒しにくいよう、できるだけ段差の少ない構造になっています。どうぞお気軽にご相談にいらしてください。

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