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寺本 研一 院長の独自取材記事

てらもとクリニック

(練馬区/武蔵関駅)

最終更新日:2023/06/07

寺本研一院長 てらもとクリニック main

武蔵関駅から徒歩10分、閑静な住宅街の一画に「てらもとクリニック」はある。長年東京医科歯科大学の消化器外科で研鑽した寺本研一院長が2007年に開業した消化器科・内科・外科を掲げるクリニックだ。ゆったりとした待合室には自然光が降り注ぎ、明るい雰囲気。診療スペースは中心に処置室があり、その周りを診察室や検査室が取り囲むというレイアウトとなっている。「無駄な導線を省き、真ん中にいる看護師が全体を見渡せるようにしたかったんです」と話す寺本院長に、これまでの道のりや、地域に根差したクリニックの診療、取り組みについてじっくりと話を聞いた。

(取材日2017年5月8日)

幅広く、かつ高い専門性で、地域に役立つクリニックに

クリニックの特色から教えてください。

寺本研一院長 てらもとクリニック1

消化器科・内科・外科を標榜し、地域のかかりつけ医として、幅広いニーズに対応しながら、専門性の高い医療を地域に提供しています。私自身、消化器外科を専門にしてきましたので、開業後も胃、腸、肝臓、膵臓については精度の高い診断が可能で、そのほか足の静脈瘤や鼠径(そけい)ヘルニアの日帰り手術にも対応しています。遠くの大学病院まで行かなくてもそれと同等レベルの診療が行えるのが当院の特色ですね。私を含め2人の消化器診療の経験が豊富なドクターが常勤し、さらには非常勤医による血管や心臓、乳腺の専門外来もそれぞれ実施しています。日曜も診療しているので、何か困ったとき、「あそこならいつも開いている」という安心感を感じていただきたいと、このような診療体制を敷いています。

在宅医療や、認知症の相談にも取り組まれていると伺いました。

お年を召して病院に通うのが大変な方や、退院してからの計画が必要な方を対象に在宅医療を提供しています。病院ではなく自宅で最後を迎えたいと考えている方は実際多く、その希望をかなえるお手伝いをさせていただくことが、在宅医療の意義だと考えているんです。ご家族にとっても家で看取るということは大きな意味を持ちます。何より、人間として尊厳のある死を遂げること、それが在宅医療一番の目標なのだと思っているので、今後も力を入れて取り組んでいこうと考えています。認知症の相談については、ここ練馬区は高齢者が多く、在宅医療とともにニーズがあったため、4〜5年前より区と連携しながら、地域の認知症の方や、もの忘れに悩んでいる方のサポートを行っています。認知症相談は3ヵ月に一度、講演会は年に2〜3回、区の施設で行っています。

まさに地域のためのクリニックですね。

そうですね。当院のような町のクリニックは、今後さらに高齢者の方々にとって手助けとなる存在だと思っているんです。ここには地域の方々がおみえになって、いろいろな情報が集まる場所。もし、独居の高齢の方や認知症を患う方などが放っておかれている現状がわかった場合、医師として行政に働きかけることもできるのです。開業してわかったことは、思った以上に孤独を感じている患者さんが多いということでした。皆さんいろいろな問題を抱えていらっしゃる。大学病院では知り得なかった、地域の「現実の姿」を目の当たりにした思いです。介護問題や人間関係など、極めて家庭内の出来事でも、外からヘルプが入ればうまく解決することもあるでしょう。そういった一見部外者が入りにくい問題に、一歩入って行くのもかかりつけ医の役割だと考えています。

患者と接する際に心がけていることは?

寺本研一院長 てらもとクリニック2

町のクリニックに来られる方々の目的は、薬を希望されている方、薬はいらないという方、ただ話を聞いてもらえればいいという方、さまざまです。それぞれの患者さんが何を必要として来られているのか、そこを正確に把握することが大切だと思っています。また、治療終了後にその患者さんとお会いすることはほとんどなくなる大学病院と違って、クリニックでは多くの場合、患者さんと長いお付き合いになります。良い関係を築くためにも、何でも言っていただける話しやすい雰囲気づくりを心がけています。

地域医療に身を置き、初めて知った「人」を診る醍醐味

先生が外科を専門とされた理由は何だったのでしょう。

寺本研一院長 てらもとクリニック3

学生の頃、手術をするというテクニカルな面に惹かれて外科に興味を持ちました。それが外科に進んだ理由です。そして、東京医科歯科大学を卒業後、同大学の第一外科へ入局します。第一外科は大きな科で、扱う病気の範囲も広いんです。内科ですと、心臓なら心臓、腎臓なら腎臓と専門がピンポイントになっていきますが、心臓の悪い人も、腎臓の悪い人も、糖尿病がある人も、胃がんになったら皆さん外科で手術を受けるわけです。いろんな病気を持った人の手術を行うことで、それぞれの病気について学ぶことができました。若い頃は毎日、一日中手術ばかりしていて、精神的にも体力的にも楽な生活ではありませんでしたが、当時はそれを大変だとは思いませんでしたね。多くの経験が積めて、技術のベースを築けたと思います。

大学病院ではどのような経験を積まれましたか?

東京医科歯科大学で27年間勤務し、さまざまな経験ができました。手術に明け暮れた時期もありましたし、アメリカの大学に留学して研究に没頭した時期もあります。期間は3年間に及び、おかげで見聞が広がりましたね。その他に、関連病院で外科部長を務めた時期もあります。大学では学生の教育も行いました。それぞれの経験がすべて、今に生かされていると感じます。講師は今でも続けていて、実習の学生を受け入れています。彼らを見ていると、刺激になります。われわれが見過ごしていることにも感動するので初心を思い出せるんですよね。ライフワークとして今後も続けていきたいと思っています。

開業に至った経緯、この地を選んだ理由を教えてください。

寺本研一院長 てらもとクリニック4

さまざまな仕事を経験できて、ふと気がつくと、やり残していることは開業医だけになっていたんです。まだやっていないことに挑戦しようと開業を決意しました。この地を選んだのは、この辺りになじみがあったから。そもそも出身が練馬区寄りの板橋区だったので、開業するなら土地勘もあり西武線沿線が希望でした。実際に開業してみて、開業医は自分に向いていると感じています。この地域にわずかでも貢献していると感じることができるのもこれまでにない経験でした。大病院にいる頃は、患者さんとの接点は病気だけ。しかし開業した今は、病気だけでなく、その患者さんの生活全体に関わることができます。そうして「ありがとう」と言われると、やはりうれしいものです。「病気ではなく人を診る」ことを体現できていると感じています。

かかりつけ医として患者としっかりと向き合いたい

がん治療の豊富な知見を生かし、予防にも力を入れておられますね。

寺本研一院長 てらもとクリニック5

まだまだ知らない方も多いようですが、実はがんになってしまうのは偶然ではなく、理由があるということが次第にわかってきています。どんながんになりやすいのかは人によって違うので、まずはご自分のリスクを知ることが重要でしょう。それを知って、危険性の高い因子に対して集中的に対策を講じるということが健康の秘訣だと考えます。自分にどのようなリスクがあるかは、疫学的なデータなどで推測が可能です。詳しくは2013年にがんリスクやそのチェック方法に関する本を上梓しましたので、興味があればお読みください。

リフレッシュ法を教えてください。

時々ゴルフをするのですが、実は数年前からランニングも始めました。中学から大学まで軟式テニスをやっていて、医師になってからもしばらくは硬式をやっていたんですが、もう20年くらい本格的なスポーツはしておらず、かなりブランクが開いていたんです。そんな中、ふと思い立って家の近所を走ってみたら全然体が動かない……。これはいけないと思い週に2、3回走るようにしたんですよ。走り始めて間もない頃はちょっと走っただけですぐにへたってしまい、衰えを実感する日々でしたが(笑)、これからも継続していきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

寺本研一院長 てらもとクリニック6

近隣にお住まいの方で何か体のことでお困りのことがあれば、どうぞお気軽にお越しください。受診するときは遠慮せず気軽に話してほしいですね。言いたいことを言えずに遠慮してしまう患者さんも多いように感じます。かかりつけ医として、患者さんの症状だけでなくその思いや生活背景などもしっかりと向き合いたいので、受診の際はぜひストレートに現状やお気持ちをぶつけてほしいと思います。当院はスタッフ全員一丸となって、質の高い医療の提供をめざしています。

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