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目の状態を経時的に把握し
緑内障の進行抑制につなげる

武蔵野眼科

(武蔵野市/三鷹駅)

最終更新日:2023/02/06

武蔵野眼科 目の状態を経時的に把握し 緑内障の進行抑制につなげる 武蔵野眼科 目の状態を経時的に把握し 緑内障の進行抑制につなげる
  • 保険診療

視神経が減少することで、徐々に視野が欠けていく緑内障。視野の欠けは周りから生じることが多く、気づかないまま症状が進行している患者もいるという。「武蔵野眼科」の安藤良将院長によると、誰でも視神経は減少しているという。1回の検査だけでは視野異常を判断するのは難しく、複数回の視野検査を施行することで検査の信頼性、整合性が得られ、複数回の視野検査でどのくらいの経過で視野障害が進行しているかの把握ができるという。視野検査だけでなく、OCT(光干渉断層計)で網膜神経線維層を測定し構造変化を捉えることやOCTA(光干渉断層血管撮影)で緑内障における網膜の血流の変化を捉えることも大切だ。「ご自身の目の状態を知るために、ぜひ検査を受けてほしい」と話す安藤院長に、緑内障の症状や検査方法について話を聞いた。

(取材日2023年1月19日)

視野検査とOCT目の状態を経時的に把握。眼圧の目標値を適切に設定し、緑内障の進行の抑制を図る

Q緑内障とはどのような病気ですか?
A
武蔵野眼科 検査を行うとともに、診察では患者の眼の状態について丁寧に把握

▲検査を行うとともに、診察では患者の眼の状態について丁寧に把握

緑内障とは、視神経が減っていくことにより視野が欠けていく病気です。多くの場合、周りから徐々に視野が欠けていき、それが中心部分まで及ぶと視力障害を自覚します。中には視野の欠けに気づかない方もいらっしゃいます。視野の下部分の欠けは手元を見る際などに気づきやすいのですが、上部分が欠けても日常生活では気づきにくいのです。「信号が見えにくい」「スポーツ時にボールが見えにくい」と感じて、検査をしたら緑内障だったというケースもあります。自分の見え方がおかしいかもと、違和感を感じたら早めに検査することが重要です。

Q緑内障のリスク因子について教えてください。
A
武蔵野眼科 今後、リスク因子が明らかになることを期待する

▲今後、リスク因子が明らかになることを期待する

遺伝や血流も関係あるといわれていますが、それ以外はまだはっきりとはわかっていません。いずれデジタルヘルスの活用でビッグデータが集まれば、睡眠時間や日々の行動との相関性が明らかになってくるかもしれませんね。一生を終えるまでの間、実は誰でも視神経は減少しているのです。ですが、例えば140万本近くある神経線維が年間4000~5000本減っても、多くの方は生涯において視野の欠けを自覚することはありません。しかし視神経の減少スピードが速いと視野に影響が出て、「緑内障」と診断されます。年齢を重ねるほどに視神経は減りますから、人生100年時代に突入した現代、緑内障を発症する方が今後増えてくることでしょう。

Qこちらではどのような検査を行っているのでしょうか?
A
武蔵野眼科 検査設備も充実し、十分な検査スペースを確保している

▲検査設備も充実し、十分な検査スペースを確保している

ハンフリー視野計による視野検査とOCT検査を行っています。当院で導入しているスウェプトソースOCTは、従来のOCTに比べ、より深くまで網膜の断層を撮影できる検査機器。前回との映像比較だけではなく、網膜の厚みを経時的にグラフで確認できるのが特徴です。数年単位で見た時の軽微な変化も、数値化により確認できます。OCTで測定された網膜の厚みから視野の予測が可能です。視野検査において「見えない」と記録された箇所が、本当に見えないのか何らかの操作ミスがあったのか、整合性が取れますね。当院ではスウェプトソースOCTを、緑内障の治療のほか、糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・黄斑変性症などの治療にも活用しています。

Q治療法について教えてください。
A
武蔵野眼科 定期的に眼圧のチェックを行うことが大切

▲定期的に眼圧のチェックを行うことが大切

神経線維の減少を抑制し、視野障害の進行を遅らせるということです。今のところ、眼圧下降が唯一の方法になります。眼圧の正常値は10~20mmHgとされていますが、範囲内であっても進行している場合も。眼圧は、日ごとや季節での変動が起こり、診察時に眼圧が低くても、寝ているときなど日常時での眼圧が高い場合もあります。そのため、診療をする上で視野検査やOCTでの機能や構造の変化の把握は必須です。治療の根底には、患者の視覚の質とそこに伴う生活の質を維持すること。点眼による不快感や長時間による検査の苦痛などが生活の質を下げる原因であれば、負担にならないような検査や診察、治療を心がけていきたいと思います。

Q緑内障の早期発見のために取り組んでいることはありますか?
A
武蔵野眼科 定期的な視野検査や眼底検査、OCT検査が、早期発見のポイント

▲定期的な視野検査や眼底検査、OCT検査が、早期発見のポイント

視野検査に伴う患者さんの負担や苦痛を減らせるよう、できる限り短時間で検査を行っております。OCTを用いることで、視野との整合性をとり、緑内障かを診断しています。緑内障の前段階である前視野緑内障とよばれる段階では、眼底検査やOCTにおいて緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めません。視野検査で現時点では異常がなくても、今後視野異常をきたす場合もありますので、緑内障が疑われた場合は、定期的に視野検査を行うことが必要です。

ドクターからのメッセージ

安藤 良将院長

自分の目の見え方は自分にしかわかりませんし、自分の見えている世界しかわかりません。視野検査をすることで、自分の見えていた世界は実は緑内障によって狭まっていたことに気がつくことがあるかもしれません。人にぶつかりやすかったり、つまづきやすいというのが、不注意ではなく視野が原因だという可能性もあります。緑内障というとご高齢の方に多いイメージがあるかもしれませんが、40歳の20人に1人が緑内障を発症しているとされています。ご自身の目の状態を知るためにも、ぜひ検査にいらしてください。視野検査を受けることで新たな「気づき」があり、考え方の視野が広がるかもしれません。

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