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浅野 祐介 院長の独自取材記事

あさの皮フ科

(中央区/八丁堀駅)

最終更新日:2024/01/24

浅野祐介院長 あさの皮フ科 main

JR京葉線・東京メトロ日比谷線の八丁堀駅から徒歩5分の場所に、1996年から診療を続けている「あさの皮フ科」がある。先代である母が開業したクリニックを2022年に引き継いだのが、2代目院長の浅野祐介先生。現在は顧問として診察を続ける母と2人体制で診療にあたっている。オフィス街の印象が強い八丁堀だが、近年はマンションが多く建設され、ファミリー層が増えてきた地域。赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢の患者が訪れるため、かゆみ、かぶれなどの一般皮膚科からアレルギー、アトピー性皮膚炎まで広く対応している。親子2代の専門性を生かして、患者に寄り添うこまやかな診療がモットーだという。「こじらせる前に受診いただくことが大切です」と話す浅野院長に、これまでの道のりや、同院の診療方針について話を聞いた。

(取材日2023年12月12日)

変わりゆく街並みの中、受け継がれる親身な診療

こちらは浅野院長のお母さまが開業したクリニックだとお聞きしました。

浅野祐介院長 あさの皮フ科1

はい。1996年に母が開業しました。僕は大学病院などで経験を積んだ後、2009年からこちらに勤務し、2022年に母から院長を引き継ぎました。母は現在もこちらで一緒に診療を行っています。クリニックのある八丁堀の辺りはもともとオフィスビルばかりでしたが、10年ほど前からマンションが多く立ち並ぶようになってきました。ですから、現在は近隣にお勤めの方に加えて、小さなお子さんのいるご家族の患者さんが増えましたね。あとは、オフィス街になるさらに昔から住まわれている高齢の方も結構いらっしゃいます。昔から長く続いているお店もあるし、新しいお店も増えていて、街自体がだんだんにぎやかになってきている印象です。

浅野院長が皮膚科医をめざされたのは、やはりお母さまの影響が大きいのでしょうか。

うちは父が外科医で、母が皮膚科医なので、当初はなんとなく内科になるかなと思っていたんですけど。大学に入って、ローテーションで各科を回った時に皮膚科が面白いなとあらためて思ったというのが、一つのきっかけでした。でも、やはり母の影響は大きいと思います。こちらで勤務するようになってから、母の患者さんへの対応をそばで見ることになりましたが、母が患者さんに話すと皆さん安心して帰られるように感じています。たぶん、患者さんの不安をきちんと受け止めて対処する力がすごいのだろうなと、見習うべきところが多いです。

実際に皮膚科医になって、やりがいを感じる瞬間はどのような時でしょうか。

浅野祐介院長 あさの皮フ科2

皮膚科というのは、治療の経過が目に見えるんですよね。検査の数値などを確認するまでもなく、見た目ではっきりとわかるという特徴があるので、そこが、とてもやりがいがあるところだと思います。小さいお子さんから高齢の患者さんまで、来てくださる皆さんの喜ぶ姿を見るために、さまざまな症状に対応し、親身な診療を心がけています。

塗り薬以外も視野に入れ、アレルギー疾患にも注力

アトピー性皮膚炎の治療では、塗り薬だけでなく全身療法を取り入れているそうですね。

浅野祐介院長 あさの皮フ科3

僕が皮膚科医になった頃には、重症のアトピー性皮膚炎の方でも、基本的には塗り薬での治療しかありませんでした。でも、最近は全身療法として、デュピルマブや内服薬で免疫の調整を図り、行きすぎてしまったアレルギー反応を抑えることをめざす治療があります。これにより、重症のアトピー性皮膚炎の方のコントロールが期待できるようなりました。ご自分で調べて「この治療を受けたい」と来院される方もいらっしゃいますし、症状を見て、こちらから提案することもできます。今は、ネットで情報が得られますから、患者さんのほうもある程度勉強して知識を持って来院される方が増えていますね。アトピー性皮膚炎は昔だと、お子さんに多い疾患というイメージだったと思うんです。でも最近は、大人で重症のアトピー性皮膚炎の方が大勢いらっしゃいます。ですから、かつては塗り薬に頼るしかなかったけれど、治療の選択肢が増えたのは喜ばしいことだと思います。

生活習慣のアドバイスなども重要になりますでしょうか。

そうですね。小さいお子さんの場合には特に、抗原と呼ばれるアレルギーの原因となる物質にいかに触れないように生活をできるかというのが重症度に大きく関わってききますので、初期の対応が大事です。アトピー性皮膚炎の場合、もともとそういう素因を持っている方が発症されるので、生活環境に気をつけるということは欠かすことができず、そういうお話しもするようにしています。

ほかのアレルギー疾患も増えていますか?

浅野祐介院長 あさの皮フ科4

急に増えたという印象はないんですけど、金属アレルギーの患者さんは昔から一定の数いて、本当にひどい方は全身に症状が広がってしまうこともあります。あと、女性の場合は化粧品によるかぶれも多いですね。何かが原因でかぶれているというのは症状を見てわかっても、原因が何かというのは、生活の中でさらされたものから患者さん自身に見つけてもらわないと、僕らにはわからないという難しさもあります。思ってもいなかったことが原因となっていることもあるので、何でも原因になるという頭で、朝起きてから夜寝るまでの間で触れた身の回りのものを振り返ってもらうことが大事だと思っています。ですから、その辺は割と強調してお話しするようにしています。

丁寧な説明で患者の不安を取り除き、改善をめざす

診療時に患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

浅野祐介院長 あさの皮フ科5

皮膚科医は患者さんに薬を塗ってもらわないと見込まれる治療の効果を得ることができません。例えば、クリニックを受診して診察を受けても、薬が怖いからと処方された塗り薬を一切つけなければ、症状の改善は見込めません。僕が大学病院に勤めていた時には、近くの開業医に行って薬を出されたけれど、不安に思って来院したという方も。その時は開業医の先生が出した薬は適切だったので、ただ「それをきちんと塗ってください」とお伝えしました。ステロイド成分が入っていると塗り続けることを「怖い」と思ってしまう方もいるので、そのような場合には「2週間だけ塗ってみましょう」などと期間を決めるなど、安心して使っていだだける工夫をしています。また、薬のつけ方の説明もとても重要で、不安を取り除けるような、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。

皮膚科を受診する際の注意点のようなものはありますか?

患者さんの傾向として、ごく軽い症状でも気にしてすぐに来院される方と、もっと早く来てくれたら良かったのにという方の両極という気がします。その方の性格もありますし、忙しくて受診できなかったということもあるのかもしれません。ちょうどいい時期に来ていただくのが一番ですが、なかなかそういう方は少ないのが現実です。でも、どんな症状でもこじれたら治りにくいので、こじらせる前に治療するほうがいいのは確か。ですから、気になることがあれば「これくらい」と思わずに早めに来ていただければと思います。また、かゆいとか痛いとか不快感があれば、受診のきっかけにもなりますが、例えば、皮膚がんのようにかゆみも痛みもない疾患もあるので、気になるものを放っておくことだけはやめていただきたいと思います。来院して検査して「気にしなくていいですよ」となったら、それだけで安心できるわけですからね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

浅野祐介院長 あさの皮フ科6

他の科に比べると皮膚科は敷居が高い診療科ではないと思いますが、中には医療機関にかかるということ自体に足踏みをしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。その最初のきっかけづくりになれるよう、気軽に通えるクリニックをめざしています。皮膚について気になることをなんでも受け止められるような医師でありたいとも思っています。どんな些細なことでも構いませんので、どうぞ気軽にご相談ください。

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