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山本 欣正 院長の独自取材記事

山本歯科医院

(杉並区/代田橋駅)

最終更新日:2023/11/21

山本欣正院長 山本歯科医院 main

杉並区方南1丁目の静かな住宅街にある「山本歯科医院」は、開業から77年以上たつ歴史ある歯科医院だ。祖父の代から続く同院の3代目を継いだ山本欣正(やまもと・よしまさ)院長は、デジタルエックス線や口腔内カメラなど充実した設備を生かして、虫歯、歯周病、食いしばり・歯ぎしり、入れ歯などトータルに診療を行っている。特に食いしばりの治療を希望する患者が増えているそうだ。そんな中で山本院長が大切にしているのは、患者との会話。一人ひとり丁寧に向き合い、治療計画を立て、一緒にゴールをめざしている。「患者さんあっての今」と語り、ホスピタリティーにあふれる診療を行う院長に、その思いや院内の変化、気になる食いしばりの対処方法などを聞いた。

(取材日2022年11月15日/情報更新日2023年11月16日)

通ってくれる患者への感謝を胸に診療を行う

開業の経緯をお聞かせください。

山本欣正院長 山本歯科医院1

ここにはもともと祖母の家があり、九州から出てきた祖父と結婚し、祖父が歯科医院を開業したんです。父が後を継いでから約77年がたちました。最初は平屋で、47年ほど前に建て替えたのですが、その時も地元の患者さんの要望に添って、開業当初からの雰囲気は極力残しました。待合室には父の趣味の熱帯魚が泳ぐ大きな水槽もあります。僕は大学卒業後、3年間大学の歯周病科に残り、その後2つの歯科医院での勤務を経て、1998年に戻ってきました。この辺りの風景は昔と変わらず、生まれ育ったこの町への愛着は深いです。

先生が来てからの院内はどのような変化がありましたか?

診療ユニットを3台変えるなど、設備は新しくしています。また、治療計画をしっかり立てるようになったことも変化の一つです。初診の方で応急処置が必要なときはすぐに対応しますが、基本はまず検査をして次に説明とお掃除、そして後日治療に入ります。治療後は毎回、口腔内カメラなどで撮影をして今の状況を説明していますし、治療計画を患者さんも把握することでゴールをめざしやすくなっていると思います。患者さんの数も増え、特にこの新型コロナウイルス感染症の流行下で男性の患者さんが増加傾向です。職場に行かなくていい日が増えたので、自宅の近くで歯科医院を探されて奥さまに紹介されてくる方も多いです。一方で、当院に通い続けてくださる方が増えてきたために、現在は紹介での来院以外の初診患者さんの受付を停止しております。来てくださる方に最大限良い医療の提供ができるよう引き続き努めてまいります。

ホスピタリティーも大事にしているとお聞きしました。

山本欣正院長 山本歯科医院2

僕自身は当たり前だと思っているのですが、診療を終えた患者さんの荷物を持って毎回見送ることは欠かしません。大学で勤務をしていた頃からのルーティンですし、患者さんあっての今ですから、感謝を込めて対応しています。ある患者さんに助けられたこともあります。その方は勤務医時代の患者さんで、治療にトラウマがあり、恐怖心を取り除くために2年間カウンセリングを続け、最終的には26本の歯の治療を行った方。その方が僕を探し出して来てくださり、他の患者さんを紹介してくださったんです。そういう方が何人もいて、恩返しをしていきたいと思っています。「先生変わらないでね、忙しくなると変わる先生がいるから」と、言われたことも忘れられませんね。

食いしばりはマウスピースで症状軽減をめざす

現在、患者さんの主訴で多いものは?

山本欣正院長 山本歯科医院3

紹介で来る方は、セラミックや入れ歯治療でいらっしゃる方も多いですが、今は食いしばり・歯ぎしりでお悩みの方が圧倒的に増えています。食いしばりは姿勢や噛み合わせのバランスが大きく関係するのですが、悩まれているのはお子さんから高齢の方まで幅広く、お子さんの場合は受験のストレスや感染症の流行下でタブレットなどを見る機会が増えたことも影響しているようです。大人の方はパソコンやスマートフォンの使用時の姿勢が影響しています。加えて、目の疲れは側頭筋という目の横の筋肉の凝りにつながり、側頭筋が固くなると食いしばりにつながりやすくなります。ですので、食いしばりは現代病とも言えると思います。

食いしばり・歯ぎしりを放置するとどうなるのか、どのように治療するのか教えてください。

放置すると顎関節症になったり、歯が削れたり、虫歯じゃないのに歯が痛い咬合痛などが出てくる恐れがあります。体全体のバランスが悪くなり、首周りの凝りや片頭痛が現れることも。食いしばりによって1本の歯に力がかかると、そこだけ骨の溶け方が早くなって歯周病を悪化させかねません。治療ではまず、噛み合わせのバランスを確認して現在の状態を説明した上で、マウスピースを使った治療をお勧めします。主に寝ている時につけるのですが、パソコン作業中の食いしばりが気になる方には日中用の薄いマウスピースをつくるなど、その方に合わせたカスタムメイドの治療が基本です。開始して2週間後、1ヵ月後と診ていき、完治は難しくても症状の軽減がめざせます。マウスピースの使用は、虫歯などを治療した歯の持ちを良くし、最終的に歯が割れて抜歯になるリスクを減らすことにつなげるのも目的です。あわせて、生活習慣の改善についてのお話もしています。

生活習慣の改善についてはどんな指導をされていますか?

山本欣正院長 山本歯科医院4

生活習慣を治すのは難しいですが、一矢を報いることはできると思っています。まずはストレッチ。肩を肩甲骨ごと前後に回します。猫背だと肩は回らないので、回そうとすると自然に背筋が伸びます。また、壁にかかとと背中を押しつけて、後ろ向きに5分ほど立ってみます。例えば、右に傾いている場合は左側が張ってくるので、それを微調整して楽に立てるところが正しいバランス。その真っすぐ立てる姿勢を普段から意識するように促し、歪みがひどい場合は整骨院を受診するようお勧めすることもあります。目の疲れも食いしばりにつながるので、目の周りの筋肉をほぐしたり、温めて血液の循環を良くしたりするケアも有効的です。これだけでも食いしばりの症状軽減が望めると思いますので、やるやらないに関係なく、生活習慣の歯への影響を意識していただくことが目標です。

スタッフ一同目標をそろえ、喜ばれる歯科医院に

治療の際に心がけていることを教えてください。

山本欣正院長 山本歯科医院5

できるだけ患者さんとお話しする時間を取って、垣根なく接することです。初診では「この虫歯だけ治して」という方にも、エックス線や口腔内カメラで撮った画像、模型をお見せしながら、トータルに治療をしてしっかり噛める歯を維持できれば、全身の健康にもつながることを説明します。保険診療がメインですが、希望があれば一部保険外診療にも対応し、オーダーメイドの治療を提供しています。重視するのは、最後まで無理なく通っていただくこと。そのためには相性も重要です。話し方、声のトーンや質をその方に合わせて変えていくことで、話が伝わりやすいように努めています。ベースは変えませんが、お仕事などでお時間のない方には説明を必要最低限にとどめますし、治療に不安をお持ちの方なら一から丁寧に説明します。

スタッフさんの教育にも取り組んでいるそうですね。

僕がこちらに戻ってきた時に、スタッフの意識を変えていかなければと実感しました。今は四半期に1度、僕が投げた課題に対して自己採点をしてもらっています。ですが、なかなか難しさも感じるところで方法を模索中です。僕の立場とスタッフとでは目線が違うのは仕方がありませんが、できる限り同じ目線を持ってもらいたいんです。患者さんに喜んで帰っていただけることをスタッフ一同これからもめざしていきたいと思います。

今後の展望をお聞かせください。

山本欣正院長 山本歯科医院6

今後も、地域に根差して診療をしていきたいです。昔から僕を知る方は「山ちゃん」と呼んでくれますし、幼かった患者さんが大きくなったり、お子さんやお孫さんを連れていらっしゃったり、患者さんも3代目になってきました。友人をたくさん紹介してくれたり、「あの歯医者さんはお勧めよ」と言い回ってくれている方もいます(笑)。当院に通うのを毎月の楽しみにされている方もいて、皆さんの期待を裏切らないよう頑張りたいですね。また訪問診療も月2回のペースで引き続き取り組み、地域の高齢化に対応していきます。杉並区は歯の健康推進が活発で区民の意識も高く、当院にも多くの方が検診を受けに来られます。メンテナンスに通い続けてくださる患者さんも多くいらっしゃいます。ですので、歯科衛生士の人数を増やして、今後は予防にも力を入れていきたいと考えています。皆さんも歯の健康寿命を延ばすために、定期検診に通ってくださいね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オールセラミック(冠)/9万9000円
オールセラミック(部分)/3万8500円~4万9500円

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