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年1回の子宮がん検診で早期発見
若年層はHPVワクチンの接種を

近藤クリニック

(杉並区/西荻窪駅)

最終更新日:2023/12/06

近藤クリニック 年1回の子宮がん検診で早期発見 若年層はHPVワクチンの接種を 近藤クリニック 年1回の子宮がん検診で早期発見 若年層はHPVワクチンの接種を

早期発見できれば治癒の可能性も見込める子宮がん。特に子宮の入り口にできる子宮頸がんは、定期検診を受けていれば早期に発見しやすいとされるがんだ。その一方で、発症しても初期は自覚症状がほとんどないため、気がついた時にはすでに病気が進行しているというケースも多いという。進行すれば、手術や抗がん剤治療を行うが、若くして命を落とすことも。そうならないためにも、定期的な検診の重要性を正しく理解することが大切だ。大学病院などで婦人科腫瘍をメインに多くの患者の診療、手術に携わってきた「近藤クリニック」の近藤亜未副院長に、検診を受けるべきタイミングや、1年に1回は検査を受ける習慣の重要性、子宮頸がんの予防になるHPVワクチンなどについて聞いた。

(取材日2022年12月6日)

早期発見・早期治療に欠かせない定期受診。精密検査もクリニック内で行い、受診のハードルを下げる

Q近年増えている子宮頸がんについて詳しく教えてください。
A
近藤クリニック 穏やかな口調で丁寧に検診の必要性を教えてくれる

▲穏やかな口調で丁寧に検診の必要性を教えてくれる

子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分に発生します。定期検診を受けていれば早期に発見しやすいといわれるがんですが、その一方で、症状が出た時にはすでに病気が進行していることも多いのが特徴です。主な症状は不正出血ですが、症状が出ても婦人科の受診に抵抗があり、自己判断で様子を見てしまう方も少なくありません。また、不正出血があった時点で検査をしても、病気がすでに進んでいるのが子宮頸がんの怖いところです。要再検査になった場合でも、これといった症状がないため、精密検査を受けない方もいらっしゃるのですが、検査を受けない限り詳しい病状はわかりませんので、必ず受けましょう。

Q子宮頸がん検診はどのような方が受けるべきでしょうか?
A
近藤クリニック 年齢に関わらず、年1回など定期的に行うことが推奨される

▲年齢に関わらず、年1回など定期的に行うことが推奨される

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが主な原因といわれています。このウイルスは性交渉によって感染するため、性交渉の経験がある方は、年齢に関わらず、子宮頸がん検診を定期的に受けることをお勧めします。子宮頸がんの精密検査では、がんになる前の段階である子宮頸部異形成の診断が可能です。この段階で早期発見できれば、多くの場合、子宮摘出などの大きな手術は必要なく、妊娠・出産も可能です。大切なのはまずは検診を受けること。20歳以上を対象に2年に1回の検診が推奨されていますが、年1回は受けることをお勧めします。そして、検診で異常が見つかった際は、必ず精密検査を受けるようにしましょう。

Q精密検査はこちらでも受けられるのですか?
A
近藤クリニック コルポスコープという拡大鏡を用いて検査する

▲コルポスコープという拡大鏡を用いて検査する

はい。当院ではコルポスコープという拡大鏡を用いた精密検査が行えます。数箇所の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べることで、子宮頸がんの前がん病変である子宮頸部異形成の診断をします。前がん病変には1~3の段階があり、1や2の段階では、正常に戻るケースもあれば、反対にがんがゆっくりと増殖することもありますから、3ヵ月から半年ごとに検査を受けて経過を観察します。もしがんを発症しても早期発見・治療ができるので、定期的な検査は極めて重要です。精密検査というと身構えてしまうかもしれませんが、婦人科クリニックで検査できますので、区の検診で再検査となった方や、他院で子宮頸がん検診を受けた方も気軽にご相談ください。

Q年代によって気をつけるべき子宮がんはありますか?
A
近藤クリニック 気になる症状がある場合は、迷わず婦人科を受診すること

▲気になる症状がある場合は、迷わず婦人科を受診すること

子宮内膜から発生する子宮体がんは、40歳頃から増加して、閉経後の50~60歳代でピークを迎えるとされています。初期の自覚症状として最も多いのが出血です。月経ではない期間や閉経後に出血があった場合は注意が必要です。出血は、おりものに血が混ざって褐色になることもあれば、鮮血が出る場合もあります。いずれも、不正出血があった場合は迷わず婦人科を受診してください。また、若い世代でも子宮体がんになる方はいらっしゃいますので、気になる症状がある場合は、早めに婦人科を受診することをお勧めします。子宮体がんの検査は子宮頸がん検査に比べると、少し痛みがある検査ですが、早期発見には欠かせない重要な検査です。

Q子宮頸がんのワクチン接種について教えてください。
A
近藤クリニック 10代の女性のワクチン接種には、親のサポートが必要だ

▲10代の女性のワクチン接種には、親のサポートが必要だ

子宮頸がんの予防にはHPVワクチンが用いられます。日本で承認されているHPVワクチンは2価、4価、9価の3種で、2価ワクチンは子宮頸がんの主な原因となるHPV16型と18型に対するワクチンで、4価ワクチンは16型と18型、良性の尖形コンジローマの原因となる6型と11型の4つの型に対するワクチン、9価は4価にさらに7型を加えたもので、当院では4価と9価の接種を実施。初めて性交渉する前の接種が望ましく、現在2価、4価、9価は高校1年生まで公費で受けられます。公費対象外の年齢にならないようにスケジュールを組みましょう。接種機会を逃した方向けのキャッチアップ接種も行われています。

ドクターからのメッセージ

近藤 亜未副院長

HPVワクチンの公費対象年齢である10代の女性は、ご自身で接種しようと考える方は少なく、親御さんからのアプローチが必要です。接種に対して不安なことがあれば、お母さん自身の検診や診察の際にもご相談ください。鎮痛剤を飲んでも生理痛がつらい、量が多いといった学業に支障を来すような若い方の月経の悩みも受けつけています。子宮がんの検診では、内診に抵抗がある方も少なくありません。検査や痛みへの不安をなくすために検査前の説明を丁寧に行う他、検査中も声がけをするなどリラックスして受けていただけるよう、こまやかな配慮を心がけています。医師もスタッフも女性ですので、安心して定期的に受診していただきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

子宮頸がんワクチン/3万6000円×3回、子宮頸がん検診/5000円、子宮体がん検診/7000円

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