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「気づいた時には手遅れ」のケースも
歯周病の進行と予防について

中冨歯科

(台東区/御徒町駅)

最終更新日:2024/05/13

中冨歯科 「気づいた時には手遅れ」のケースも 歯周病の進行と予防について 中冨歯科 「気づいた時には手遅れ」のケースも 歯周病の進行と予防について
  • 保険診療

歯周病が気になってはいても「歯茎から血が出ることもないし、まだ平気だろう」と、放置していないだろうか。実は、何の症状もなくても歯周病が進行しているケースは少なくない。歯周病は歯を失う大きな原因の一つであるだけに、見逃さないようにしたいところだ。長年にわたり予防歯科に取り組んできた「中冨歯科」の中冨寛院長は、「歯周病を予防するには定期的に歯科医院でチェックすることが非常に重要です」と力を込める。歯茎の中がどうなっているのかは自分の目ではなかなか確認できないからこそ、まず正しい歯周病検査が欠かせない。その上でどのような治療をしていくのか。日々の生活の中ではどんな点に気をつければよいのかなど、歯周病について詳しく解説してもらった。

(取材日2024年4月22日)

自覚症状もなく進行する歯周病。定期的に歯周病検査を受けてベストタイミングで治療を受けるのが大事

Q歯茎が腫れたり出血が見られたりしたら歯周病ですか?
A
中冨歯科 どんな症状でも相談してほしいと話す中富院長

▲どんな症状でも相談してほしいと話す中富院長

歯茎の腫れや出血は歯周病が原因ということもありますが、それだけではありません。大きな虫歯(う蝕)などが原因で歯が折れていたり割れていたり、根っこの部分が膿んで腫れていることもあるので、いずれにせよできるだけ早く歯科医院に相談することをお勧めします。むしろ、軽度から中程度の歯周病では歯茎の腫れも出血もなく、何の症状も出ない人もいらっしゃいます。特に喫煙者は歯茎からも出血しにくくなっているので、知らないうちに歯周病がかなり進行しているケースも多いので注意が必要です。

Qそもそも歯周病とはどのような病気ですか?
A
中冨歯科 検査を行うことで現状を把握する

▲検査を行うことで現状を把握する

歯周病は感染症の一種で、何種類もの原因菌があります。感染経路もさまざまで人生のどこかで多くの人が一度は感染している可能性があるといっても過言ではありません。ただ、いつ・どこで・どうやって感染したのか把握するのは正直なところ不可能です。だからこそ、歯茎の現状がどうなっているのか検査でしっかりと把握していく必要があります。歯を失う原因の一つが歯周病ですが、抜歯に至るような重症化を防ぐためにも、初期のうちに治療を始めることが重要です。

Q歯周病が重症化した場合、どのような症状が見られますか?
A
中冨歯科 健康寿命を延ばすために歯周病の重症化を防ぐ

▲健康寿命を延ばすために歯周病の重症化を防ぐ

歯茎が腫れたり出血したり膿が出たりといった症状が見られます。うまく噛めなくなったり、歯がグラグラするなと思ったらポロッと抜けてしまったりということさえあります。さらに、近年の研究では歯周病がさまざまな全身疾患の引き金になっているのではないかという指摘もあるので見過ごせません。代表的なところでは、糖尿病、低体重児出産、アルツハイマー型認知症との関連が指摘されています。実際、認知症専門の診療所で歯科衛生士を雇用しているケースもあるほどです。歯周病の重症化を防ぐことが健康寿命を延ばすことにもつながるのであれば、それは歯科医師のミッションなのではないかと思っています。

Q歯周病の治療はどのように行うのですか?
A
中冨歯科 歯磨き指導にも注力している

▲歯磨き指導にも注力している

治療において何よりも大切なのは、しかるべき検査を行い歯周病の状態を正しく把握することです。そうしないと「3ヵ月ごとにクリーニングしているのに歯周病が進行してしまった」ということにもなりかねません。1本1本の歯について歯周ポケットがどこまで深くなっているのか、出血はないか、歯の揺れはないか、きちんと調べた上で歯石を除去していきます。さらに検査をして、まだ汚れがあれば麻酔をして歯石を除去。再び検査を行い、必要があれば歯茎を切って奥にたまった歯石を取り除きます。ただ、歯石の除去を行っても、ご自身のブラッシングで日常的に管理していかないとまた蓄積してしまうので、歯磨き指導も治療の一部です。

Q歯周病を予防する方法はありますか?
A
中冨歯科 自宅のケアと歯科医院でのケア両方大事にしてほしいと話す院長

▲自宅のケアと歯科医院でのケア両方大事にしてほしいと話す院長

自宅でのケアも大事ですが、どうしてもご自身のケアだけでは取れない汚れもあります。台所やお風呂場にヌルヌルとした膜ができて掃除に困ったことがある人も多いと思いますが、あの正体はバイオフィルムと呼ばれる細菌の塊です。実は口の中にもバイオフィルムができるのですが、排水溝同様に「取ったと思ったらいつの間にか発生」というしつこさは変わりません。かといって、口腔内に強い洗浄剤は使えませんし、自分の手が届かない場所にできたバイオフィルムは定期的に歯科医院で取り除いていく必要があります。歯周病を予防するためにも、定期的に予防歯科に通う習慣をつくってはいかがでしょうか。

ドクターからのメッセージ

中冨 寛院長

予防歯科と一口に言っても、実際に行われている内容はそれぞれのクリニックで多少の個性もあります。当院では表面的なクリーニングや虫歯のチェックだけではなく、歯茎の中で何が起きているのかを詳細に確認することに重点を置いています。例えば、歯茎との間の溝の深さ測る場合、1本1本につき6ヵ所深さを測って、出血や歯の揺れがないかを確認しますが、それでも5分もあれば済む検査です。「この歯は処置をしましょう」「この歯はもっと頑張って磨いてみましょう」などと1本1本アドバイスしていきますので、歯周病にお困りの方や心配な方はご相談ください。

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